[記事公開日]2025/06/05
外付けHDDを正しくフォーマットする手順と注意点
もくじ
はじめに
外付けHDDを使い始める前、あるいは使用中にトラブルが起きた際、HDDを「フォーマット」することで再利用可能な状態に整えることができます。フォーマットはHDD内のすべてのデータを削除し、新たにファイルシステムを構築する操作であり、適切に行うことで安定した動作やパフォーマンスの向上も期待できます。
しかし、フォーマットには注意点も多く、誤って実行すれば重要なデータが失われる危険性もあります。本記事では、Windows・Mac両環境での正しいフォーマット手順と、ファイルシステムの違い、事前に知っておきたい注意点を限界まで詳しく解説します。
📁 フォーマットとは何か?
フォーマットとは、記憶媒体(HDD、USBメモリ、SSDなど)にファイルシステムを設定し、データを保存できる状態に初期化する作業です。
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クイックフォーマット:ファイルシステムだけを初期化。データは上書きされないため、復元可能なこともある。
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フルフォーマット:セクタチェックやゼロ書き込みを行い、ディスクのエラーチェックも兼ねる。
✅ フォーマット前に確認しておくこと
| チェック項目 | 解説 |
|---|---|
| バックアップは完了しているか? | 一度フォーマットを実行すると基本的にすべてのデータは消える |
| 使用予定のOSは何か? | Windows用・Mac用・両方で使う場合でファイルシステムの選択が変わる |
| 容量や用途に合ったフォーマット形式か? | FAT32では4GB以上のファイルが扱えないなど制限あり |
🖥 Windowsでのフォーマット手順
1. エクスプローラーから行う場合
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外付けHDDを接続
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「エクスプローラー」→ 対象ドライブを右クリック
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「フォーマット」を選択
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ファイルシステム(NTFS / exFAT / FAT32)を選択
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「クイックフォーマット」のチェックを必要に応じてON/OFF
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「開始」でフォーマット実行
2. ディスクの管理から行う場合
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「Windowsキー + X」→「ディスクの管理」を選択
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対象の外付けHDDを右クリック →「ボリュームの削除」
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未割り当て領域を右クリック →「新しいシンプルボリューム」
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ファイルシステムとドライブ文字を指定して完了
🍏 Macでのフォーマット手順
1. ディスクユーティリティを使う
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「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」を開く
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左のリストから対象HDDを選択
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「消去」をクリック
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名前、フォーマット(APFS / Mac OS拡張 / exFAT など)を指定
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「消去」を実行
※ exFAT形式を選ぶとMacとWindowsの両方で読み書き可能になります
📂 ファイルシステム形式の違いと用途
| ファイルシステム | 説明 | 利用用途 |
|---|---|---|
| NTFS | Windows標準、4GB以上OK、権限管理可 | Windows専用の外付けHDDに最適 |
| exFAT | Windows / Mac 両対応、4GB以上OK | 両方で使うならコレ |
| FAT32 | 古い形式、4GB制限あり | 古い機器やゲーム機など互換重視向け |
| APFS / Mac OS拡張 | Mac専用、Time Machine対応 | Macユーザーにおすすめ |
⚠️ フォーマット時の注意点
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フォーマット中にUSBケーブルを抜かない:中断するとHDDが壊れる可能性あり
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セキュリティ面での完全削除ではない:通常のフォーマットでは復元ソフトでデータが復活可能
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WindowsではFAT32のフォーマットが制限されている:32GB以上だと標準ツールでは非対応(別ツール使用)
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外付けHDDにリカバリ領域がある場合は誤って消さない
❗フォーマット中にエラーが発生した場合の原因と対処方法
フォーマット中に「Windowsはフォーマットを完了できませんでした」や「I/Oデバイスエラー」などが表示される場合は、以下のような原因と対処方法が考えられます。
原因と対策一覧
| 原因 | 解説 | 対処方法 |
|---|---|---|
| ディスクが物理的に損傷している | 落下・劣化・製造不良などで読み書き不可に | CrystalDiskInfoなどで健康状態を確認し、損傷があれば交換 |
| ファイルシステムが破損している | 過去の不正終了や中断で管理情報に不整合 | chkdsk /f コマンドでエラー修復、またはディスクの初期化 |
| OSやフォーマットツール側のバグ | 古いOSや互換性のないソフトウェアが原因 | 最新のWindowsアップデートを適用、別ツール(DiskPartやサードパーティ製)を使用 |
| 書き込み保護がかかっている | ディスクのプロパティやレジストリ設定が保護状態 | 書き込み保護解除の設定を確認、diskpartで「attributes disk clear readonly」 |
推奨ツール
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DiskPart(コマンドライン):高度なフォーマット操作が可能
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MiniTool Partition Wizard / EaseUS Partition Master:UIで簡単にエラー修復&フォーマット可能
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chkdsk /f /r:セクタ不良のチェックと回復を自動実行
🛠 完全削除したい場合の対処法
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Windows:「cipher /w:C:\」(空き領域上書きコマンド)
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サードパーティツール:EaseUS、MiniTool Partition Wizardなどで安全な削除・ゼロ書き込みが可能
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Mac:「ディスクユーティリティ」でセキュリティオプションを選択し、ゼロ書き込み回数を指定
📌 まとめ
外付けHDDのフォーマットは、使い始めやトラブル解消の手段として有効ですが、方法を誤ると大切なデータを失ってしまうリスクもあります。ファイルシステムの特性や自分の使用環境に合った選択を心がけ、安全に作業を進めましょう。
万が一、フォーマット中にエラーが発生した場合は焦らず、ディスクの状態確認と正しいツールの使用で、原因を特定し対処していくことが重要です。
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