[記事公開日]2025/10/31
🌐 getmacコマンドの使い方|MACアドレスを確認する基本と活用方法
もくじ
はじめに
ネットワークのトラブルシューティングや端末管理を行う際、「MACアドレス(物理アドレス)」の確認が必要になることがあります。
そんなときに役立つのが getmacコマンド です。
このコマンドを使うことで、コントロールパネルや設定画面を開かずに、すべてのネットワークインターフェースのMACアドレスを即座に表示できます。
この記事では、getmac コマンドの基本的な使い方から、リモートPCでの利用方法、結果の解釈までを丁寧に解説します。
🛠 getmacコマンドとは?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | ネットワークアダプタのMACアドレスを取得する |
| 用途 | 接続デバイスの識別、リモート診断、ネットワーク制限設定など |
| 特徴 | 一覧表示が可能で、CSV形式などにも出力できる |
getmac は、Windowsで標準搭載されているネットワーク診断コマンドの1つです。
有線LAN・Wi-Fiなど複数のアダプタを搭載している環境でも、すべてのMACアドレスを簡単に確認できます。
📌 基本的な使い方
構文
getmac [オプション]
代表的な実行例
| 目的 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| ローカルPCのMACアドレスを表示 | getmac |
接続中のすべてのネットワークインターフェースの情報を表示 |
| 詳細情報を表示 | getmac /v |
接続名やトランスポート名も含めて詳細を表示 |
| リモートPCのMACアドレスを確認 | getmac /s PC-NAME /u USERNAME /p PASSWORD |
指定したリモートPCの情報を取得 |
| 出力をCSVファイルに保存 | getmac /fo csv > mac_list.csv |
結果をCSV形式で出力 |
🔍 表示結果の読み方
getmac の出力例:
Physical Address Transport Name
================== ============================================
00-1A-2B-3C-4D-5E \Device\Tcpip_{XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX}
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| Physical Address | 実際のMACアドレス(ハードウェア固有の識別番号) |
| Transport Name | Windows内部でのネットワークデバイス識別名 |
/v オプションをつけると、さらに「接続名」「ネットワークアダプタ名」などが追加で表示され、より分かりやすくなります。
⚙️ 主なオプション一覧
| オプション | 説明 |
|---|---|
/v |
詳細情報を表示(アダプタ名・接続状態など) |
/fo <形式> |
出力形式を指定(TABLE、LIST、CSV) |
/nh |
ヘッダー行を非表示にする |
/s <コンピュータ名> |
リモートコンピュータを指定 |
/u <ユーザー名> |
リモート接続時のユーザー名を指定 |
/p <パスワード> |
リモート接続時のパスワードを指定 |
🔧 応用的な使い方
1️⃣ MACアドレスをCSV形式で整理
getmac /v /fo csv > C:\Logs\mac_info.csv
ヘッダー付きのCSVとして保存し、Excelで一覧化できます。
2️⃣ リモート端末のMACアドレス確認
getmac /s 192.168.1.10 /u Administrator /p P@ssw0rd
リモート管理を行う際に便利ですが、対象端末での管理者権限とネットワーク接続が必要です。
3️⃣ 他コマンドとの組み合わせ
for /f "tokens=1" %i in ('getmac /fo csv /nh') do echo %i
バッチファイルなどで getmac の出力を利用し、ネットワーク監査や機器管理に応用できます。
⚠️ 注意点
| 注意点 | 説明 |
|---|---|
| 無効なアダプタは表示されない | 無効化されたネットワークデバイスは一覧に含まれません |
| 仮想アダプタにもMACが割り当てられる | VirtualBoxやHyper-Vなどの仮想環境でも表示されます |
| リモート取得には管理者権限が必要 | /s オプション利用時には十分な権限が必要 |
| 出力形式指定時のミスに注意 | /fo オプションにスペースが入ると構文エラーになります |
🧠 補足
MACアドレスは機器固有の識別番号であり、ネットワーク上の端末管理やアクセス制御(フィルタリング)に利用されます。
個人情報の一部とみなされる場合もあるため、公開・共有には注意が必要です。
📊 まとめ表
| 操作内容 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| MACアドレスを確認 | getmac |
基本的な一覧表示 |
| 詳細表示 | getmac /v |
接続名・デバイス名付きで出力 |
| CSV出力 | getmac /fo csv > mac.csv |
ファイル保存用 |
| リモート取得 | getmac /s PC-NAME /u USER /p PASS |
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さいごに
getmac コマンドは、ネットワーク機器の特定や管理作業を行う上で非常に有用です。
特に複数のPCやサーバーを扱う環境では、迅速にMACアドレスを取得できることで管理効率が向上します。
ネットワーク診断や機器の識別作業に、ぜひ活用してみてください。
