[記事公開日]2025/07/23
[最終更新日]2025/10/13
⚠️ BIOS設定変更で起動しなくなった場合の対処法
もくじ
はじめに
BIOS(Basic Input/Output System)は、パソコンの起動に必要な根幹部分を制御する重要なソフトウェアです。その設定を誤って変更したことで、パソコンが正常に起動しなくなるケースは意外と多く発生しています。
たとえば「起動デバイスの順番を変更した」「セキュアブートやUEFIの設定を変えた」「オーバークロック設定を有効にした」など、わずかな変更が大きなトラブルにつながることがあります。
本記事では、BIOSの設定変更後にパソコンが起動しなくなった場合に取るべき対処法を、段階的に丁寧に解説します。機種を問わず幅広く対応できる汎用的な知識として、しっかり把握しておきましょう。
🛠 よくある症状
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電源は入るが画面が真っ暗なまま(POST画面が表示されない)
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メーカーのロゴまでは出るが、その後ブラックアウト
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「Operating System Not Found」「No Boot Device」などのエラーが表示される
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再起動を繰り返す/ビープ音が鳴る
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BIOS画面にすら入れない
🔍 起動不能の原因と考えられる設定変更項目
1️⃣ 起動モード(UEFI/Legacy)の変更
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概要:OSをインストールしたモードと異なる設定に変更すると、OSが起動しなくなる
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例:UEFIでWindowsをインストールしたのに、Legacyに変更してしまった
✅ 対策:
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BIOSに入り、元の起動モード(UEFIまたはLegacy)に戻す
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必要に応じて”Secure Boot”も確認
2️⃣ ブートデバイスの順序変更
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概要:正しいドライブが最優先になっていないと、OSが読み込まれない
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例:USBメモリやDVDが1位になっていてOS起動を妨げている
✅ 対策:
3️⃣ オーバークロックやパフォーマンス設定の変更
✅ 対策:
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BIOS設定を”Default(初期化)”に戻す
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CMOSクリアを実行して、完全初期化
4️⃣ セキュリティ設定(TPM/Secure Boot)
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概要:セキュリティ機能を無効にしたことで、Windowsが起動拒否する場合がある
✅ 対策:
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BIOS内のTPM/Secure Boot設定を元に戻す
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Windows 11ではTPM 2.0の有効化が必須
5️⃣ SATAモード(AHCI/RAID)切り替え
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概要:OSがインストールされたときのSATAモードと違うと、ブルースクリーンや起動エラーの原因になる
✅ 対策:
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元のSATAモードに戻す(変更は慎重に)
✅ 起動できないときの対処ステップ
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電源を落とし、放電処理を行う
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電源コードを抜き、電源ボタンを20秒ほど長押し
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BIOS画面に入れるか確認
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起動直後に”F2″、”DEL”、”ESC”、”F10″などを押す
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BIOS設定の”Load Defaults”または”Optimized Defaults”を実行
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保存(F10)して再起動
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改善しなければCMOSクリアを実施
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マザーボードのボタン電池を抜いて放置(5~10分)
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ジャンパピンでのクリアも可
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セーフモードや修復ディスクで起動確認
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起動可能なUSBメモリやDVDでWindows修復を試す
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🧭 起動設定のチェックポイント表
| 設定項目 | 正常な起動に必要な推奨値 |
|---|---|
| Boot Mode | インストール時と同じ(UEFI/Legacy) |
| Boot Priority | SSD/HDDを最上位に |
| Secure Boot | Windows 11は有効推奨 |
| TPM | Windows 11では有効(TPM 2.0) |
| SATA Mode | AHCIまたは元の設定に戻す |
⚠ 注意点と補足
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設定を変更する前には、必ず元の値を控えておくことが重要
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BIOS更新後にも設定変更が自動的に行われていることがある
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“No Boot Device”が出た場合は、物理的な接続不良も疑う(ケーブルの確認)
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メーカーによって項目名が微妙に異なるため、BIOSマニュアルの確認も大切
🔹 関連リンク
🔹 BIOS設定が初期化されたときに起動しない原因と対応
🔹 BIOS初期化(CMOSクリア)の具体的な手順と注意点
🔹 BIOS画面に入れないときに試すことまとめ
🔹 bootrecコマンドで起動トラブルを解決する手順
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✨ まとめ
BIOSの設定変更は慎重に行わなければ、システムの起動トラブルを招く危険性があります。しかしながら、正しい知識と手順を踏めば、多くのケースで復旧は可能です。
特にUEFI/Legacyの切り替えや起動順序の設定ミス、オーバークロックなどは見落としがちな原因です。焦らず、順を追って設定を見直し、必要に応じてCMOSクリアや修復メディアの活用も視野に入れましょう。
何を変更したかを思い出せない場合は、まずはすべての設定を初期状態に戻すところから始めるのが最も確実です。
