[記事公開日]2025/08/31
[最終更新日]2025/10/13
💻 BIOS/Legacy と UEFI/GPT の違いを徹底解説まとめ
もくじ
はじめに
パソコンの起動方式やストレージの管理方式には、長年使われてきた BIOS/Legacy(レガシーBIOS) と、比較的新しい規格である UEFI/GPT があります。普段は意識することが少ないですが、OSのインストール方法や大容量ディスクの利用、セキュリティ機能などに直結する重要な仕組みです。本記事では、BIOSとUEFIの違い、MBRとGPTの関係、メリット・デメリット、実際の選び方までを詳しく解説します。
📝 概要
パソコンの電源を入れると、まず最初に起動するのは ファームウェア と呼ばれる制御プログラムです。これが従来の BIOS(Basic Input/Output System) または UEFI(Unified Extensible Firmware Interface) です。さらに、ストレージの管理方式として、BIOSと組み合わされることが多い MBR(Master Boot Record)、UEFIと組み合わされることが多い GPT(GUID Partition Table) が存在します。
BIOSとUEFIは 起動方法、MBRとGPTは ディスクの構造 を意味し、それぞれ密接に関連しています。
📖 BIOS/Legacy とは?
特徴
-
1980年代から使われてきた古い規格
-
起動ディスクは MBR方式 に限定される
-
起動可能ディスクサイズは最大2TBまで
-
パーティション数は最大4つまで
-
キーボード操作中心のシンプルな画面
メリット
-
古いOSや古いハードウェアとの互換性が高い
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シンプルで設定項目が少なく、構造が理解しやすい
デメリット
📖 UEFI とは?
特徴
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2000年代以降に登場した新しい規格
-
GUIベースの設定画面(マウス操作が可能)
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起動ディスクは GPT方式 が推奨
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9.4ZB(ゼタバイト)までの大容量ディスクに対応
-
数十個以上のパーティション作成が可能
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Secure Boot 機能によるセキュリティ強化
メリット
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大容量ストレージのフル活用が可能
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高速な起動が実現できる(Fast Boot対応)
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ウイルスなどの不正なブートローダーを防ぐ Secure Boot 機能
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柔軟な拡張性(モジュール追加やドライバ拡張が可能)
デメリット
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古いOSではUEFIブートに対応していない場合がある
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設定項目が多く複雑に感じることがある
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BIOS専用の古い周辺機器との互換性が低い
🌟 MBR と GPT の違い
MBR(Master Boot Record)
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BIOSと組み合わせて利用されることが多い
-
2TBまでのディスクしか利用できない
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最大4つのプライマリパーティションまでしか作成できない
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ブートローダーが先頭セクタに集中しており、破損すると起動不能になりやすい
GPT(GUID Partition Table)
-
UEFIと組み合わせて利用されることが多い
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9.4ZBという理論上ほぼ無限に近い容量に対応
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128以上のパーティション作成が可能(Windowsでは128が上限)
-
ブート情報が複数の場所に分散保存されるため、破損に強い
⚖️ BIOS/Legacy と UEFI/GPT の比較表
| 項目 | BIOS/Legacy + MBR | UEFI + GPT |
|---|---|---|
| 対応時期 | 1980年代~現在 | 2000年代以降~現在 |
| 最大ディスク容量 | 2TBまで | 9.4ZBまで |
| 最大パーティション数 | 4つ | 128以上 |
| 起動速度 | 遅め | 高速(Fast Boot対応) |
| セキュリティ | 弱い | Secure Boot対応 |
| 互換性 | 古いOS・機器に強い | 新しいOS・機器に最適 |
🛠 切り替えや確認方法
✅ 起動モードの確認
-
Windowsキー + R →
msinfo32と入力 → 「BIOSモード」で確認
✅ ディスク構造の確認
-
Windowsキー + X → 「ディスクの管理」
-
対象ディスクを右クリック → プロパティ → 「ボリューム」タブ → パーティションスタイル(MBR/GPT)を確認
✅ 切り替え方法
-
MBR → GPT 変換:
mbr2gpt.exeツールを利用(Windows10以降対応) -
BIOS → UEFI 変更:BIOS設定画面から起動モードをUEFIに変更(OS再インストールが必要な場合あり)
📊 まとめ
| 項目 | BIOS/Legacy | UEFI/GPT |
|---|---|---|
| 歴史 | 旧来の規格 | 新しい規格 |
| ディスク方式 | MBR | GPT |
| 容量制限 | 2TBまで | 9.4ZBまで |
| パーティション数 | 最大4 | 最大128 |
| セキュリティ | なし | Secure Boot対応 |
| 起動速度 | 遅い | 高速 |
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さいごに
BIOS/LegacyとUEFI/GPTは単なる呼び方の違いではなく、パソコンの性能・互換性・セキュリティに大きな影響を与える重要な仕組みです。最新のWindowsや大容量ディスクを活用するならUEFI/GPTが推奨されますが、古い環境との互換性を重視するならBIOS/Legacyが選ばれる場面もあります。自分の用途や環境に合わせて正しく理解し、適切に選択することが大切です。
