[記事公開日]2025/10/31
📈 typeperfコマンドの使い方|リアルタイムでパフォーマンスカウンタを取得・記録する方法
もくじ
はじめに
Windowsには、CPU・メモリ・ディスク・ネットワークなどの動作状況を数値化して取得できる「パフォーマンスカウンタ」という仕組みがあります。
このカウンタ情報をリアルタイムで取得したり、ログファイルとして保存できるのが typeperfコマンド です。
typeperf を使えば、システムリソースの状態を即座にモニタリングしたり、後で分析するためのデータを簡単に収集できます。
この記事では、typeperf コマンドの基本的な使い方、代表的なカウンタ一覧、ログ出力の活用法をわかりやすく解説します。
🛠 typeperfコマンドとは?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | パフォーマンスカウンタの値をリアルタイムで取得・記録する |
| 用途 | CPU負荷、メモリ使用率、ディスクI/O、ネットワーク負荷などの監視 |
| 特徴 | GUI不要で即座にカウンタ値を取得可能、スクリプトとの連携が容易 |
typeperf は、perfmon のリアルタイム取得機能をコマンドラインで操作できるツールです。
一度の取得だけでなく、一定間隔で継続的に測定することもできます。
📌 基本的な使い方
構文
typeperf [カウンタ名] [オプション]
主な使用例
| 目的 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| CPU使用率を取得 | typeperf "\Processor(_Total)\\% Processor Time" |
全体のCPU稼働率をリアルタイムで表示 |
| メモリ空き容量を取得 | typeperf "\Memory\\Available MBytes" |
空きメモリ容量をMB単位で表示 |
| 5秒ごとに計測 | typeperf "\Processor(_Total)\\% Processor Time" -si 5 |
5秒間隔で出力 |
| 結果をCSV保存 | typeperf "\Memory\\Available MBytes" -si 10 -o C:\Logs\mem.csv |
10秒ごとにCSVへ保存 |
| カウンタ一覧を出力 | typeperf -qx |
利用可能な全カウンタ名を一覧表示 |
🔍 応用的な使い方
1️⃣ 複数のカウンタを同時取得
typeperf "\Processor(_Total)\\% Processor Time" "\Memory\\Available MBytes" "\PhysicalDisk(_Total)\\Avg. Disk Queue Length" -si 5 -o C:\Logs\system.csv
CPU・メモリ・ディスクをまとめて監視し、CSVファイルに保存します。
2️⃣ 一定時間のみ記録する
typeperf "\Processor(_Total)\\% Processor Time" -si 2 -sc 30 -o C:\Logs\cpu_1min.csv
-sc オプションでサンプル数を指定(例:2秒間隔×30回=約1分間の記録)。
3️⃣ カウンタ一覧の中から特定項目を探す
typeperf -qx | find "Memory"
「Memory」を含むカウンタ名のみ抽出。目的のパラメータを見つけるのに便利です。
4️⃣ バッチスクリプトで自動取得
@echo off
echo CPU/メモリ使用率を記録中...
typeperf "\Processor(_Total)\\% Processor Time" "\Memory\\Available MBytes" -si 5 -sc 120 -o C:\Logs\perf_log.csv
echo ログ収集が完了しました。
定期監視タスクやサーバーヘルスチェックの自動化に活用できます。
⚙️ 主なオプション一覧
| オプション | 説明 |
|---|---|
-si <秒> |
サンプリング間隔を指定(秒単位) |
-sc <回数> |
収集回数を指定 |
-o <ファイル> |
出力ファイルのパスを指定(CSV形式) |
-qx |
すべての利用可能なカウンタを一覧表示 |
-f <形式> |
出力形式を指定(CSV、TSV、BIN など) |
⚠️ 注意点
| 注意点 | 説明 |
|---|---|
| カウンタ名の指定に注意 | バックスラッシュと引用符の組み合わせを誤るとエラーになります |
| 大量カウンタの取得は重い | 多数の項目を同時に記録するとCPU負荷が増加します |
| ファイルパスに日本語を含めない | ログ保存時に文字化けする可能性があります |
定期監視には logman 推奨 |
長期運用・自動開始には logman のほうが適しています |
🧠 補足
typeperf はリアルタイムモニタリングに優れており、即時に数値を確認したい場面で有効です。
一方で、長期間の収集には logman や relog を組み合わせて使うとより効果的です。
📊 まとめ表
| 操作内容 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| CPU使用率を取得 | typeperf "\Processor(_Total)\\% Processor Time" |
リアルタイムで表示 |
| 複数カウンタを記録 | typeperf ... -o perf.csv |
同時にログ出力 |
| 一定期間の記録 | typeperf -si 5 -sc 30 |
指定回数のみ測定 |
| カウンタ一覧表示 | typeperf -qx |
利用可能カウンタを一覧表示 |
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さいごに
typeperf コマンドは、Windowsのパフォーマンスデータを素早く取得できる軽量ツールです。
リアルタイムのトラブル調査や短期的な性能測定に最適で、システム状態を数値で把握する第一歩として役立ちます。
定期ログ収集や分析と組み合わせることで、より効果的なパフォーマンス監視が実現します。
