[記事公開日]2025/06/16
[最終更新日]2026/08/14
Windowsメモリ診断ツールの使い方とエラー発見の手順
パソコンでブルースクリーン、突然の再起動、フリーズ、アプリの異常終了などが繰り返される場合、原因の一つとしてメモリ(RAM)の異常が考えられます。
Windowsには標準で「Windows メモリ診断」ツールが搭載されており、再起動後にWindowsを起動していない状態でメモリを検査できます。
元記事では、Windows メモリ診断の起動方法、F1キーからの拡張テスト、イベントビューアでの結果確認、エラー発見後にメモリを1枚ずつ切り分ける方法を紹介していました。
この記事ではその内容を残しつつ、診断でエラーが出たときに「RAM本体の故障」と即断しないこと、エラーが出なくても断続的なメモリ異常を完全には否定できないこと、XMP/EXPOやスロット、CPU内蔵メモリコントローラーまで含めて切り分ける方法を追加します。
Windows メモリ診断で確認できること
Windows メモリ診断は、搭載されているRAMへデータを書き込み・読み出しし、期待した値と一致するかなどを検査するWindows標準の診断機能です。
次のような症状があるときの一次診断として利用できます。
- ブルースクリーンが不定期に発生する
- 突然再起動する
- アプリが頻繁に落ちる
- 圧縮ファイルの展開や大容量処理でエラーになる
- メモリ増設・交換後から不安定になった
- 原因不明のフリーズが発生する
- 複数種類のSTOPエラーがランダムに発生する
ただし、これらの症状はGPU、SSD/HDD、電源、ドライバー、Windows本体などでも発生します。Windows メモリ診断は「RAM周辺を切り分けるための一つの検査」と考えてください。
診断前に必ず作業中のデータを保存する
Windows メモリ診断はPCを再起動して実行します。
実行前に次を行ってください。
- 編集中のファイルを保存する
- 開いているアプリを終了する
- 外付けストレージへのコピーなど長時間処理を停止する
- ノートPCではACアダプターを接続する
診断中は通常のWindows操作ができません。
Windows メモリ診断を起動する方法
方法1:スタートメニューから起動する
- スタートメニューを開く
- 「Windows メモリ診断」と入力する
- 検索結果の「Windows メモリ診断」を開く
方法2:mdschedコマンドで起動する
Windowsキー+Rキーを押し、次を入力してEnterキーを押します。
mdsched
MicrosoftのWindowsサポートでも、Windows メモリ診断の起動方法としてmdschedを実行する手順が案内されています。
Microsoft:Windows メモリ診断を使ったメモリ確認手順
コマンドからの起動を詳しく確認したい場合は、💡 mdschedコマンドの使い方|Windowsメモリ診断ツールでメモリエラーを検出する方法も参考になります。
「今すぐ再起動」と「次回起動時」の違い
Windows メモリ診断を起動すると、通常は次の2つが表示されます。
- 今すぐ再起動して問題の有無を確認する
- 次回のコンピューター起動時に問題の有無を確認する
すぐ検査できる状態なら「今すぐ再起動」を選びます。
作業中のアプリがある場合は保存・終了してから実行してください。
再起動後にメモリ診断が始まる
PCが再起動するとWindows メモリ診断の画面が表示され、自動的にテストが開始されます。
検査時間は搭載メモリ容量、PC性能、選んだテスト内容によって大きく変わります。
標準テストなら比較的短時間で終わることがありますが、拡張テストは大容量メモリ環境では長時間かかる場合があります。
進捗が遅く見えても、診断中に強制電源断しないでください。
F1キーでテスト内容を変更する
元記事でも紹介していたとおり、Windows メモリ診断中にF1キーを押すと、テスト設定を変更できます。
環境によって次のようなテストミックスを選べます。
- 基本(Basic)
- 標準(Standard)
- 拡張(Extended)
通常は標準テストから開始し、不安定な症状が続く場合や標準では異常が出ないのにメモリが強く疑われる場合に拡張テストを検討します。
Microsoftの案内でも、Windows メモリ診断画面でF1キーを押し、StandardからExtendedへ切り替え、F10キーで設定を適用する方法が紹介されています。
拡張テストの注意:標準より大幅に時間がかかる場合があります。時間に余裕があり、AC電源を確保できる状態で実行してください。
診断終了後はWindowsが自動的に起動する
診断が終わると、通常はPCが再起動してWindowsへ戻ります。
ログイン後に診断結果の通知が表示される場合がありますが、通知を見逃した場合や表示されない場合はイベントビューアで確認します。
イベントビューアで結果を確認する
- スタートボタンを右クリックする
