[記事公開日]2025/05/07
[最終更新日]2026/08/14
ネットワーク設定のリセット手順
Windows 10/11で、Wi-Fiや有線LANの接続が不安定、一部のアプリだけ通信できない、共有フォルダーへ接続できないなどの症状が続く場合、「ネットワークのリセット」で改善することがあります。
ただし、ネットワークのリセットは、単なる再接続より影響の大きい操作です。Microsoftも、通常のトラブルシューティングで改善しない場合に最後のほうで試す手順として案内しています。
実行すると、Windowsに登録されているネットワークアダプターがいったん削除され、再起動後に再インストールされます。アダプター設定も既定値へ戻るため、固定IP、手動DNS、VPN、仮想ネットワーク、ネットワーク共有などを利用しているパソコンでは、事前確認が重要です。
この記事では、Windows 10/11でネットワーク設定をリセットする方法と、実行前に控えておく設定、リセット後に確認するポイントを安全な順番で解説します。
ネットワークのリセットはどんなときに使う?
次のような症状で、再起動やWi-Fi再接続、ルーター確認などを行っても改善しない場合に検討します。
- Wi-Fiまたは有線LANが突然つながらなくなった
- 「インターネットなし」と表示され続ける
- ブラウザーは使えるのに一部アプリだけ通信できない
- Windows Update後からネットワークがおかしくなった
- ネットワークアダプターの設定が不整合を起こしている
- 共有フォルダーやNASへ接続できなくなった
- VPNや仮想ネットワークを設定・削除したあとから通信が不安定になった
- TCP/IPやWinsockの修復でも改善しない
一方、次のような場合はネットワークリセットより先に別の原因を確認してください。
- 同じルーターにつながるすべての機器でインターネットが使えない
- ルーターやONUの警告ランプが点灯している
- Wi-Fiアダプターがデバイスマネージャーにも表示されない
- LANケーブルの断線やLANポート故障が疑われる
- 会社・学校の管理ネットワークを使用している
Microsoftも「最後に試す手順」と案内している
Microsoftの現在のWi-Fiトラブルシューティングでは、接続状態の確認、Wi-Fi再接続、ルーター再起動、ネットワークコマンド、ドライバー確認などを行ったあとに「ネットワークのリセット」を案内しています。
ネットワークのリセットを実行すると、インストール済みのネットワークアダプターとその設定が削除され、再起動後にアダプターが再インストールされて既定の設定へ戻ります。
Microsoft:Windows で Wi-Fi 接続の問題を修正する
ネットワークリセット前に確認・記録しておくもの
ネットワークのリセットを実行する前に、現在の設定を確認します。
| 確認項目 | 理由 |
|---|---|
| Wi-FiのSSIDとパスワード | 再接続が必要になった場合に備える |
| 固定IPアドレス | アダプター設定が既定値へ戻る可能性がある |
| サブネットマスク/プレフィックス長 | 固定IPの再設定に必要 |
| デフォルトゲートウェイ | 固定IPの再設定に必要 |
| 手動DNSサーバー | 自動取得へ戻った場合の再設定に必要 |
| VPNクライアント・接続情報 | 再インストールや再設定が必要になる場合がある |
| Hyper-Vなど仮想ネットワーク | 仮想スイッチの再構成が必要になる場合がある |
| ネットワークの種類(プライベート/パブリック) | リセット後にパブリックへ変わる場合がある |
| ネットワークアダプターのドライバー | 再起動後に自動復旧しない場合に備える |
会社・店舗・医療・業務システムなどで固定IPを使用している場合は、設定画面をスマートフォンで撮影しておくと安全です。
現在のIP・DNS設定を確認する方法
コマンドプロンプトを開き、次のコマンドを実行します。
ipconfig /all
使用中のネットワークアダプターについて、次の項目を確認できます。
- IPv4アドレス
- サブネットマスク
- デフォルトゲートウェイ
- DHCPの有効/無効
- DNSサーバー
- ネットワークアダプター名
ただし、ipconfig /all に表示される情報だけでVPNや仮想スイッチの設定を完全に復元できるわけではありません。特殊なネットワーク構成では、各ソフトの設定も別途確認してください。
ネットワークリセット前に試したい安全な確認
ネットワークのリセットは影響が大きいため、次の簡単な対処を先に試します。
1. Windowsを再起動する
ネットワークサービスやアダプターの一時的な不具合なら、再起動だけで改善することがあります。
2. Wi-Fiを一度切断して再接続する
Wi-Fiの場合は、Wi-Fiをオフ→オンにする、または現在のSSIDへ再接続します。
3. 同じネットワークを別の端末で確認する
スマートフォンや別のパソコンでも通信できない場合は、Windowsよりルーターや回線側を先に確認します。
4. ルーターを再起動する
