[記事公開日]2023/05/30
[最終更新日]2025/05/09
⚠️ 「Diskette Drive A Error」が表示される原因と対処法
もくじ
はじめに
「Diskette Drive A Error」は、パソコンの起動時に表示されることがあるエラーで、主にフロッピーディスクドライブ(Aドライブ)に関連する問題を示しています。現代のPCではフロッピードライブが搭載されていないことが一般的なため、このエラーはBIOSの初期設定ミスや古いマザーボードの設定残存、あるいはCMOS設定のリセットなどが主な原因です。
このエラーが発生したからといってシステムが破損しているわけではなく、多くの場合は設定を見直すだけで簡単に解決できます。この記事では、「Diskette Drive A Error」の発生要因を明らかにし、初心者でも簡単に実施できる具体的な対処法を、可能な限り詳しく紹介します。
🛠 主な原因と対処法
1️⃣ BIOSでフロッピードライブ(Aドライブ)が有効になっている
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実際には存在しないフロッピードライブが、BIOS上で「存在する」と設定されている場合、起動時にドライブのシーク(アクセス)を試みて失敗し、エラーが表示されます。
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この設定は、BIOS初期値に「Floppy Drive(Diskette Drive)= 1.44MB, 3.5in」などと入力されていることが原因です。
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対処法:
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PCの電源を入れ、[DEL]キーや[F2]キーなどを押してBIOSに入ります
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「Standard CMOS Features」や「Integrated Peripherals」といった項目を開く
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「Drive A」や「Diskette Drive」または「Legacy Diskette」などの項目を「None」「Disabled」または「Not Installed」に変更
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設定完了後、「Save & Exit」で保存し再起動
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一部のUEFI BIOSでは、フロッピーデバイスのサポート自体を完全にオフにする項目も存在します
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2️⃣ 実際にフロッピードライブが存在するが、接続や設定に問題がある(旧型PC)
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古いPCでは物理的にフロッピードライブが搭載されていることがあります。ケーブルの接触不良、電源未接続、ジャンパ設定の不整合などによって、ドライブが正常に検出されずエラーが出る場合があります。
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対処法:
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フロッピードライブのFDDケーブルがマザーボードと正しく接続されているか確認(赤いラインが1番ピンと一致しているか)
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電源ケーブルがしっかり刺さっているか確認
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BIOSでDrive Aを「3.5″, 1.44MB」など該当する設定に変更
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フロッピードライブそのものが故障している場合は交換
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3️⃣ CMOS電池の消耗によりBIOS設定が初期化された
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マザーボード上のCMOS電池(通常はCR2032)が消耗すると、保存されていたBIOS設定が初期化され、デフォルト設定としてフロッピードライブが「Enabled」に戻ることがあります。
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これにより、実際には搭載されていないAドライブが有効と認識され、起動時にエラーが発生します。
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対処法:
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電源を切り、マザーボード上のボタン電池を新品(CR2032など)と交換
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BIOSに入り、「Diskette Drive」または「Drive A」の設定を「None」に変更
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BIOS設定を保存して再起動し、エラーが解消されたか確認
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長期保存されていたPCや、しばらく使っていなかったPCではCMOS電池の劣化が原因であることが多いです
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4️⃣ 起動順の設定でAドライブが上位にある
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ブート順設定でフロッピードライブが最優先に設定されている場合、起動処理中にディスクを探しに行くが、実体が存在せずにエラーとなることがあります。
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対処法:
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BIOSに入り、「Boot」→「Boot Priority」または「Boot Sequence」を開く
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「Removable Device」「Floppy」などが最上位にある場合、それを下位に移動し、OSがあるHDDやSSDを一番上に
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「Save & Exit」で保存し、再起動してエラーが出なくなるか確認
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5️⃣ CMOSクリア後やBIOSリセット後にフロッピードライブが自動的に有効になる
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CMOSクリアやBIOSアップデート後は設定がリセットされるため、デフォルト値としてフロッピードライブが有効になることがあります。
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対処法:
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BIOSに入り、「Drive A」や「Diskette Drive」の設定を確認・無効化
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必要に応じて他の初期化された設定(SATAモードやブート順)も再設定
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⚠️ 注意点
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BIOS設定を変更した後は、必ず「Save & Exit」や「F10」キーで設定を保存しなければ反映されません。
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自作PCや中古PCでは前の所有者が設定を変更したままになっていることがあるため、初回起動時にはBIOS設定全体を見直すことが重要です。
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CMOS電池の交換は静電気に注意しながら作業を行いましょう。交換後はBIOSの再設定が必要になります。
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フロッピーデバイスの設定はBIOSによって項目名が異なることがあるため、説明書やヘルプ画面を参照すると確実です。
✅ まとめ
💡 チェックポイント | 🔧 推奨される対応方法 |
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BIOS上でフロッピードライブが有効 | Drive A や Diskette Drive を「None」または「Disabled」に変更 |
実際にフロッピードライブがある場合 | ケーブル接続確認、必要に応じて交換 |
CMOS電池の劣化による初期化 | CR2032電池を交換し、再設定を保存 |
起動順の見直し | HDDやSSDを最上位に設定し、Floppyを除外 |
CMOSクリア後の初期値の確認 | BIOS再設定を実施し、不要な項目を無効化 |
📝 最後に
「Diskette Drive A Error」は、現代のPC環境においては主にBIOS設定の見直しで解消可能な軽度のエラーです。ハードウェアに異常があるわけではなく、古い設定が残っていることやCMOS電池の劣化が原因であることがほとんどです。中古PCや古いマザーボードを使用している場合は特に、BIOS設定の点検を定期的に行うことをおすすめします。
エラーが継続する場合は、ハードウェア(フロッピードライブやマザーボード)の不良を疑い、必要に応じて交換や専門業者への相談も検討してください。
➡️ 関連リンク
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「BIOSの基本操作と設定手順」
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「フロッピードライブの役割と廃止の経緯」
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「CMOS電池の交換方法とリスク」
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「古いパソコンの起動エラー対策まとめ」
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