[記事公開日]2025/10/05
[最終更新日]2025/10/06
📂 tftpコマンドの使い方|シンプルなファイル転送を行う方法と注意点
もくじ
はじめに
「TFTP(Trivial File Transfer Protocol)」は、FTPよりもシンプルな仕組みでファイルを転送できるプロトコルです。主にルーターやネットワーク機器のファームウェア更新、組み込み機器とのやり取りなど、限定的な用途で利用されます。
Windowsのコマンドプロンプトには「tftp」コマンドが用意されており、簡易的なファイル転送を行うことが可能です。現在はセキュリティの観点から利用が制限されることも多いですが、特定の環境ではまだ必要とされるケースがあります。
この記事では、tftpコマンドの基本的な使い方から実践例、利用時の注意点まで詳しく解説します。
🛠 tftpコマンドとは?
TFTPは「Trivial File Transfer Protocol」の略で、非常にシンプルな仕組みでファイル転送を行うプロトコルです。
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特徴:ユーザー認証なし、暗号化なし、シンプルなコマンド体系
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用途:ファームウェア更新、システム起動用ファイルの転送、制御機器との通信
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制限:セキュリティ機能がほとんどないため、インターネット越しでは推奨されない
Windowsのtftpコマンドを使うことで、TFTPサーバーとの間でファイルをやり取りできます。
📌 Windowsでtftpを有効化する方法
Windows 10以降では標準で無効化されているため、利用前に機能を有効化する必要があります。
GUIで有効化
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コントロールパネルを開く
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「プログラムと機能」→「Windowsの機能の有効化または無効化」
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「TFTPクライアント」 にチェックを入れて有効化
コマンドラインで有効化
dism /online /Enable-Feature /FeatureName:TFTP
📌 基本的な使い方
ファイルをダウンロード(取得)する
tftp -i 192.168.1.10 GET test.bin
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意味:TFTPサーバー(192.168.1.10)から test.bin を取得
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-i:バイナリ転送モード指定(推奨)
ファイルをアップロード(送信)する
tftp -i 192.168.1.10 PUT config.cfg
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意味:ローカルの config.cfg をサーバーへ送信
書式
tftp -i サーバーIP GET ファイル名
tftp -i サーバーIP PUT ファイル名
📂 実用例
1. ルーターのファームウェア更新
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ネットワーク機器の多くはTFTP経由でファームウェア更新が可能
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PUTコマンドで新しいファームウェアを転送
2. 起動用イメージの転送
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PXEブート環境で、OS起動に必要なイメージファイルをTFTPで配布
3. 組み込み機器の設定ファイル受け渡し
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制御装置や産業機器の設定ファイルをTFTPで取得・更新
📚 活用シーン
ネットワーク機器のメンテナンス
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利用例:Ciscoルーターやスイッチに設定ファイルを転送
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コマンド例:
tftp -i 192.168.1.1 PUT config.txt
トラブルシューティング
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利用例:障害発生時にログや設定を取得
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コマンド例:
tftp -i 192.168.1.1 GET error.log
教育・学習用途
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利用例:ネットワーク技術の学習時に簡易的なファイル転送を体験
⚠️ 注意点
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認証がないため、誰でもアクセス可能 → セキュリティリスク大
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転送は暗号化されず、データが平文で流れる
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インターネット環境では利用しないことが推奨
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信頼できる閉じたネットワーク環境でのみ使用するのが基本
📊 まとめ表
| コマンド | 用途 | 主な活用シーン |
|---|---|---|
| tftp -i サーバーIP GET ファイル名 | サーバーから取得 | 設定ファイルダウンロード |
| tftp -i サーバーIP PUT ファイル名 | サーバーへ送信 | ファーム更新 |
| dism /online /Enable-Feature /FeatureName:TFTP | 機能有効化 | 初回利用時 |
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netshコマンドでネットワーク設定を変更する方法
さいごに
「tftp」コマンドは、シンプルかつ高速にファイル転送ができる便利なツールです。ただし認証や暗号化がないため、利用できるのは閉じたネットワーク環境に限られる点に注意が必要です。
現在の主流ではありませんが、ルーター設定や組み込み機器のメンテナンスなど、特定の現場では今でも活用されるケースがあります。用途を正しく理解し、安全な環境で利用しましょう。
