[記事公開日]2025/08/21
[最終更新日]2025/10/13
💼Outlook2021で「要求された操作は、このオブジェクトでサポートされていないので完了できません」と表示されるときの対処法
もくじ
はじめに
Outlook 2021で新規メールを作成し、「宛先」ボタンをクリックした際に、以下のようなエラーメッセージが表示されることがあります:
要求された操作は、このオブジェクトでサポートされていないので完了できません。
このメッセージは、操作が意図通りに進まないストレスだけでなく、メール業務に支障をきたす大きなトラブルの一つです。この記事では、このエラーの原因、具体的な解決手順、再発防止策を限界まで丁寧に、かつ実践的に解説します。
🧩 このエラーが発生する典型的なタイミング
-
新しいメールの作成時に「宛先」ボタンをクリックした瞬間
-
連絡先を選ぼうとしたときにクラッシュやフリーズを伴う
-
共有アドレス帳または旧式のPSTファイルが使われている環境
-
プロファイル移行やOfficeアップグレード直後
🚨 主な原因と技術的背景
| 原因 | 解説 |
|---|---|
| Outlookプロファイルの破損 | 長年使用したプロファイルでは設定ファイルが破損していることがある |
| アドレス帳設定の不整合 | 特定の連絡先フォルダ(旧形式など)にアクセスしようとして失敗する |
| 古いPSTファイル | 非互換な形式のPSTファイルを使い続けているケース |
| アドインの干渉 | COMアドインがOutlookの操作を妨げていることがある |
| Outlook設定情報の不整合 | レジストリやアドレス帳設定が想定と異なる状態になっている |
✅ 解決策ステップバイステップ(再現性のある対処法)
1. Outlookをセーフモードで起動して確認
-
Windowsキー + R →
outlook /safe -
問題が発生しない場合、アドインが原因の可能性大
-
「ファイル」→「オプション」→「アドイン」→「管理:COMアドイン」→ 無効化して再起動
2. アドレス帳の確認・修正
-
Outlookを開き、「ファイル」→「アカウント設定」→「アカウント設定」→「アドレス帳」タブ
-
「Outlook アドレス帳」が存在しない/複数ある場合は設定を修正
-
「連絡先」フォルダがOutlook アドレス帳としてマークされているか確認
-
連絡先を右クリック →「プロパティ」→「Outlookアドレス帳」タブ → チェックを入れる
-
3. 新しいプロファイルを作成
-
コントロールパネル → 「メール(Microsoft Outlook)」→「プロファイルの表示」
-
「追加」をクリックし新しいプロファイルを作成
-
アカウント設定後、「常に使用するプロファイル」として新プロファイルを選択
4. scanpst.exeによるPST修復
-
Outlookを閉じる
-
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16\scanpst.exe(Officeバージョンにより異なる)を実行 -
対象のPSTファイルを選択し修復を開始
5. Officeのオンライン修復
-
コントロールパネル →「プログラムのアンインストール」→「Microsoft Office」→「変更」
-
「オンライン修復」を選択
6. Officeの更新確認
-
Outlookを開き、「ファイル」→「アカウント」→「更新オプション」→「今すぐ更新」
💡 補足:レジストリ編集による上級者向け対処
場合によってはレジストリキーの破損や設定不整合がエラーを引き起こしていることもあります。以下の手順は上級者向けです:
-
Windowsキー + R →
regedit→ 以下のキーをバックアップ
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook
-
問題のあるキーを削除(または名前変更)し、再起動後Outlookを起動
※レジストリ操作は十分な知識がある場合のみ行ってください。
🧭 実際に効果があった対処例(事例紹介)
| ケース | 対処内容 | 結果 |
|---|---|---|
| プロファイル移行後に発生 | 新プロファイル作成 | 改善 |
| 複数アドレス帳エラー | 重複アドレス帳を削除 | 改善 |
| 古いPSTが原因 | scanpstで修復 | 一部復旧 |
| アドイン干渉 | Adobe PDFアドインを無効化 | 完全復旧 |
🧩 関連記事
🔹 Outlookの送受信ができないときの対処法まとめ
🔹 PSTファイルが壊れたときの修復方法完全ガイド
🔹 Windows 11でOutlookを安定動作させる設定集
🔹 Officeトラブル共通のオンライン修復手順解説
✅ まとめ
Outlook 2021で「要求された操作は、このオブジェクトでサポートされていないので完了できません」というエラーが発生した場合、多くはプロファイルやアドレス帳設定に起因しています。原因を一つひとつ丁寧に潰していけば、ほとんどのケースで復旧が可能です。
また、再発を防ぐためには、Outlookの定期的な更新、PSTファイルのバックアップ、アドインの見直し、古い設定の整理が重要です。
この記事を参考に、スムーズなOutlook運用に役立てていただければ幸いです。
