[記事公開日]2025/06/05
外付けHDDを暗号化して大切なデータを保護する方法
もくじ
はじめに
外付けHDDには個人の写真、業務上の書類、顧客データなど重要なファイルが保存されていることが多く、紛失や盗難による情報漏洩のリスクを抱えています。物理的にHDDを守ることはもちろん大切ですが、セキュリティを強化するためにはデータの暗号化が非常に有効です。
本記事では、WindowsやMacの標準機能を使った暗号化方法、フリーソフトを用いた代替手段、暗号化時の注意点などを丁寧に解説します。情報漏洩リスクを低減し、安全にデータを持ち運ぶための基礎知識として、ぜひご活用ください。
🔐 外付けHDDの暗号化とは?
暗号化とは、データに鍵をかけて第三者が読めないようにする技術です。暗号化されたHDDは、パスワードや証明書なしでは内容を閲覧できません。
主なメリット:
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紛失・盗難時でも情報が保護される
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不正アクセスを未然に防止
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プライバシーとコンプライアンスの向上
💻 Windowsでの暗号化方法
✅ BitLockerを使用する(Windows 10 Pro / Enterprise / Education)
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外付けHDDを接続
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「エクスプローラー」で対象ドライブを右クリック → 「BitLockerを有効にする」
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パスワードまたはスマートカードでの保護を選択
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回復キーの保存(印刷/ファイル保存など)
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暗号化範囲(使用済み領域のみ or 全体)を選択
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「暗号化を開始」をクリック
※BitLockerはWindows Homeエディションでは使用できません。
✅ Windows Homeの場合:代替ソフトを利用
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VeraCrypt(無料)
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DiskCryptor(軽量)
VeraCryptの基本手順:
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VeraCryptをインストール
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「ボリュームの作成」→「外部ドライブを選択」
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パスワード・暗号化方式を選定
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暗号化実行
🍏 Macでの暗号化方法
✅ FileVaultではなく、外付けHDDはディスクユーティリティを使用
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外付けHDDを接続
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「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」
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対象の外付けHDDを選択 → 「消去」
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フォーマット:「Mac OS拡張(ジャーナリング)」または「APFS」
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「セキュリティオプション」で「暗号化」形式を選択
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パスワード入力 → 暗号化を実行
※初期化が必要になるため、事前にデータバックアップを必ず行いましょう。
📦 暗号化時の注意点
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暗号化されたHDDは他のPCで使用時にもパスワードが必要
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パスワードを忘れると復号不可(回復キーの保管が必須)
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古いOSや非対応機器では読み込めないことがある
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暗号化の実行には時間がかかる場合がある(データ量に依存)
🔄 暗号化済みHDDを安全に使うための運用ポイント
| ポイント | 解説 |
|---|---|
| 強固なパスワードを設定 | 英数字・記号を含めた10文字以上のランダムな文字列が望ましい |
| 回復キーを2重で保管 | 紙とクラウドの両方で安全に保管 |
| 公共Wi-Fiでは接続しない | ネットワーク経由での攻撃を防止 |
| 使用後は安全な取り外しを徹底 | ファイル破損や不正操作を防止 |
| 共有PCでは使用しない | 信頼できない環境での使用は控える |
✅ 手順まとめ
| ステップ | Windows | Mac |
|---|---|---|
| 暗号化機能 | BitLockerまたはVeraCrypt | ディスクユーティリティ(暗号化オプション) |
| パスワード設定 | あり | あり |
| 回復キーの作成 | 必須 | 必須 |
| 共有利用 | 制限あり(パスワード入力が必要) | 制限あり |
📜 最後に
個人情報保護や企業機密の漏洩を防ぐためには、外付けHDDの暗号化は必須とも言える対策です。BitLockerやFileVaultをはじめとする暗号化機能を活用すれば、物理的な管理だけでは防げないリスクにも対応できます。
万が一に備えて、大切なデータは定期的にバックアップし、セキュリティの意識を高めた運用を心がけましょう。
➡️ 関連リンク
- [VeraCryptの使い方と暗号化の基本](セキュリティソフト紹介)
- [WindowsでBitLockerを設定する方法](公式ガイド)
- [Macの外部ディスクを暗号化する手順](Appleサポート)