自宅のルーターで、ほかの端末にも症状がある場合は再起動を試します。
注意:会社・学校・集合住宅などの共用ネットワーク機器は自己判断で再起動しないでください。
5. Windows 11なら「ネットワークとインターネット」のトラブルシューティングを試す
MicrosoftはWindows 11で、Get Helpアプリを使った自動ネットワーク診断を最初の対処の1つとして案内しています。
ネットワークのリセット前に、Windowsが自動修復できる問題か確認しておくと安全です。
Windows 11でネットワーク設定をリセットする手順
- 「スタート」を開きます。
- 「設定」を開きます。
- 「ネットワークとインターネット」を開きます。
- 「ネットワークの詳細設定」を開きます。
- 「ネットワークのリセット」を選びます。
- 「今すぐリセット」を選びます。
- 確認画面で「はい」を選びます。
- 作業中のファイルを保存し、Windowsが再起動するのを待ちます。
再起動後、ネットワークアダプターが再インストールされ、設定が既定値へ戻ります。
Windows 10でネットワーク設定をリセットする手順
- 「スタート」を開きます。
- 「設定」を開きます。
- 「ネットワークとインターネット」を開きます。
- 「状態」を開きます。
- 画面下部の「ネットワークのリセット」を選びます。
- 「今すぐリセット」を選びます。
- 確認画面で「はい」を選びます。
- Windowsが再起動するのを待ちます。
MicrosoftによるWindows 10の通常サポートは2025年10月14日に終了しています。現在もWindows 10を使用している場合は、ネットワークトラブルへの対処とあわせてWindows 11への移行可否も確認してください。
ネットワークのリセットで何が変わる?
Microsoft公式の説明では、ネットワークリセットによってインストール済みのネットワークアダプターとその設定が削除され、再起動後にアダプターが再インストールされ、設定が既定値へ戻ります。
そのため、次のような影響が出る可能性があります。
- 手動で設定していたIPアドレスやDNSの再設定が必要になる
- VPNクライアントの再インストール・再設定が必要になる
- Hyper-Vなどの仮想スイッチを作り直す必要がある
- ネットワークプロファイルが「パブリック」に変わる
- ファイル共有やプリンター共有が見えなくなることがある
- 特殊なネットワークアダプター設定が既定値へ戻る
元記事では「プロキシ設定もすべて初期化される」としていましたが、ネットワークリセットの主な対象はネットワークアダプターとその設定です。プロキシ設定まで必ず初期化されると考えず、プロキシは別項目として確認してください。
ネットワークのリセットではルーターは初期化されない
Windowsの「ネットワークのリセット」は、パソコン側のネットワーク構成をリセットする機能です。
次のものは、Windowsのネットワークリセットだけでは初期化されません。
- 家庭用Wi-Fiルーターの設定
- プロバイダー契約
- ONU/モデムの設定
- Wi-Fiルーター側のSSID・暗号化キー
- NAS本体のネットワーク設定
- プリンター本体のIP設定
Windowsをリセットしても同じネットワークの全端末で通信できない場合は、ルーターや回線側を確認してください。
リセット後に最初に確認すること
Windowsが再起動したら、次の順番で確認します。
- Wi-Fiまたは有線LANが認識されているか
- インターネットへ接続できるか
- Windows Updateやブラウザーが通信できるか
- 固定IP・手動DNSが必要な環境なら再設定する
- ネットワークプロファイルが適切か確認する
- NAS・共有フォルダー・プリンター共有を確認する
- VPNや仮想ネットワークを確認する
リセット後にWi-Fiへつながらない場合
まず、タスクバーのネットワークアイコンから使用中のSSIDが表示されるか確認します。
再接続を求められた場合は、正しいWi-Fiパスワードを入力します。
Wi-Fiそのものが一覧に出ない場合は、次を確認してください。
- 機内モードがオフか
- Wi-Fiがオンか
- デバイスマネージャーに無線LANアダプターがあるか
- 無線LANアダプターに警告マークが出ていないか
- パソコンメーカーの無線LANドライバーが必要ではないか
ネットワークのリセット後にWindowsがドライバーを自動導入できない場合に備え、作業前にメーカー公式のLAN/Wi-FiドライバーをUSBメモリへ保存しておくと安心です。
リセット後に「インターネットは使えるが共有フォルダーへつながらない」場合
Microsoftは、ネットワークリセット後に既知のネットワーク接続が「パブリック」プロファイルへ変更される場合があると案内しています。
パブリックネットワークでは、他のパソコンからこのPCを検出しにくい安全側の設定になります。
自宅や信頼できる社内LANでファイル共有を利用する場合は、接続中のネットワークが意図したプロファイルになっているか確認してください。
ただし、ホテル・空港・カフェなど公共のネットワークでは「パブリック」のまま使用するほうが安全です。