- 「イベント ビューアー」を開く
- 「Windows ログ」を展開する
- 「システム」を開く
- 「現在のログをフィルター」または検索を使う
- ソース「MemoryDiagnostics-Results」を確認する
診断実行時刻に近いイベントを開き、検査結果を確認してください。
イベントIDはWindowsのバージョンや診断結果によって異なる場合があるため、番号だけで探すよりソース名「MemoryDiagnostics-Results」で確認する方法が分かりやすいです。
「メモリエラーは検出されませんでした」と表示された場合
その診断条件では明確なメモリエラーを検出しなかったという意味です。
ただし、RAMが完全に正常だと保証する結果ではありません。
断続的なエラーは、次の条件でのみ発生することがあります。
- 高温時
- XMP/EXPO有効時
- 特定のメモリ容量を使用したとき
- 特定スロット・特定モジュールの組み合わせ
- CPUやメモリコントローラーへ高負荷がかかったとき
ブルースクリーンや再起動が続き、他の原因を除外してもメモリが疑わしい場合は、拡張テストやPCメーカーのハードウェア診断も併用してください。
「ハードウェアの問題が検出されました」と表示された場合
Windows メモリ診断でハードウェアエラーが検出された場合は、RAM周辺に異常がある可能性が高くなります。
ただし、エラー原因はRAMモジュール本体だけとは限りません。
- RAMモジュールの故障
- メモリスロットの接触不良・故障
- XMP/EXPOなどメモリ設定の不安定さ
- CPU内蔵メモリコントローラー
- マザーボード
- 異なる仕様のメモリ混在
- 対応範囲を超えるメモリ構成
そのため、エラーを見ただけで新しいメモリを購入するのではなく、次の順序で切り分けます。
エラーが出た場合の安全な切り分け順序
- 最近メモリを増設・交換したか確認する
- メモリの仕様・対応容量をPC/マザーボード仕様と照合する
- XMP/EXPO・手動OCを使用している場合は標準設定で比較する
- デスクトップPCや交換可能な機種ではメモリの装着状態を確認する
- 複数枚なら1枚ずつテストする
- スロットを変えて再テストする
- 結果からモジュール・スロット・マザーボード側を絞る
最近メモリを増設した場合は互換性を最初に確認する
メモリ増設直後からブルースクリーンや診断エラーが始まった場合は、故障だけでなく互換性を確認してください。
確認する項目:
- DDR4/DDR5などメモリ世代
- SO-DIMM/DIMM
- 対応容量
- 最大メモリ容量
- 1スロットあたりの対応容量
- 対応速度
- ECC/Non-ECC
- Registered/Unbuffered
- PC/マザーボードメーカーの対応情報
物理的に挿さるメモリでも、PC側が対応していないことがあります。
メモリ交換後から起動しない場合は、Q: メモリを交換したら、パソコンが起動しなくなってしまいました。原因は何ですか?も参考になります。
XMP/EXPOを使用している場合
XMP/EXPOはメモリを定格JEDEC設定より高いクロックや特定タイミングで動作させるためのプロファイルです。
長期間正常だったPCでも、BIOS更新、CPU・メモリ変更、温度、経年変化などによって安定性が変わる場合があります。
メモリ診断でエラーが出ておりXMP/EXPOを有効にしている場合は、現在の設定を記録したうえで、マザーボードの説明書に従い標準設定で再テストすると切り分けに役立ちます。
BIOS/UEFI設定の注意:設定変更前に現在値を記録してください。ストレージモード、Secure Boot、起動順序など無関係な項目は変更しないでください。会社PCやメーカー保証中のPCでは、メーカーへ相談するほうが安全です。
メモリを抜き差しする前の注意
デスクトップPCやメモリ交換可能なノートPCでは、装着状態の確認が有効です。
ただし、通電したままメモリを抜き差ししてはいけません。
- Windowsをシャットダウンする
- ACアダプター・電源ケーブルを外す
- デスクトップPCは電源ユニット背面スイッチがあればOFFにする
- 取り外せるバッテリーはメーカー手順に従って外す
- 数秒間電源ボタンを押して残留電力を減らす
- 静電気に注意して作業する
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メモリを抜き差しする場合の静電気対策:
-
PC作業用 静電気防止リストストラップ:
Amazonで検索 /
Yahoo!ショッピングで検索
リストストラップは正しく接地して使用してください。静電気対策用品を使っていても、基板の金属接点やチップへ不用意に触れないようにします。
メモリ端子を強くこすらない
元記事ではRAM端子を柔らかい布で清掃する方法を紹介していましたが、通常の確認では端子をこする必要はありません。
