[記事公開日]2025/10/05
[最終更新日]2025/10/06
🌐 netstatコマンドの使い方|通信状態を確認して不審な接続やネットワークトラブルを調べる方法
もくじ
はじめに
パソコンが遅い、インターネットの接続が安定しない、不審な通信が行われていないか確認したい…。そんなときに役立つのが「netstat」コマンドです。
netstatは「Network Statistics(ネットワーク統計)」の略で、現在の通信状態やポートの使用状況を確認できる強力な診断コマンドです。特にセキュリティや不審なプログラムの調査にも有効で、ネットワーク管理者だけでなく一般ユーザーにとっても知っておくと安心できるコマンドのひとつです。
この記事では、netstatコマンドの基本から応用的な使い方、トラブル解決やセキュリティ調査への活用方法を詳しく解説します。
🛠 netstatコマンドとは?
netstatコマンドは、現在のTCP/IP接続、使用中のポート、ルーティング情報などを表示するためのコマンドです。
具体的には以下のような情報を得ることができます。
-
PCがどのサーバーと通信しているか
-
使用中のポート番号と状態
-
LISTEN(待ち受け)状態のサービス
-
通信の統計情報
これにより「どのアプリが通信しているのか」「不審な接続はないか」といった確認が可能になります。
📌 基本的な使い方
実行方法
-
スタートメニューで「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを開きます。
-
以下のように入力します。
netstat -
実行すると、現在の接続情報が表示されます。
出力例(基本)
Active Connections
Proto Local Address Foreign Address State
TCP 192.168.1.20:49675 142.250.196.238:443 ESTABLISHED
TCP 192.168.1.20:49680 172.217.25.46:80 TIME_WAIT
出力の見方
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Proto:通信プロトコル(TCP/UDP)
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Local Address:自分のPC側のアドレスとポート
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Foreign Address:接続先のアドレスとポート
-
State:接続状態(ESTABLISHED=通信中、LISTENING=待機中など)
🔍 よく使うオプション
1. 詳細表示 /a
-
全ての接続とLISTEN状態を表示
-
例:
netstat -a
2. 実行中のプログラムと関連付け /b
-
どのプログラムが通信しているかを表示(管理者権限が必要)
-
例:
netstat -b
3. プロセスIDを表示 /o
-
接続に関連するプロセスIDを表示
-
例:
netstat -o
4. 更新を続けて監視 /t
-
数秒ごとに通信状態を更新して表示
-
例:
netstat -t 5
5. 統計情報を表示 /e
-
送受信したパケット数などを表示
-
例:
netstat -e
6. ルーティングテーブルを表示 /r
-
現在のルーティング情報を確認
-
例:
netstat -r
📚 活用シーン
不審な通信の確認
-
確認方法:
netstat -anoを実行してプロセスID(PID)を確認 -
解釈:知らないIPアドレスやポートへの接続があれば要注意
-
対策:タスクマネージャーで該当プロセスを確認
ポート使用状況の調査
-
確認方法:
netstat -aでLISTEN状態をチェック -
利用例:サーバーを立てている場合に正しくポートが開いているか確認
ネットワーク遅延や切断の調査
-
確認方法:
netstat -eでパケットの送受信数を調査 -
利用例:エラー数が異常に多い場合はネットワーク不良の可能性
⚠️ 注意点
-
netstat -bの実行には管理者権限が必要です。 -
一部のマルウェアは正規プロセスに偽装するため、接続情報だけで安心はできません。
-
出力情報には外部接続先のIPアドレスが含まれるため、スクリーンショットを公開する際は注意しましょう。
📊 まとめ表
| コマンド | 用途 | 主な活用シーン |
|---|---|---|
| netstat | 現在の接続を表示 | 通信確認の基本 |
| netstat -a | 全接続とLISTEN表示 | ポート監視 |
| netstat -b | 実行中のプログラム表示 | 不審通信調査 |
| netstat -o | プロセスID表示 | PIDと接続の紐づけ |
| netstat -e | 統計情報表示 | パケット数確認 |
| netstat -r | ルーティングテーブル表示 | 経路確認 |
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さいごに
「netstat」コマンドは、通信状態を調べる上で欠かせないツールです。どのアプリがどのサーバーと通信しているのか、どのポートが開いているのかを把握することで、不審な挙動やトラブルの原因を素早く特定できます。
特にセキュリティ面では、未知の接続を確認するための強力な手段となります。ぜひ普段から使い慣れておき、トラブル時に即活用できるようにしておきましょう。
