[記事公開日]2025/10/02
[最終更新日]2025/10/13
💻 BitLocker(ビットロッカー)に関する主要コマンド解説まとめ
もくじ
🔰 はじめに
Windowsに標準搭載されているドライブ暗号化機能「BitLocker(ビットロッカー)」は、通常はコントロールパネルや設定画面から操作できます。しかし、より詳細な管理や自動化、トラブルシューティングには コマンド操作 が役立ちます。
特に管理者やIT担当者にとって、コマンドを理解しておくことは重要です。GUIで設定できない細かい制御が可能になり、複数台のPCをまとめて管理する際にも有効です。
この記事では、BitLockerの管理に使えるコマンドを詳しく解説し、実際の使用例や注意点を紹介します。
🧭 概要(この記事でわかること)
-
BitLockerの主要コマンド「manage-bde」の基本。
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暗号化状態の確認や有効化・無効化の手順。
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回復キー管理やパスワード設定の変更方法。
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スクリプトや管理用途での活用方法。
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トラブル時のコマンド活用法。
🔎 BitLocker管理コマンドの基本
BitLockerの管理には manage-bde というコマンドラインツールを利用します。
基本書式
manage-bde <サブコマンド> <対象ドライブ> [オプション]
例:Cドライブの状態を確認する
manage-bde -status C:
👉 manage-bdeは管理者権限のコマンドプロンプトまたはPowerShellから実行する必要があります。
📊 状態確認系コマンド
ドライブの暗号化状態を確認
manage-bde -status C:
-
暗号化率、暗号化方式、保護状態などが確認可能。
保護機能の有効/無効確認
manage-bde -protectors -get C:
-
回復キーやパスワード保護の状態を表示。
🔐 暗号化と解除に関するコマンド
暗号化を有効化
manage-bde -on C:
-
システムドライブを暗号化開始。
外付けドライブを暗号化
manage-bde -on E: -RecoveryPassword
-
外付けドライブを暗号化し、回復パスワードを設定。
暗号化を無効化
manage-bde -off C:
-
暗号化を解除。解除完了まで時間がかかる場合あり。
🔑 回復キー管理
回復キーの表示
manage-bde -protectors -get C:
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保存済みの回復キーを確認。
回復キーのバックアップ
manage-bde -protectors -add C: -RecoveryPassword
-
新しい回復パスワードを生成し追加。
回復キーの削除
manage-bde -protectors -delete C: -type RecoveryPassword
-
不要な回復キーを削除。
🔏 パスワードやPINの設定
パスワード設定
manage-bde -protectors -add C: -Password
-
パスワード入力後、指定ドライブにパスワード保護を追加。
PINの設定(TPM利用時)
manage-bde -protectors -add C: -TPMAndPIN
-
TPMとPINを組み合わせた高度な認証方式を有効化。
⚙️ 保護の有効化/無効化
保護を一時停止
manage-bde -protectors -disable C:
-
システム更新やハード構成変更時に一時的に無効化。
保護を再有効化
manage-bde -protectors -enable C:
-
一時停止状態から保護を再度有効化。
🧯 トラブルシューティングに役立つコマンド
ロック解除
manage-bde -unlock E: -RecoveryPassword <48桁の回復キー>
-
認識できないドライブを回復キーでロック解除。
自動ロック解除の有効化
manage-bde -autounlock -enable E:
-
外付けドライブを特定PCで自動的に解除。
暗号化進行状況の確認
manage-bde -status C:
-
暗号化率や進捗を確認可能。
📊 スクリプト活用例
-
複数台のPCでBitLockerを一括管理する場合、
manage-bdeコマンドをバッチファイルにまとめて実行。 -
例:起動時にCドライブの状態をログに出力。
manage-bde -status C: > C:\bitlocker_status.log
⚠ 注意点
-
管理者権限が必要。
-
コマンド誤入力で意図しない暗号化/解除が発生する可能性。
-
回復キーの管理は必須。削除や再生成時は特に注意。
📌 まとめ
-
BitLockerのコマンド操作は「manage-bde」が中心。
-
状態確認・暗号化・解除・回復キー管理など幅広く操作可能。
-
GUIではできない詳細設定や自動化が可能だが、慎重な運用が必要。
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🏁 さいごに
BitLockerはセキュリティを強化する強力な仕組みですが、運用に慣れていないとトラブルの原因にもなります。コマンドを理解しておくことで、トラブル時の迅速な対応や複数台管理が容易になります。特にIT担当者や管理者はmanage-bdeを習得し、BitLockerを安全かつ効率的に運用することが大切です。
