[記事公開日]2022/06/21
[最終更新日]2026/08/14
リカバリディスクが正常に作成できない場合の対処方法
リカバリディスクやリカバリメディアは、Windowsが起動できなくなったときや、SSD/HDDを交換したあとにパソコンを復旧するために使います。
ところが、作成途中でエラーになる、USBメモリを認識しない、以前は作成できたのにWindowsをアップグレードした後から作れない、といったトラブルが起こることがあります。
元記事では、主な原因としてWindowsのアップグレード、メーカー製リカバリ作成ソフトの削除、リカバリ領域の削除、作成先メディアの不良、DVDドライブなど作成装置の故障、HDD/SSDの異常を挙げています。これらは現在でも原因候補になります。
ただし、リカバリメディアの仕様はメーカー・機種・発売時期によって大きく異なります。最初から初期化やクリーンインストールを行うのではなく、まず安全な確認から進めてください。
最初に確認:「リカバリディスク」には複数の種類がある
「リカバリディスク」という言葉は、実際にはいくつかの異なるメディアを指します。
| 種類 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| メーカー製リカバリメディア | 工場出荷時状態へ戻す | メーカー独自アプリやドライバーを含む場合がある |
| Windows 回復ドライブ | Windowsの回復・再インストール | Windows標準機能でUSBメモリへ作成 |
| Windowsインストールメディア | Windowsの再インストール・修復 | Microsoftから作成可能。メーカー出荷時構成とは異なる |
| システム修復ディスク | Windows回復環境の起動 | 主に旧WindowsでCD/DVDを利用する方式 |
この記事の元記事が主に扱っているのは、パソコンメーカーが用意した「工場出荷時状態へ戻すためのリカバリディスク/リカバリメディア」です。
Windows標準の「回復ドライブ」は個人データのバックアップではない
現在のWindows 11/Windows 10には「回復ドライブ」という標準機能があります。
Microsoftによると、回復ドライブにはWindowsの復旧に必要なシステムファイルを保存できますが、個人の写真・文書などは含まれません。個人データは別途バックアップが必要です。
注意:回復ドライブ作成時は、選択したUSBメモリ内のデータが消去されます。必要なファイルが入っているUSBメモリをそのまま使わないでください。
リカバリメディアが作成できない主な原因
1. Windowsをアップグレード・クリーンインストールした
元記事でも、Windows 7からWindows 10、Windows 8からWindows 10などへアップグレードしたあとに、メーカー製リカバリメディア作成機能が動かなくなる事例を紹介しています。
メーカー製のリカバリ作成ソフトは、出荷時OSや特定バージョンのWindowsを前提に作られていることがあります。そのため、OSを大きく変更したあとでは正常に動かない場合があります。
また、Windowsをクリーンインストールすると、メーカー独自のリカバリ作成ソフトや出荷時環境が失われることがあります。
2. メーカー製リカバリ作成ソフトを削除した
メーカー製PCには、次のような名前のリカバリ作成ソフトが最初から入っている場合があります。
- リカバリメディア作成
- リカバリディスク作成
- 再セットアップメディア作成
- バックアップディスク作成
- Recovery Media Creator
このソフトをアンインストールすると、メーカー独自のリカバリメディアを作れなくなることがあります。
ただし、ソフト名や再インストール方法はメーカー・機種ごとに異なるため、必ずメーカー公式サイトや取扱説明書で確認してください。
3. リカバリ領域が削除・変更されている
メーカー製PCでは、SSD/HDD内に工場出荷時データを保存した専用の回復領域が用意されている場合があります。
元記事では、この領域を削除すると、リカバリディスク作成や本体からのリカバリができなくなる可能性を指摘しています。
次の操作を過去に行っている場合は注意が必要です。
- SSD/HDDを別のものへ交換した
- Windowsをクリーンインストールした
- パーティションを削除・統合した
- ディスククローン後にパーティション構成を変更した
- 容量確保のため回復領域を削除した