リセット後に固定IPが必要な場合
会社、店舗、NAS、監視カメラ、業務端末などでは、パソコンへ固定IPを設定していることがあります。
ネットワークリセット後にDHCP(自動取得)へ戻った場合は、事前に控えた設定を再入力します。
WindowsのIP設定では、主に次を設定します。
- IPアドレス
- サブネットプレフィックス長
- ゲートウェイ
- 優先DNS
- 代替DNS
注意:固定IPが分からない場合に推測で値を入力しないでください。IPアドレスの重複や業務システムへの接続不能につながることがあります。
VPNや仮想ネットワークを使用している場合
Microsoftは、ネットワークのリセット後にVPNクライアントやHyper-Vの仮想スイッチなどを再インストール・再設定する必要がある場合があると案内しています。
対象になりやすいものには次があります。
- 会社のVPNクライアント
- OpenVPNなどの仮想アダプター
- Hyper-V仮想スイッチ
- VMware・VirtualBoxなどの仮想ネットワーク
- 一部のセキュリティソフトが作成するネットワークフィルター
これらを利用しているパソコンでは、ネットワークのリセットを実行する前に、設定内容と再インストール方法を確認してください。
リモート操作中のパソコンでは実行しない
リモートデスクトップ、リモートサポート、VPN経由などで操作しているパソコンに対してネットワークのリセットを実行すると、通信が切断される可能性があります。
再起動後にネットワーク設定が戻らず、遠隔から再接続できなくなる場合もあります。
ネットワークリセットは、原則として対象パソコンを直接操作できる状態で実行してください。
コマンドでネットワークを修復する方法
元記事では、設定アプリからのネットワークリセットとは別に、コマンドプロンプトからTCP/IPやWinsock、IPアドレス、DNSキャッシュを修復する方法も紹介していました。
Microsoftの現在のWi-Fiトラブルシューティングでも、管理者権限のコマンドプロンプトで次の順に実行する方法が案内されています。
netsh winsock reset
netsh int ip reset
ipconfig /release
ipconfig /renew
ipconfig /flushdns
netsh winsock reset
Winsockカタログをリセットします。ネットワークアプリの通信処理に関係する構成が破損している場合に使用します。
netsh int ip reset
TCP/IP構成をリセットします。Microsoft LearnでもTCP/IPをリセットする公式コマンドとして案内されています。
Microsoft Learn:Reset TCP/IP by Using the NetShell Utility
ipconfig /release と ipconfig /renew
DHCPから取得しているIPアドレスを解放し、再取得します。
固定IPを設定している業務用パソコンでは、この操作を必要もなく実行しないでください。
ipconfig /flushdns
Windowsに保存されたDNS名前解決キャッシュをクリアします。
「コマンド実行」と「ネットワークのリセット」は同じではない
元記事ではコマンドを「同様の初期化」と説明していましたが、厳密には目的が異なります。
| 操作 | 主な対象 | 影響 |
|---|---|---|
ipconfig /flushdns |
DNSキャッシュ | 小さい |
ipconfig /release /renew |
DHCPのIPアドレス | 比較的小さい |
netsh winsock reset |
Winsock | 中程度 |
netsh int ip reset |
TCP/IP構成 | 中程度 |
| 設定アプリの「ネットワークのリセット」 | ネットワークアダプターとその設定 | 大きい |
症状に応じて、影響の小さい操作から試すほうが安全です。
プロキシが原因の場合は別に確認する
ブラウザーや一部アプリだけ通信できない場合は、プロキシ設定が関係することがあります。
Windows 11では一般に、次の場所で確認します。
- 「設定」を開きます。
- 「ネットワークとインターネット」を開きます。
- 「プロキシ」を開きます。
自分で設定した覚えのない手動プロキシが有効になっていないか確認します。
ただし、会社・学校では業務上必要なプロキシが設定されていることがあります。自己判断で削除しないでください。
ネットワークのリセットでも改善しない場合
ネットワークリセット後も改善しない場合は、「Windowsの設定」以外に原因がある可能性が高くなります。
同じネットワークの他端末でもつながらない
ルーター、ONU/モデム、回線障害、プロバイダー側を確認します。
Wi-Fiアダプターがデバイスマネージャーにない
ドライバー、BIOS/UEFI設定、無線LANカードの故障などを確認します。
有線LANだけつながらない
LANケーブル、ルーターのLANポート、パソコン側LANポートを確認します。
