[記事公開日]2025/10/30
💬 msgコマンドの使い方|ネットワーク上のユーザーにメッセージを送信する方法
もくじ
はじめに
同一ネットワーク上のパソコンにメッセージを送信したい場合、Windowsには msg(Message)コマンド が用意されています。
このコマンドを使うと、ドメインやリモートセッション環境で特定のユーザーや端末へメッセージを即座に表示できます。
サーバー管理、社内LANでの通知、リモートセッション中の警告表示など、さまざまなシーンで活用できます。
この記事では、msg コマンドの基本構文、主要オプション、実用例、使用時の注意点を詳しく解説します。
🛠 msgコマンドとは?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | 他のユーザー・セッション・端末にメッセージを送信する |
| 用途 | サーバー管理通知、リモート警告、LAN内の連絡表示 |
| 特徴 | メッセージがポップアップで表示される、コマンド操作のみで送信可能 |
msg は、Windowsの「メッセンジャーサービス」を利用して、ユーザーセッションに直接テキストメッセージを表示します。
ドメイン環境やリモートデスクトップ接続(RDS)でよく使用されるコマンドです。
📌 基本構文
msg <ユーザー名> [/server:<サーバー名>] [/time:<秒数>] [/v] [/w] <メッセージ>
💡 主なオプション一覧
| オプション | 説明 |
|---|---|
<ユーザー名> |
宛先のユーザー名またはセッションIDを指定 |
/server:<サーバー名> |
対象ユーザーが接続しているサーバーを指定 |
/time:<秒数> |
メッセージの表示時間を指定(既定は60秒) |
/v |
詳細情報を表示(Verboseモード) |
/w |
応答を待機する(送信完了を確認) |
💡 主な使用例
| 操作内容 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| 同一PC上のユーザーに送信 | msg user1 メンテナンスを開始します。 |
ローカルユーザーに通知 |
| リモートPCのユーザーに送信 | msg /server:Server01 user2 サーバー再起動予定です。 |
ネットワーク経由で送信 |
| 特定のセッションに送信 | msg 2 システムが再起動します。 |
セッションID「2」へ送信 |
| 表示時間を指定 | msg user1 /time:30 今すぐログオフしてください。 |
30秒間表示されるメッセージ |
| 全ユーザーに送信 | msg * メンテナンスを開始します。保存をお願いします。 |
すべてのセッションに通知 |
⚙️ 応用的な使い方
1️⃣ リモート管理での警告通知
サーバー再起動やメンテナンス前に事前通知:
msg * /time:60 サーバーは10分後に再起動します。作業を保存してください。
すべてのログインユーザーに警告を表示できます。
2️⃣ バッチ処理に組み込み
定期メンテナンスバッチで自動通知:
@echo off
echo ユーザーへ再起動警告を送信中...
msg * /time:120 システムは20分後に再起動されます。
echo 完了。
このようにして自動警告を配信可能です。
3️⃣ RDPセッション管理と連携
RDS環境(リモートデスクトップサービス)では、query user コマンドでセッション一覧を確認し、特定のセッションIDを指定して通知できます。
query user
msg 3 システムメンテナンス中です。
⚠️ 注意点
| 注意点 | 説明 |
|---|---|
| 管理者権限が必要 | 他ユーザーやリモートユーザーに送信するには管理者権限が必要 |
| 旧メッセンジャーサービスとは異なる | XP時代の「net send」とは別機能(互換性なし) |
| ファイアウォール設定に注意 | 一部環境では通信がブロックされる場合あり |
| ドメイン・セッション環境が前提 | ワークグループPC間では動作しないこともある |
📊 まとめ表
| 操作内容 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| ユーザーに送信 | msg user1 メッセージ内容 |
同一PCまたはRDS上のユーザーへ送信 |
| 全員に送信 | msg * 通知内容 |
すべてのセッションへ通知 |
| サーバー指定 | msg /server:Server01 user2 通知内容 |
リモートユーザーに送信 |
| 時間指定 | msg user1 /time:30 内容 |
表示時間を30秒に設定 |
| 応答待機 | msg /w user1 内容 |
送信完了まで待機 |
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さいごに
msg コマンドは、リモート環境やドメイン環境でユーザーに直接通知を送れる便利なツールです。
GUIを開かずに一斉連絡を行えるため、サーバー管理や運用監視に重宝されます。
ただし、権限やネットワーク構成に依存するため、実運用前に通信テストを行うことをおすすめします。
