[記事公開日]2025/10/30
[最終更新日]2025/11/02
📡 bitsadminコマンドの使い方|バックグラウンド転送サービス(BITS)を制御する方法
もくじ
はじめに
Windowsでは、バックグラウンドで安定したデータ転送を行うために「BITS(Background Intelligent Transfer Service)」という仕組みが組み込まれています。
このサービスを手動で制御したり、転送ジョブを作成・管理できるのが bitsadminコマンド です。
かつてはMicrosoft公式ツールとして配布されており、ファイルの自動ダウンロード、配布、更新タスクなどで利用されてきました。
現在ではPowerShellの BitsTransfer コマンドレットに置き換えられていますが、互換目的やスクリプトメンテナンスで使われることもあります。
この記事では、bitsadmin コマンドの使い方、主要オプション、実用例をわかりやすく解説します。
🛠 bitsadminコマンドとは?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | BITSジョブ(バックグラウンド転送)の作成・監視・制御 |
| 用途 | 大容量ファイルの自動転送、ダウンロードキューの管理 |
| 特徴 | 転送を中断しても再開可能・帯域制御に優れる |
bitsadmin は、Windowsに標準搭載された BITS サービスを操作するための管理ツールです。
ネットワーク負荷を最小限に抑えつつ、バックグラウンドで安定したファイル転送を実現します。
📌 基本構文
bitsadmin <コマンド> [パラメータ]
💡 主なサブコマンド一覧
| サブコマンド | 説明 |
|---|---|
/create <名前> |
新しいBITSジョブを作成 |
/addfile <ジョブ名> <URL> <保存先> |
転送対象ファイルをジョブに追加 |
/resume <ジョブ名> |
一時停止中のジョブを再開 |
/complete <ジョブ名> |
完了したジョブを確定 |
/cancel <ジョブ名> |
転送ジョブをキャンセル |
/list |
登録済みジョブを一覧表示 |
/monitor <ジョブ名> |
指定ジョブの進捗を監視 |
💡 主な使用例
| 操作内容 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| 新しいジョブを作成 | bitsadmin /create DownloadJob |
ジョブ名「DownloadJob」を新規作成 |
| ファイルを追加 | bitsadmin /addfile DownloadJob https://example.com/file.zip C:\Temp\file.zip |
URLから指定フォルダへ追加 |
| 転送を開始 | bitsadmin /resume DownloadJob |
ファイルダウンロードを開始 |
| 転送を確認 | bitsadmin /monitor DownloadJob |
ダウンロードの進捗を確認 |
| ジョブ完了を確定 | bitsadmin /complete DownloadJob |
ダウンロードを完了状態に設定 |
| ジョブ削除 | bitsadmin /cancel DownloadJob |
登録済みジョブを削除 |
⚙️ 応用的な使い方
1️⃣ 自動ダウンロードスクリプトの作成
@echo off
echo ファイルを自動ダウンロード中...
bitsadmin /create MyJob
bitsadmin /addfile MyJob https://example.com/update.zip C:\Update\update.zip
bitsadmin /resume MyJob
bitsadmin /monitor MyJob
bitsadmin /complete MyJob
echo ダウンロードが完了しました。
バックグラウンドで安定したダウンロードを行う自動スクリプトとして利用可能です。
2️⃣ 大容量ファイル転送の一時停止と再開
途中で接続が切れても、ジョブを再開することで途中から転送を続行できます。
bitsadmin /suspend MyJob
bitsadmin /resume MyJob
3️⃣ スケジュール転送に活用
タスクスケジューラと組み合わせて夜間などに自動ダウンロードを実行すれば、業務時間帯の帯域負荷を軽減できます。
⚠️ 注意点
| 注意点 | 説明 |
|---|---|
| Windows 10以降では非推奨 | PowerShellの Start-BitsTransfer に置き換えられている |
| 管理者権限が必要な場合あり | ネットワークドライブやシステムフォルダを扱う場合は昇格が必要 |
| URLと保存先の両方を正確に指定 | パスのミスでエラーになることが多い |
| 長期ジョブの放置に注意 | 未完了ジョブは溜まり続けるため定期的に bitsadmin /list で確認 |
📊 まとめ表
| 操作内容 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| ジョブ作成 | bitsadmin /create MyJob |
転送ジョブを新規登録 |
| ファイル追加 | bitsadmin /addfile MyJob URL 保存先 |
転送対象を指定 |
| 転送開始 | bitsadmin /resume MyJob |
ダウンロードを再開 |
| 状態確認 | bitsadmin /monitor MyJob |
進捗を確認 |
| 完了処理 | bitsadmin /complete MyJob |
転送を確定 |
| 削除 | bitsadmin /cancel MyJob |
不要ジョブを削除 |
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さいごに
bitsadmin コマンドは、バックグラウンドで安定的なファイル転送を行うための非常に便利なツールです。
現在ではPowerShell版が推奨されていますが、レガシー環境や自動更新スクリプトの保守には今でも活躍します。
ダウンロードや配布タスクの自動化を行いたい場合は、bitsadmin の仕組みを理解しておくとトラブル対応にも役立ちます。
