[記事公開日]2025/10/06
👤 runasコマンドの使い方|別ユーザーとしてプログラムを実行する方法
もくじ
はじめに
Windowsを利用していると、「管理者権限でプログラムを実行したい」「別のユーザーアカウントでソフトを動かしたい」という場面が少なくありません。そんなときに便利なのが runasコマンド です。GUI操作でも右クリックから「管理者として実行」が可能ですが、コマンドラインから柔軟に制御できるrunasを使えば、スクリプトやバッチ処理に組み込むことも可能になります。
この記事では、runasコマンドの基本構文から応用的な利用方法、セキュリティ上の注意点まで詳しく解説します。
🛠 runasコマンドとは?
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役割:指定したユーザーの資格情報でプログラムを実行する
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用途:管理者権限が必要なプログラムの実行、別ユーザーによる環境テスト、権限分離の運用
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特徴:GUIに頼らずコマンドラインで権限を切り替え可能
📌 基本的な使い方
管理者としてメモ帳を実行
runas /user:Administrator notepad.exe
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実行するとパスワード入力が求められ、入力後に指定ユーザー権限で起動
ドメインユーザーで実行
runas /user:DOMAIN\UserName cmd.exe
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ドメイン環境では「ドメイン名\ユーザー名」の形式で指定
プログラムへのフルパス指定
runas /user:Administrator "C:\Program Files\App\app.exe"
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スペースを含むパスは引用符で囲む必要がある
🔍 主なオプション一覧
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/user:<ユーザー名>: 実行するユーザーを指定 -
/savecred: 一度入力した資格情報を保存(セキュリティリスクあり) -
/netonly: ネットワーク接続にのみ指定ユーザーを利用(ローカルは現在のユーザー) -
/profile: ユーザーのプロファイルを読み込んで実行
例:資格情報を保存して実行
runas /user:Administrator /savecred cmd.exe
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初回のみパスワード入力が必要、それ以降は省略可能(利用には注意が必要)
例:ネットワーク資格情報を指定
runas /user:DOMAIN\NetworkUser /netonly explorer.exe
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ローカルは現在のユーザー、ネットワークアクセス時のみ指定ユーザーの資格情報を利用
📚 応用的な使い方
バッチファイルでの利用
@echo off
runas /user:Administrator "cmd /c dir C:\Windows"
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管理者権限で特定のコマンドを実行
管理者権限が必要なインストーラーの起動
runas /user:Administrator setup.exe
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インストール作業を権限分離したユーザーで実行可能
ネットワークアクセス用の資格情報指定
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ファイルサーバー上の共有フォルダにアクセスする際に、別アカウントの権限を一時的に利用
📚 活用シーン
セキュリティ分離
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利用例:普段は標準ユーザーで作業し、必要なときだけ管理者権限を使用
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効果:不必要な権限利用を防ぎ、セキュリティを向上
テスト環境の確認
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利用例:異なるユーザー権限でアプリケーション動作を検証
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効果:不具合や権限不足の事前検出
ネットワーク認証
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利用例:異なる資格情報でリモートサーバーや共有フォルダにアクセス
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効果:柔軟なリソース利用が可能
⚠️ 注意点
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/savecredは便利だが、他者に悪用される可能性があるため安易に利用しない -
管理者権限のアカウント情報は慎重に取り扱う必要がある
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Windows 10以降の環境ではUAC(ユーザーアカウント制御)の影響を受けることがある
📊 まとめ表
| コマンド | 用途 | 主な活用シーン |
|---|---|---|
| runas /user:Administrator プログラム | 管理者権限でプログラム実行 | 管理タスク |
| runas /user:DOMAIN\UserName cmd.exe | ドメインユーザーで実行 | AD環境管理 |
| runas /user:Administrator /savecred | 資格情報保存付きで実行 | 繰り返し利用 |
| runas /user:DOMAIN\User /netonly | ネットワーク認証のみ指定 | サーバーアクセス |
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さいごに
「runas」コマンドは、Windowsにおける権限管理とセキュリティ運用に欠かせないツールです。標準ユーザーで普段作業しながら、必要なときだけ管理者権限で実行できるため、利便性と安全性の両立が可能です。
ただし資格情報の取り扱いには十分注意し、適切な運用ルールのもとで活用することが推奨されます。