重要:「リカバリ領域らしいパーティション」を見つけても、ドライブレターの付与、フォーマット、削除、サイズ変更をむやみに行わないでください。メーカー独自の復旧機能が使えなくなる可能性があります。
4. USBメモリ・DVDなど作成先メディアに問題がある
元記事では、CD-R、DVD-R、BD-R、USBメモリなどの不良や容量不足でも作成エラーが発生すると説明しています。
現在はUSBメモリを使う方式が一般的ですが、必要容量はメーカー・機種・作成ツールによって異なります。
確認ポイントは次のとおりです。
- 作成ツールが表示する必要容量を満たしているか
- USBメモリに必要なデータが残っていないか
- 別のUSBメモリで試したか
- USBハブを介さず本体へ直接接続したか
- USB接続が途中で切れていないか
- DVD方式なら新品メディアで試したか
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実際に必要な容量は、メーカーの説明または作成ツールに表示される容量を優先してください。
5. DVDドライブなど書き込み装置が故障している
DVD-RやBD-Rでリカバリディスクを作る機種では、光学ドライブの書き込み不良も原因になります。
次のような症状がある場合は注意してください。
- DVDの読み込みが極端に遅い
- 別のDVD書き込みでも失敗する
- 途中でディスクを認識しなくなる
- 書き込み終了時の検証でエラーになる
別メディアへ交換しても毎回同じ位置で失敗する場合は、光学ドライブだけでなく、元データやストレージ側の異常も考えます。
6. SSD/HDDに読み取りエラーがある
元記事では、HDD/SSDが故障していると、リカバリデータ、作成ソフト、Windowsシステムが破損し、メディア作成に失敗する可能性を挙げています。
次の症状が同時にある場合は、先にストレージ故障を疑ってください。
- Windowsの起動が以前より極端に遅い
- フリーズが増えた
- ファイルコピーでエラーが出る
- アプリが頻繁に応答なしになる
- HDDから異音がする
- SMART警告やメーカー診断エラーが出る
重要データがある場合:ストレージ故障が疑われる状態で、リカバリメディア作成や修復処理を何度も繰り返すのは避けてください。まず個人データの退避を優先します。
7. メーカー側の「作成回数制限」に引っかかっている
古いメーカー製PCの一部では、リカバリメディアを1セットだけ作成できる仕様や、作成済み情報を記録する仕組みが採用されていることがあります。
以前に一度作成している場合は、同じ機種でも再作成できないことがあります。
この場合は設定を無理に解除せず、メーカーサポートや純正リカバリメディアの提供可否を確認してください。
安全な対処手順
1. エラー内容とPC型番を記録する
最初に次をメモします。
- パソコンのメーカー・正確な型番
- 出荷時のWindows
- 現在のWindows
- 使用しているリカバリ作成ソフト名
- エラー番号・エラーメッセージ
- 何%付近で失敗するか
- 使用したUSBメモリ/DVDの種類
エラー画面はスマートフォンで撮影しておくと、メーカーサポート情報を調べるときに役立ちます。
2. 先に個人データをバックアップする
リカバリメディア作成が失敗しているだけなら、通常はWindowsを初期化する必要はありません。
それでも、ストレージ不良や回復領域の破損が原因の場合、症状が悪化するとWindowsが起動できなくなる可能性があります。
写真、文書、メールデータ、年賀状住所録など重要データは、別の外付けストレージやクラウドへ先に退避してください。
3. メーカー公式の作成手順を確認する
メーカー製リカバリメディアは、PCメーカーの仕様が最優先です。
メーカー公式サイトで次を確認します。
- 対象機種のリカバリメディア作成方法
- 必要なUSB容量・DVD枚数
- 作成回数制限の有無
- 作成ソフトの更新版
- 作成ソフトの再インストール方法
- 純正リカバリメディアを購入・ダウンロードできるか
- クラウドリカバリ機能が提供されているか
4. 別のUSBメモリやUSBポートで試す
USBメモリ方式なら、別の正常なUSBメモリで試します。
USBハブや延長ケーブルは使わず、パソコン本体のUSBポートへ直接接続してください。
作成中はスリープさせず、ノートPCではACアダプターを接続しておきます。
5. PCを再起動し、不要なアプリを閉じて作成する
長期間再起動していない場合や、バックグラウンドで大量の処理が動いている場合は、一度Windowsを再起動してから作成します。
メーカー製作成ツールによっては管理者権限が必要です。メーカーの手順に管理者実行の指定がある場合は従ってください。
