[記事公開日]2025/10/09
[最終更新日]2025/10/13
⚙️ SSD換装後にWindowsが起動しないときのチェックポイント|トラブル解決の完全マニュアル
もくじ
はじめに 💡
HDDからSSDに換装すると、パソコンの起動や動作速度が劇的に速くなります。しかし、換装後に「Windowsが起動しない」「真っ黒な画面のまま止まる」「自動修復ループが始まる」といったトラブルが発生することも少なくありません。
この記事では、SSD換装後にWindowsが起動しない場合のチェックポイントを体系的に解説します。BIOS設定、クローンの状態、ブート構成、接続不良など、現場でよくある原因を順に確認できるように整理しました。
🔍 起動しないときの主な原因一覧
まずは原因を全体的に把握しておきましょう。以下の表は、トラブルの発生頻度が高い順にまとめたものです。
| 分類 | 主な原因 | 詳細説明 |
|---|---|---|
| BIOS設定 | 起動順序の誤り・UEFI/Legacyの不一致 | SSDが起動デバイスに設定されていない |
| クローン不完全 | システム領域やEFI領域がコピーされていない | クローンツールの設定漏れが原因 |
| ブート構成破損 | BCDファイル破損・ブート領域破損 | 「Operating System not found」などの表示 |
| 接続トラブル | ケーブル・ポートの接触不良 | SSDがBIOSで認識されない |
| セキュアブート制限 | Secure Bootの影響で起動拒否 | 認証されていないディスクをブロック |
| OS非対応 | MBRとGPTの不整合 | OSの起動形式に合わない設定 |
🧭 チェック①:BIOSでSSDが認識されているか確認
✅ 手順
-
電源投入直後に【F2】または【Del】キーでBIOSを起動。
-
「Boot」「Storage」「Information」などのタブを開く。
-
SSDの型番が表示されているか確認。
💡 ポイント
-
認識されていない場合は、SATAケーブル・電源ケーブルの差し込みを再確認。
-
M.2 SSDの場合、スロットの固定ネジが緩んでいないか確認。
-
USB接続のクローン作業後は、換装前のHDDを外してから起動を試す。
👉 SSDが認識されない=物理的接続トラブルの可能性が高い
⚙️ チェック②:起動順序とUEFI設定の確認
🔧 起動優先順位の確認
-
BIOS内の「Boot Priority」設定で、SSDまたは「Windows Boot Manager」が一番上になっているか確認。
⚙️ UEFI / Legacy モードの確認
-
GPT形式のSSD:UEFIモードで起動する必要あり。
-
MBR形式のSSD:Legacy BIOSモードで起動する必要あり。
⚡ Secure Boot の無効化
一部の環境では、Secure Boot機能が有効なままだとクローン後のSSDを起動できません。
-
BIOS設定 → 「Security」または「Boot」タブ → Secure Bootを「Disabled」に変更。
🧰 チェック③:クローン作業が正しく行われたか
クローンソフトの設定や方式によっては、システム領域がコピーされていないケースがあります。
🧩 主なチェック項目
| 項目 | 正常な状態 | 問題がある状態 |
|---|---|---|
| EFIパーティション | コピーされている | 欠落している(起動不可) |
| システム予約領域 | 含まれている | コピー対象外設定になっている |
| ディスク形式 | クローン元と一致(MBR↔MBR、GPT↔GPT) | 異なる(起動失敗) |
💡 再クローン時のコツ
-
「システム領域を含める」「セクタ単位コピー」を有効にする。
-
クローン後に「自動パーティション調整」をONにしてSSDサイズに最適化。
🧠 チェック④:ブート構成を修復する
クローン後にブート情報(BCDファイル)が壊れていると、Windowsが起動しません。
🔧 修復方法(回復ドライブを使用)
-
別PCでWindows回復ドライブを作成(USB)。
-
SSDを接続したPCでUSB起動。
-
「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンドプロンプト」を選択。
💻 コマンド入力
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd
完了後、再起動して正常に立ち上がるか確認します。
💡 それでもダメな場合は、「bcdboot C:\Windows /l ja-jp /s X: /f ALL」でブート情報を再構築できます。
🪛 チェック⑤:物理的な問題の確認
🔌 接続ケーブル
-
SATAケーブルが緩んでいる、折れ曲がっている場合は交換。
-
電源ケーブルが別系統に接続されていると、SSDが通電不足になることも。
🔩 M.2 SSDの装着不良
-
ネジが緩んでいると認識しない。
-
NVMeタイプかSATAタイプかを確認(スロットの規格違いに注意)。
💡 テスト方法
-
別PCまたは外付けケースに接続して認識されるか確認。
-
認識しない場合はSSD初期不良の可能性があります。
🧩 チェック⑥:Windows自動修復を実行
🪛 自動修復の起動方法
-
電源をONにしてロゴが出たら強制OFFを3回繰り返す。
-
自動的に「修復モード」が起動。
-
「スタートアップ修復」を選択。
Windowsが自動でブート構成や破損ファイルを修復してくれます。
💾 チェック⑦:再インストールを検討するケース
すべての手順を試しても起動しない場合は、Windowsシステムファイルの損傷やEFI領域破損が重度の可能性があります。
⚙️ 再インストール手順(クリーンインストール)
-
Microsoft公式サイトからメディア作成ツールを使用。
-
USBインストールメディアを作成。
-
SSDをフォーマット後にWindowsを再インストール。
💡 Windows 10/11では、ライセンスはMicrosoftアカウントと紐づいているため、再認証も自動で行われます。
🧾 チェックリストまとめ
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| BIOS認識 | SSDの型番が表示されているか |
| 起動順序 | Windows Boot Managerが最優先になっているか |
| UEFI/Legacy設定 | クローン元と同一設定か |
| クローン内容 | EFI領域・システム領域が含まれているか |
| ブート構成 | bootrecコマンドで修復したか |
| Secure Boot | 無効化して起動を確認したか |
| 物理接続 | ケーブル・ポート・スロットの不良を除外したか |
🧠 再発防止のポイント
-
クローン作業前にHDDの健康状態を確認(不良セクタがあるとコピー失敗)。
-
クローンは安定したSATA直結環境で行う(USBアダプタ経由は避ける)。
-
BIOS・ブート設定をメモしておく。
-
起動しない場合に備えて回復ドライブをあらかじめ作成。
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✨ さいごに
SSD換装後にWindowsが起動しない場合、慌てず一つずつ確認することが大切です。原因の多くはBIOS設定やクローン時の設定ミスであり、正しい手順で修正すればほとんどのケースで解決できます。データを安全に移行し、快適なSSD環境を手に入れましょう。