一部サイト・アプリだけ通信できない
DNS、プロキシ、VPN、ファイアウォール、セキュリティソフト、サービス側障害を確認します。
ネットワークが頻繁に切れる
Wi-Fi電波、ルーター、ドライバー、省電力設定、ハードウェア故障などを確認します。
やってはいけない対処
設定を控えずにネットワークをリセットする
固定IPや手動DNS、VPN、仮想ネットワークがある環境では、元に戻せなくなる可能性があります。
会社・学校PCで自己判断で実行する
管理者が配布したVPN、固定IP、認証設定、セキュリティ設定に影響する場合があります。
リモート接続中に実行する
通信が切断され、その後再接続できなくなる可能性があります。
ネットワークがつながらないたびに毎回リセットする
繰り返し必要になる場合は、ドライバー、ルーター、アダプター、VPN、セキュリティソフトなど根本原因を確認してください。
固定IPやDNSを推測で再設定する
IP重複や名前解決不良の原因になります。必ず事前の設定または管理者指定値を使用してください。
ドライバーを準備せずにネットワークアダプターを削除する
Windowsが自動的にドライバーを戻せない場合、ネットへ接続できなくなります。メーカー製PCでは事前に公式ドライバーを用意しておくと安全です。
ネットワークリセットを使うか判断する早見表
| 症状 | ネットワークリセット | 先に行うこと |
|---|---|---|
| Wi-Fiが一時的につながらない | まだ不要 | 再起動・Wi-Fi再接続 |
| 全端末でインターネット不可 | PCではなく回線側を確認 | ルーター・ONU・障害情報 |
| PCだけ接続異常が続く | 候補 | トラブルシューティング・コマンド |
| Windows Update後から異常 | 候補 | 再起動・ドライバー確認 |
| 共有フォルダーだけ使えない | 最後の候補 | ネットワークプロファイル・共有設定 |
| VPN導入後から異常 | 慎重に | VPN設定・アンインストール手順を確認 |
| 固定IPの業務PC | 慎重に | 設定値を記録し管理者確認 |
| 通常の対処をしてもPCだけ改善しない | 実行を検討 | 設定バックアップ後に実行 |
よくある質問
ネットワークのリセットをするとデータは消えますか?
写真や文書などの個人ファイルを削除する操作ではありません。ただし、ネットワークアダプターの設定が既定値へ戻るため、固定IP、DNS、VPN、仮想ネットワークなどの再設定が必要になる場合があります。
Wi-Fiのパスワードは必要ですか?
再接続が必要になる場合に備えて、実行前に確認しておくことをおすすめします。ネットワーク構成やWindowsの状態によって再入力が必要になる場合があります。
ネットワークのリセットでルーターも初期化されますか?
されません。Windowsパソコン側のネットワーク構成をリセットする機能です。
ネットワークのリセットとipconfig /flushdnsは同じですか?
違います。ipconfig /flushdns はDNSキャッシュだけをクリアします。ネットワークのリセットはネットワークアダプターと設定を再構成する、より影響の大きい操作です。
リセット後にNASや共有フォルダーが見えなくなりました
ネットワークプロファイルが「パブリック」へ変わっていないか確認してください。Microsoftも、ネットワークリセット後に既知の接続がパブリックへ変更される場合があると案内しています。
リセット後にVPNが使えません
VPNクライアントや仮想ネットワークアダプターの再インストール・再設定が必要になる場合があります。使用しているVPNの公式手順を確認してください。
ネットワークのリセットを何度実行しても直りません
ルーター、回線、ネットワークドライバー、Wi-Fi/LANアダプター、セキュリティソフト、VPNなど別の原因を確認してください。リセットを繰り返しても根本原因は解決しません。
まとめ
Windows 10/11の「ネットワークのリセット」は、ネットワークアダプターとその設定をいったん削除し、再起動後に再インストールして既定状態へ戻す機能です。
ネットワーク構成の不整合が原因なら改善することがありますが、Microsoftも通常のトラブルシューティングで改善しない場合に最後のほうで試す方法として案内しています。
安全な流れは次のとおりです。
- Windows・Wi-Fi・ルーターなど簡単な確認を先に行う
- 同じネットワークの他端末も確認する
- 必要に応じてDNSキャッシュ、Winsock、TCP/IPなどを段階的に確認する
- 固定IP・DNS・VPN・仮想ネットワークなど現在の設定を記録する
- Windows 11は「ネットワークの詳細設定」、Windows 10は「状態」からネットワークのリセットを実行する
- 再起動後にネットワークアダプター、IP設定、ネットワークプロファイルを確認する
- VPN・Hyper-V・共有設定など必要な構成を再設定する
特に業務用PC、固定IP環境、VPN利用PC、Hyper-Vなどの仮想ネットワークを使っているパソコンでは、設定を控えずにリセットしないことが重要です。
