[記事公開日]2025/10/08
🖥️ net sessionコマンドの使い方|リモート接続セッションを管理・監視する方法
もくじ
はじめに
Windowsのファイル共有やリモート接続を利用している環境では、どのユーザーが現在サーバーやPCに接続しているのかを把握したい場面があります。
そんなときに役立つのが net session コマンド です。
このコマンドは、現在アクティブなネットワークセッション(接続情報)を表示したり、特定のセッションを強制的に切断したりすることができます。
特に社内ネットワーク管理やファイルサーバー運用において、管理者が接続状況を素早く確認するための強力なツールです。
🛠 net sessionコマンドとは?
-
役割:ネットワーク経由で接続しているユーザーのセッション情報を表示・管理する。
-
用途:ファイル共有サーバーの監視、不要な接続の切断、アクセスログの確認。
-
実行権限:管理者権限が必要。
💡
net sessionはサーバー側で実行し、どのクライアントPCが接続しているか を一覧で表示できます。
📌 基本構文
net session [\コンピュータ名] [/delete]
各パラメータの意味
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
| \コンピュータ名 | 特定の接続元コンピュータを指定 |
| /delete | 指定したセッション、またはすべてのセッションを切断 |
⚙️ 主な機能と使い方
1. 現在のセッション一覧を表示
net session
-
現在サーバーやPCに接続中のクライアント情報を一覧で表示します。
-
表示される情報には以下が含まれます:
-
接続しているコンピュータ名
-
ユーザー名
-
開始時刻
-
アイドル時間(操作がない時間)
-
開いているファイル数
-
例:
コンピューター名 ユーザー名 開始時刻 アイドル時間
-----------------------------------------------------------------
\\CLIENT01 user01 2025/10/06 09:30 0:12:03
\\CLIENT02 admin 2025/10/06 09:45 0:05:10
これにより、どのユーザーが共有フォルダにアクセスしているのかを一目で確認できます。
2. 特定のセッションを削除(切断)
net session \\CLIENT01 /delete
-
クライアント
CLIENT01からの接続を強制的に切断します。
💡 誤って重要なセッションを切断しないよう注意してください。編集中のファイルが閉じられる可能性があります。
3. すべてのセッションを一括切断
net session /delete
-
現在のすべてのセッションを強制的に切断します。
-
サーバーの再起動前やメンテナンス時などに利用されます。
📊 表示情報の読み解き方
net session の出力には、管理のヒントとなる重要な情報が含まれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コンピューター名 | 接続元の端末名またはIPアドレス |
| ユーザー名 | 接続中のユーザーアカウント名 |
| 開始時刻 | 接続が確立された時刻 |
| アイドル時間 | 最後に操作してからの経過時間 |
| 開いているファイル | 現在アクセスしている共有ファイル数 |
この情報をもとに、不審なアクセスや長時間アイドル状態の接続 を見つけることができます。
🧠 実務での活用例
① ファイルサーバーの監視に活用
社内で共有フォルダを利用している場合、net session を定期的に確認することで、どのユーザーがどの時間帯にアクセスしているかを把握できます。
② 不要な接続を切断
特定ユーザーが誤って開いたままのセッションを切断し、共有フォルダのロックを解除する際に有効です。
net session \\CLIENT05 /delete
③ 定期監視スクリプトに組み込む
バッチファイルを利用すれば、自動的にセッション情報をログに記録することも可能です。
@echo off
net session > C:\logs\session_%date%.txt
echo 現在のセッション情報を保存しました。
このようにして、定期的に接続履歴を残しておくことで、トラブル発生時の追跡が容易になります。
⚠️ 注意点と制限事項
-
net sessionの実行には管理者権限が必要です。 -
クライアントPCからは利用できず、共有を提供している側(サーバー側)でのみ有効です。
-
切断操作(
/delete)を実行すると、対象ユーザーの開いているファイルが強制的に閉じられるため注意。 -
PowerShellや
Get-SmbSessionコマンドレットでも同様の情報を取得可能です。
🧩 PowerShellとの比較
| コマンド | 特徴 |
|---|---|
net session |
旧来のWindowsネットワーク管理コマンド。軽量で即時実行可能。 |
Get-SmbSession |
PowerShell専用。詳細な情報(共有名・暗号化状態など)を取得可能。 |
シンプルな確認には
net session、詳細監査にはGet-SmbSessionを使い分けるのが理想です。
📋 まとめ表
| コマンド | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| net session | 現在のセッションを一覧表示 | サーバー監視 |
| net session \CLIENT01 | 特定クライアントの情報確認 | 接続元特定 |
| net session \CLIENT01 /delete | 特定接続を切断 | 強制ログオフ |
| net session /delete | 全接続を切断 | メンテナンス前 |
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さいごに
net session コマンドは、ファイル共有環境における接続監視・制御の基本ツールです。
管理者がサーバーへのアクセス状況を確認したり、不必要な接続を切断したりする際に非常に役立ちます。
システムトラブルやセキュリティ対策の初期段階として、ぜひこのコマンドを使いこなし、安定したネットワーク管理を実現しましょう。