6. 作成ソフトをメーカー公式の方法で更新・再インストールする
元記事でも、リカバリ作成プログラムのアップデートや再インストールを対処法として挙げています。
現在も有効な方法ですが、必ず対象機種向けのメーカー公式ファイルを使用してください。
インターネット上の非公式配布サイトから、似た名前のリカバリソフトをダウンロードするのは避けてください。
7. Windowsをアップグレードしている場合は、メーカー対応状況を確認する
出荷時がWindows 7/8で、現在は別のWindowsへアップグレードしている場合、メーカー製リカバリ作成ソフト自体が現在のOSへ対応していないことがあります。
この場合、作成ソフトを何度も入れ直すより、メーカーが提供する別のリカバリ手段がないか確認したほうが安全です。
なお、Windows 10の通常サポートは2025年10月14日に終了しています。現在Windows 10を使用しているPCでは、ハードウェア要件やメーカーサポート状況も確認しながら今後の運用を検討してください。
Windows標準の回復ドライブを作れる場合
メーカー独自のリカバリディスクとは別に、Windowsが正常に動作しているならWindows標準の「回復ドライブ」を作成できる場合があります。
- 空のUSBメモリを接続する
- スタートメニューで「回復ドライブ」を検索する
- 「回復ドライブ」を起動する
- 「システム ファイルを回復ドライブにバックアップします」が選択されていることを確認する
- 画面の指示に従ってUSBメモリを選択する
- 「作成」を実行する
Microsoftは、回復ドライブを定期的に作り直し、最新のWindows更新を含めることを推奨しています。
ただし、Windows標準の回復ドライブとメーカー純正の工場出荷時リカバリメディアは同じものではありません。
メーカー製リカバリメディアが作れないときの代替手段
メーカー純正のリカバリイメージ・メディアを利用する
メーカーによっては、対象機種のリカバリイメージをダウンロードできたり、純正リカバリメディアを購入できたりします。
PC型番・シリアル番号・出荷時OSを確認し、メーカー公式サポートで提供状況を調べてください。
Windowsインストールメディアを作成する
工場出荷時状態への復元にこだわらず、Windowsを再インストールできればよい場合は、Microsoft公式のインストールメディアを準備する方法があります。
MicrosoftはWindowsのインストール用USBメモリを作成する手順を案内しています。
Microsoft:Create installation media for Windows
ただし、Windowsインストールメディアでは、メーカー独自アプリ、工場出荷時設定、一部の専用ドライバーが自動で戻らない場合があります。
「一度リカバリしてからメディアを作る」は最後の手段
元記事では、内蔵リカバリ領域を使って工場出荷時状態へ戻し、その後リカバリディスクを作る方法を紹介しています。
これは機種によって有効な場合がありますが、個人データやインストールしたアプリが消えるため、最初に試す方法ではありません。
実施する場合は次を確認してください。
- 必要な個人データをバックアップした
- Microsoftアカウントや各種ログイン情報を確認した
- Officeや業務ソフトの再インストール方法を確認した
- BitLocker回復キーを確認した
- 電源を安定して供給できる
- メーカーの正しいリカバリ手順を確認した
リカバリ途中で失敗すると、Windowsが起動できなくなる場合があります。
クリーンインストールはOEMリカバリメディアを復活させる方法ではない
元記事では、Windowsをクリーンインストールしたあとにリカバリ作成ソフトを戻してリカバリディスクを作る方法も紹介していました。
しかし、現在のPCではクリーンインストールによってメーカー独自の回復領域や工場出荷時構成が自動的に復元されるわけではありません。
そのため、「リカバリメディアが作れない」という理由だけでクリーンインストールすることはおすすめしません。
クリーンインストールは、Windows自体を再構築する必要があり、メーカー純正リカバリが不要と判断した場合の最終手段として考えてください。
リカバリ領域のファイルを手動コピーしても起動メディアになるとは限らない
元記事には、リカバリ領域からデータを取り出してUSBやDVDへ保存する方法も記載されていました。
ただし、リカバリメディアは単純なファイルコピーだけで作成できるとは限りません。