金属接点を指で触ったり、研磨剤・消しゴム・薬品でこすったりすると、表面を傷めたり異物を残したりする可能性があります。
まずはメモリを正しく挿し直し、ラッチが確実に固定されるか確認してください。明らかな汚れ・腐食がある場合は、メーカーや修理業者へ相談するほうが安全です。
複数枚のメモリを1枚ずつテストする
2枚以上のメモリが搭載されている場合、1枚ずつテストすると不良モジュールを絞り込めます。
ただし、使用するスロットはマザーボードやPCのマニュアルに従ってください。
たとえば2枚挿しではA2・B2を推奨していても、1枚だけで起動する場合はA2を指定するマザーボードがあります。
基本的な考え方:
- メモリAだけを推奨スロットへ装着して診断
- メモリBだけを同じスロットへ装着して診断
- 結果を比較する
メモリAだけエラー、Bは正常
メモリA本体の故障可能性が高くなります。
AもBも同じスロットではエラー
RAM本体以外に、そのスロット、マザーボード、CPU内蔵メモリコントローラー、BIOS設定なども候補です。
スロットを変えて切り分ける
同じメモリを別スロットへ移すことで、メモリモジュール側とマザーボード側を比較できます。
| 結果 | 疑う場所 |
|---|---|
| 特定メモリだけ、どのスロットでもエラー | そのメモリモジュール |
| 正常と思われるメモリでも特定スロットだけエラー | メモリスロット、マザーボード、CPU側 |
| 1枚ずつは正常、2枚組み合わせるとエラー | 互換性、メモリ設定、CPUメモリコントローラー、BIOS |
| XMP/EXPO無効では正常 | OC設定・メモリ安定性 |
この方法だけで完全に故障部品を確定できるわけではありませんが、交換候補をかなり絞れます。
メモリエラーが出たからといって、すぐ交換品を買わない
RAMは互換性が重要な部品です。
交換する場合は、購入前に必ず次を確認してください。
- PCの正確な型番
- マザーボード型番
- 現在のメモリ型番
- DDR世代
- DIMM/SO-DIMM
- 最大容量
- 対応速度
- ECC対応
- メーカーの動作保証条件
特にメーカー製ノートPCや小型PCでは、メモリが基板へはんだ付けされ交換できない機種もあります。
Windows メモリ診断でエラーが出なくても症状が続く場合
標準診断でエラーが出なくても、ブルースクリーンや再起動が続く場合は次を確認します。
- 拡張テストを実行する
- PCメーカーのUEFI/ハードウェア診断を使う
- XMP/EXPOを標準設定で比較する
- メモリを1枚ずつ比較する
- イベントログ・ブルースクリーンの停止コードを確認する
- SSD/HDD、GPU、電源、CPU温度など別原因も確認する
Windows メモリ診断は便利ですが、あらゆるメモリエラーを100%検出できる検査ではありません。
メーカー診断があるPCは併用する
Dell、HP、Lenovoなど一部メーカー製PCには、Windowsを起動しなくてもハードウェアを検査できるUEFI/プリブート診断が搭載されています。
Windows メモリ診断でエラーが出た場合は、メーカー診断でも同じ結果が出るか確認すると、修理依頼時の情報として役立ちます。
メーカー診断でエラーコードが表示された場合は、そのコードを記録してください。
ブルースクリーンが出る場合は停止コードも確認する
メモリ不良では、特定の1種類だけでなく複数のSTOPエラーが不規則に発生する場合があります。
ただし、ブルースクリーン=RAM故障ではありません。
GPU・ドライバー・ストレージ・電源などでもブルースクリーンは発生するため、停止コードと発生条件を合わせて確認してください。
メモリ故障の典型症状を整理した記事は、💡このような症状が出たらメモリ故障のサイン!原因と確認方法を詳しく解説も参考になります。
起動前からメモリエラーが出る場合
Windows起動前のPOST段階でメモリ診断LED、ビープ音、メーカー診断コードなどが出ている場合は、Windows メモリ診断より前にハードウェア側の問題が起きている可能性があります。
電源は入るのに画面が出ない、起動を繰り返す、DRAMランプが点灯するといった場合は、メモリの装着、1枚構成、対応仕様、マザーボード側を確認してください。
「メモリ不足」と「メモリエラー」は別物
Windowsの「メモリが不足しています」という表示は、搭載RAMの容量不足やアプリの大量使用を示す場合があり、必ずしもRAMの物理故障ではありません。
一方、Windows メモリ診断の「ハードウェアの問題が検出されました」は、メモリ系統でデータの読み書きが正常に行われなかった可能性を示します。
言葉が似ていますが、対処方法は異なります。
Windows メモリ診断が起動しない場合
mdschedを実行しても診断画面へ入らない、再起動して通常のWindowsへ戻ってしまう場合は、次を確認します。
- Windows Updateが正常に完了しているか
- システムファイル破損がないか
- メーカー独自の起動・暗号化機能の影響がないか
