[記事公開日]2025/08/21
[最終更新日]2025/10/13
⚠Officeで「オブジェクトがサポートされていない」エラーが出る原因と対処法
もくじ
はじめに
Microsoft Officeを使用していると、OutlookやExcel、Wordなどで次のようなエラーメッセージが表示されることがあります:
要求された操作は、このオブジェクトでサポートされていないので完了できません。
このエラーは、特定の操作に対してOfficeが対応できない場合に発生し、メールの送信やファイルの操作ができなくなるなど、実用上の大きな問題となります。
この記事では、この「オブジェクトがサポートされていない」エラーの技術的背景や、アプリごとの具体的な対処方法を限界まで詳しく解説します。
💡 このエラーが発生する主なシチュエーション
| 発生タイミング | アプリ | 説明 |
|---|---|---|
| Outlookで新規メール作成 → 宛先クリック時 | Outlook | 連絡先情報の読み込みエラー |
| ExcelでVBAマクロ実行時 | Excel | オブジェクト参照ミス、または非対応関数 |
| Wordで外部テンプレートを開いたとき | Word | 非互換なファイル形式またはアドインの干渉 |
| Accessでフォーム/レポートを開くとき | Access | フィールド指定ミスや壊れたコントロール |
🔍 原因と技術的背景
| 原因 | 詳細 |
|---|---|
| プロファイル設定の破損 | OutlookやOfficeのプロファイルが壊れていると、正常に情報を取得できない |
| 旧バージョンとの互換性問題 | 古いPSTファイルやマクロコードが最新バージョンと合わないことがある |
| COMアドインの干渉 | 外部開発者によるアドインやAdobe PDFなどがOutlookなどと競合することがある |
| オブジェクトモデルの誤使用 | VBAやマクロ内で、適切でないプロパティ・メソッドを使用している |
| Officeアプリの内部破損 | インストールファイルの破損や、アップデート中断などが影響 |
🛠 Office別の対処法
【Outlook編】宛先クリックで発生する場合
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Outlookをセーフモードで起動
-
Win + R→outlook /safe -
エラーが出なければアドインが原因の可能性
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「ファイル」→「オプション」→「アドイン」→「COMアドインの管理」で無効化
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連絡先フォルダの再設定
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「連絡先」フォルダを右クリック→「プロパティ」→「Outlookアドレス帳」タブで「このフォルダーをアドレス帳に表示」にチェック
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新しいプロファイルの作成
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コントロールパネル →「メール」→「プロファイルの表示」→「追加」で作成
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scanpst.exeによるPSTファイル修復
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C:\Program Files\Microsoft Office\root\OfficeXX\scanpst.exeを実行
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【Excel編】VBA使用時のエラー
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マクロコードの確認
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使っているオブジェクトのプロパティやメソッドが正しいか確認
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特に
.Value,.Text,.Activateの誤用が多い
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参照設定の見直し
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VBAエディター →「ツール」→「参照設定」で不要なライブラリがチェックされていないか確認
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新規ブックで再構築
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マクロを1つずつ新しいブックに移し、エラーが再現するか確認
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【Word編】テンプレート読み込み時のエラー
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アドインやテンプレートの破損が原因の場合が多いため、以下を確認:
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「ファイル」→「オプション」→「アドイン」→COMアドインを無効化
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通常テンプレート(Normal.dotm)のリセット
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%appdata%\Microsoft\Templatesフォルダ内のNormal.dotmをリネーム
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【Access編】フォームやクエリで発生する場合
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コントロールが壊れている/存在しないオブジェクトを参照していることが原因
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VBAで「Nothing」チェックを徹底する
-
一度フォームやレポートを作り直すと改善することも多い
🔄 汎用的な対処法
Officeのオンライン修復を行う
-
コントロールパネル →「プログラムのアンインストール」→「Microsoft Office」→「変更」→「オンライン修復」
Windowsを最新の状態に更新
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「設定」→「Windows Update」→「更新プログラムの確認」
Officeの更新プログラムを適用
-
「ファイル」→「アカウント」→「更新オプション」→「今すぐ更新」
🧭 事例:実際の対応例
| ケース | 対応内容 | 結果 |
|---|---|---|
| Outlookの宛先エラー | アドレス帳設定とプロファイル再作成 | 改善 |
| Excelマクロの実行時にエラー | オブジェクト構文修正+参照設定整理 | 完全解消 |
| Wordのエラー頻発 | Normal.dotmの削除とアドイン無効化 | 改善 |
✅ まとめ
「オブジェクトがサポートされていない」というエラーは、Office内部の構造や設定のズレ、外部アドインの干渉などが原因で発生する複雑な問題です。
とはいえ、発生する状況やエラーメッセージの内容を丁寧に読み解き、Officeごとに適切な対処を講じれば、ほとんどのケースで正常動作に戻すことが可能です。
エラーに遭遇した際は、あわてずこの記事を読みながら、ステップバイステップで解決を目指してください。
🔗 関連リンク
🔹 Outlookの送受信ができないときの対処法まとめ
🔹 PSTファイルが壊れたときの修復方法
🔹 Windows 11でOutlookを安定動作させる設定集
🔹 Officeトラブル共通のオンライン修復手順解説
