[記事公開日]2025/11/02
📊 logmanコマンドの使い方|パフォーマンスログ・トレースの収集と管理方法
もくじ
はじめに
Windowsでは、システムの動作を詳しく記録してトラブルを分析するために「パフォーマンスログ」や「イベントトレース(ETW)」を利用できます。
この記録を作成・管理するための強力なコマンドが logman です。
logman コマンドを使うことで、CPU・メモリ・ディスク・ネットワークなどの統計情報を自動的に収集し、後から分析できるログファイルを作成できます。
この記事では、logman コマンドの基本構文から、ログ収集・トレース設定・スケジュール実行の方法までを詳しく解説します。
🛠 logmanコマンドとは?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | パフォーマンスカウンタやイベントトレースのログ収集・管理を行う |
| 用途 | パフォーマンス監視、トラブル調査、長期稼働時のリソース分析 |
| 特徴 | GUIの「パフォーマンスモニター」ではできない自動ログ取得が可能 |
logman は、Windowsの「パフォーマンスモニター(PerfMon)」機能をコマンドラインで制御できるツールです。
定期的なリソース監視や長期ログの自動収集に適しており、サーバー運用や障害解析で頻繁に使用されます。
📌 基本的な使い方
構文
logman [create|start|stop|delete|query] [名前] [オプション]
主な操作一覧
| 操作内容 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| データコレクタを作成 | logman create counter MyLog -c "Processor(_Total)\\% Processor Time" -si 10 -o C:\Logs\cpu_log.blg |
CPU使用率を10秒間隔で記録 |
| 収集開始 | logman start MyLog |
指定のデータコレクタを開始 |
| 収集停止 | logman stop MyLog |
ログ収集を停止 |
| 一覧表示 | logman query |
登録されているデータコレクタを一覧表示 |
| 削除 | logman delete MyLog |
データコレクタを削除 |
🔍 応用的な使い方
1️⃣ CPU・メモリ・ディスクを同時に監視
logman create counter SystemMonitor -c "Processor(_Total)\\% Processor Time" "Memory\\Available MBytes" "PhysicalDisk(_Total)\\Avg. Disk Queue Length" -si 5 -o C:\Logs\system_perf.blg
logman start SystemMonitor
5秒ごとにリソース情報を記録し、.blg ファイルとして保存します。
2️⃣ トレースログ(ETW)の取得
アプリケーションやシステム動作の詳細トレースを記録する場合:
logman create trace NetTrace -p Microsoft-Windows-TCPIP -nb 16 16 -bs 1024 -o C:\Logs\network_trace.etl
logman start NetTrace
トレースを停止するには:
logman stop NetTrace
.etl ファイルは Windows Performance Analyzer (WPA) や Event Viewer で解析可能です。
3️⃣ 定期スケジュールで自動実行
タスクスケジューラと組み合わせることで、定期的に収集を行うこともできます。
schtasks /create /sc daily /tn "PerfLog" /tr "logman start MyLog"
これにより、毎日自動でログ収集が開始されます。
⚙️ 主なオプション一覧
| オプション | 説明 |
|---|---|
create |
新しいデータコレクタセットを作成 |
start / stop |
データコレクタの開始・停止 |
delete |
データコレクタの削除 |
query |
現在のコレクタ一覧を表示 |
-c |
監視するパフォーマンスカウンタを指定 |
-si |
サンプリング間隔を秒単位で指定 |
-o |
出力ファイルの保存先を指定 |
-p |
トレースプロバイダ(ETW)の指定 |
⚠️ 注意点
| 注意点 | 説明 |
|---|---|
| 管理者権限が必要 | 一部のカウンタやトレースは管理者でなければアクセス不可 |
| ログサイズに注意 | 長時間記録ではディスク容量を圧迫することがあります |
| パスに日本語を使わない | 出力先パスが日本語を含むとエラーになる場合があります |
.blg ファイルの閲覧 |
収集後は「パフォーマンスモニター」からインポートして確認可能 |
🧠 補足
logman は PowerShell からも同様に利用でき、GUIを使わずに高精度なパフォーマンス収集を実現できます。
特にサーバー運用・トラブル調査・定期監視などでは必須の診断ツールです。
📊 まとめ表
| 操作内容 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| CPU監視ログ作成 | logman create counter CpuLog -c "Processor(_Total)\\% Processor Time" -si 10 -o C:\Logs\cpu.blg |
CPU使用率を記録 |
| ログ開始 | logman start CpuLog |
収集を開始 |
| ログ停止 | logman stop CpuLog |
収集を終了 |
| トレース作成 | logman create trace NetTrace -p Microsoft-Windows-TCPIP -o C:\Logs\net.etl |
ネットワーク動作を記録 |
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さいごに
logman コマンドは、Windowsのパフォーマンス監視を自動化・効率化するための中核ツールです。
GUI操作では難しい長期ログ収集や複数カウンタの一括管理も、数行のコマンドで実現できます。
トラブル解析や性能検証の際には、ぜひ logman を活用してみてください。