- Windows回復環境やブート構成に異常がないか
この状態でBIOS設定やブート構成をむやみに変更せず、まずWindows Update、DISM、SFCなど通常のWindows修復を確認してください。
診断結果を修理業者へ伝えるときの情報
修理依頼をするときは、次を伝えると切り分けが早くなります。
- PCのメーカー・型番
- 搭載メモリ容量
- メモリ枚数
- 増設・交換歴
- Windows メモリ診断の結果
- 標準/拡張のどちらでエラーが出たか
- 1枚ずつテストした結果
- スロットを変えた結果
- XMP/EXPOの有無
- ブルースクリーンの停止コード
やってはいけない対処
エラーが出た瞬間に適合不明のメモリを購入する
RAM本体以外にスロット、設定、CPU側が原因の可能性もあります。互換性と切り分けを先に確認してください。
通電中にメモリを抜き差しする
ショートや部品故障の原因になります。必ず電源を切り、AC電源を外してください。
メモリ端子を消しゴムや研磨剤で強くこする
接点を傷めたり異物を残したりする可能性があります。通常は正しく挿し直すだけで十分です。
エラーを消す目的でBIOS電圧をむやみに上げる
メモリやCPUへ負荷をかけ、別の故障につながる可能性があります。標準設定での安定性確認を優先してください。
診断でエラーが出なかっただけでRAMを完全に除外する
断続的なエラーは検出されない場合があります。症状が続くなら別テスト・1枚ずつの比較・他部品の診断を行います。
症状別の判断早見表
| 診断・症状 | 次に確認すること |
|---|---|
| 標準テストでエラー | メモリ設定、1枚ずつ、スロット比較 |
| 標準では正常、症状は続く | 拡張テスト、メーカー診断、別原因 |
| 特定メモリだけエラー | そのモジュールの故障を強く疑う |
| 特定スロットだけエラー | スロット・マザーボード・CPU側 |
| 2枚時だけエラー | 互換性、XMP/EXPO、メモリコントローラー |
| XMP/EXPO無効で正常 | OC設定・安定性 |
| POST前からDRAMエラー | 装着・対応仕様・マザーボード側を優先 |
| メモリ診断は正常だがBSOD継続 | GPU、電源、ストレージ、ドライバー等も確認 |
よくある質問
Windows メモリ診断はどうやって起動しますか?
スタートメニューで「Windows メモリ診断」と検索するか、Windowsキー+Rキーを押してmdschedを実行します。
診断中にF1キーを押すと何ができますか?
テストミックスなどのオプションを変更できます。より詳しく確認したい場合はExtended(拡張)を選び、F10キーで適用します。
診断結果の通知を見逃しました
イベントビューアの「Windows ログ」→「システム」で、ソース「MemoryDiagnostics-Results」を確認してください。
「ハードウェアの問題が検出されました」と出たらRAM故障確定ですか?
RAM周辺の異常が強く疑われますが、モジュール本体だけでなく、スロット、XMP/EXPO設定、マザーボード、CPU内蔵メモリコントローラーなども原因になり得ます。
エラーが出なければメモリは正常ですか?
そのテストでは明確なエラーを検出しなかったという意味です。断続的な不具合を完全には否定できません。症状が続く場合は拡張テストやメーカー診断、1枚ずつの比較を行ってください。
メモリを1枚ずつ試すとき、どのスロットを使えばよいですか?
PCまたはマザーボードのマニュアルで、1枚構成時の推奨スロットを確認してください。自己判断で適当なスロットを選ぶより確実です。
メモリエラーが出たらXMP/EXPOを切ったほうがよいですか?
XMP/EXPOを使用している場合、標準設定へ戻してエラーが再現するか比較すると切り分けに役立ちます。ただしBIOS/UEFIの他の設定を不用意に変更しないでください。
Windows メモリ診断を定期的に実行したほうがよいですか?
症状のないPCで頻繁に実行する必要は通常ありません。ブルースクリーン、再起動、メモリ交換後の不安定など、疑わしい症状があるときに診断する方法が効率的です。
まとめ
Windows メモリ診断は、Windows標準機能だけでRAM周辺のエラーを確認できる便利な一次診断ツールです。
基本手順は、作業を保存 → Windows メモリ診断またはmdschedを起動 → 再起動して標準テスト → 必要ならF1から拡張テスト → Windows起動後にMemoryDiagnostics-Resultsを確認です。
診断でハードウェアエラーが出た場合でも、RAMモジュールだけを即断せず、互換性 → XMP/EXPO → 1枚ずつ → スロット変更の順で切り分けてください。
また、エラーが出なかった場合も、断続的なメモリ不良を完全には否定できません。ブルースクリーンや再起動が続く場合は、拡張テスト、メーカー診断、他のハードウェアの確認へ進みます。