ブート情報、パーティション構成、専用ツール、イメージファイルの配置などが必要な場合があり、メーカー独自形式もあります。
リカバリ領域のファイルを手動でコピーしただけのUSBを「使えるリカバリメディア」と判断しないでください。
SSD/HDDが故障している場合は「リカバリ作成」よりデータ保護を優先する
元記事では、故障したHDD/SSDをクローンしてからリカバリディスクを作成する方法に触れています。
ストレージが軽度の不良で、全体を安定して読み出せる場合にはクローンが役立つこともあります。ただし、異音、読み取り停止、SMART警告、頻繁な切断などがあるストレージへ長時間の読み取りを繰り返すと、状態が悪化する可能性があります。
重要データが残っている場合は、リカバリメディア作成より先にデータ救出の方針を決めてください。
リカバリメディア作成時にやってはいけないこと
回復領域を削除・フォーマットする
原因確認の途中で回復領域を消すと、メーカーのリカバリ機能まで失う可能性があります。
必要データ入りUSBメモリをそのまま使う
回復ドライブやリカバリメディアの作成ではUSB内のデータが消去されることがあります。
作成できないからすぐWindowsを初期化する
USBメモリ不良や作成ツールの問題だけなら、初期化する必要はありません。
ストレージ故障が疑われる状態で何度も作成を繰り返す
読み取り負荷をかけ続けるより、重要データの退避を先に行います。
非公式サイトからリカバリソフトを入手する
メーカー製リカバリツールは、メーカー公式サイト・付属領域・正規サポート経由で入手してください。
原因別の切り分け早見表
| 状況 | 優先して確認すること |
|---|---|
| USBを選択できない | USB容量、別USB、別ポート、メーカー指定条件 |
| 毎回途中でエラー | 別メディア、ストレージ状態、エラー番号 |
| Windowsアップグレード後から作れない | メーカー作成ツールの対応OS・更新版 |
| 作成ソフト自体がない | メーカー公式の再インストール方法 |
| SSD交換後から作れない | 元の回復領域が引き継がれているか、メーカー代替手段 |
| DVDだけ作成失敗する | 新品メディア、光学ドライブの書き込み機能 |
| HDD/SSDの動作も不安定 | データバックアップ、ストレージ故障診断 |
| 以前に一度作成済み | メーカーの作成回数制限 |
よくある質問
リカバリディスクが作れないとWindowsを初期化できませんか?
必ずしもそうではありません。内蔵回復環境、メーカーのクラウドリカバリ、Windows回復ドライブ、Windowsインストールメディアなど、機種や状況に応じて別の復旧方法があります。
Windowsの回復ドライブとメーカーのリカバリディスクは同じですか?
同じとは限りません。メーカー製リカバリメディアは工場出荷時の専用アプリやドライバーを含むことがあります。Windows標準の回復ドライブはWindowsの回復を目的とする機能です。
USBメモリは何GBあればよいですか?
必要容量は作成方法や機種によって異なります。メーカーの説明または作成ツールに表示される必要容量を確認してください。
回復ドライブには写真や文書も保存されますか?
保存されません。Microsoftも、回復ドライブは個人ファイルを含まないため、個人データは別の方法でバックアップするよう案内しています。
リカバリ領域を削除してしまいました
メーカー製リカバリメディアを作れなくなる場合があります。メーカーがリカバリイメージを提供していないか確認し、必要に応じてWindowsインストールメディアを利用します。
リカバリディスク作成のために一度初期化してもよいですか?
機種によって有効な場合はありますが、データ消去を伴うため最後の手段です。まず作成ソフト、USBメモリ、メーカー公式の代替手段を確認してください。
まとめ
リカバリディスクが作成できない原因は、作成ソフト、Windowsのアップグレード、回復領域、USBメモリやDVD、光学ドライブ、SSD/HDDなど複数あります。
安全な順番は、PC型番とエラーを確認 → 個人データをバックアップ → メーカー公式手順を確認 → 別USB・別ポートを試す → 作成ソフトを公式手順で更新・再インストール → ストレージ状態を確認 → メーカー純正リカバリやWindows回復ドライブ・インストールメディアを検討です。
回復領域の削除、初期化、クリーンインストールは、原因が分からない段階で行わないでください。リカバリメディアが作れないだけの状態から、Windowsまで起動できない状態へ悪化させないことが重要です。
