[記事公開日]2025/10/06
⚙️ fsutilコマンドの使い方|ファイルシステムを詳細管理する方法
もくじ
はじめに
Windowsの標準コマンドの中でも、システム管理者向けに非常に強力な機能を持つのが fsutilコマンド です。一般ユーザーが使う機会はほとんどありませんが、ファイルシステムの詳細情報確認、ディスク管理、シンボリックリンク操作、ハードリンク作成、ジャンクションポイント管理 など、高度な管理を可能にします。
この記事では、fsutilコマンドの基本操作から応用例、注意点までを詳しく解説します。
🛠 fsutilコマンドとは?
-
役割:NTFSを中心としたファイルシステムの詳細操作を行うツール
-
用途:ボリューム情報取得、リンク作成、ディスククォータやトランザクション管理など
-
特徴:管理者権限が必要で、誤用するとシステムに影響を及ぼす可能性がある
📌 基本的な使い方
ファイルシステム情報の確認
fsutil fsinfo drives
-
システムに存在するドライブ一覧を表示
fsutil fsinfo volumeinfo C:
-
Cドライブの詳細情報(ファイルシステム種類、シリアル番号、クラスタサイズなど)を表示
ハードリンクを作成
fsutil hardlink create C:\link.txt C:\data\file.txt
-
file.txtへのハードリンクをlink.txtとして作成
ジャンクションポイントを作成
fsutil reparsepoint query C:\junction
-
指定フォルダがジャンクションとして設定されているかを確認
シンボリックリンクの確認(補助)
fsutil reparsepoint query D:\symlink
-
シンボリックリンクの詳細情報を表示
🔍 主なサブコマンド
-
fsinfo: ファイルシステムやドライブに関する情報表示 -
hardlink: ハードリンクの作成 -
reparsepoint: ジャンクションやシンボリックリンクの管理 -
behavior: NTFSの動作設定(8.3形式ファイル名の生成有効/無効など) -
quota: ディスククォータの管理 -
usn: NTFS変更ジャーナルの管理
例:NTFSの8.3形式を無効化
fsutil behavior set disable8dot3 1
-
古いMS-DOS互換の短いファイル名生成を無効にする
例:クォータ管理を有効化
fsutil quota enforce C:
-
Cドライブでディスク使用量の制限を有効化
📚 応用的な使い方
開発環境での利用
-
シンボリックリンクやジャンクションを作成し、テスト環境を効率的に構築
大容量ファイルサーバー管理
-
クォータを設定し、ユーザーごとのディスク使用量を制限
-
USNジャーナルを利用して、ファイル変更履歴を追跡
システムチューニング
-
NTFS動作設定を最適化してパフォーマンス向上
📚 活用シーン
システム管理者
-
利用例:クォータ設定でユーザーの容量を制御
-
効果:ディスク枯渇を防ぎ、安定運用を実現
開発者
-
利用例:シンボリックリンクでテスト用フォルダを柔軟に構築
-
効果:効率的な開発環境を実現
セキュリティ担当者
-
利用例:USNジャーナルを用いたファイル追跡
-
効果:不正アクセスや改ざんを早期発見
⚠️ 注意点
-
管理者権限が必須
-
誤操作によりシステムに重大な影響を与える可能性がある
-
/hardlinkや/reparsepointの誤用はファイルアクセスに不具合を引き起こす可能性あり -
クォータや動作設定変更は運用設計を考慮した上で実施すること
📊 まとめ表
| コマンド | 用途 | 主な活用シーン |
|---|---|---|
| fsutil fsinfo drives | ドライブ一覧表示 | 環境確認 |
| fsutil fsinfo volumeinfo C: | ボリューム情報表示 | トラブルシューティング |
| fsutil hardlink create | ハードリンク作成 | 開発環境 |
| fsutil reparsepoint query | リンク情報確認 | データ管理 |
| fsutil quota enforce | クォータ有効化 | 大規模環境 |
関連記事
-
diskpartコマンドでディスク管理を行う方法
-
mountvolコマンドでマウントポイントを操作する方法
-
attribコマンドでファイル属性を変更する方法
-
robocopyコマンドで効率的にバックアップを取る方法
さいごに
「fsutil」コマンドは、Windowsにおけるファイルシステム管理の最強ツールのひとつです。シンプルな情報表示から高度なリンク操作、ディスク使用量の制御まで幅広い操作が可能です。
その反面、誤用によるリスクも大きいため、十分な理解とテストを行った上で実運用に取り入れることが重要です。システム管理者や開発者にとって、必ず知っておきたい強力なコマンドです。
