[記事公開日]2025/11/02
💡 mdschedコマンドの使い方|Windowsメモリ診断ツールでメモリエラーを検出する方法
もくじ
はじめに
パソコンが頻繁にブルースクリーン(BSoD)になったり、突然再起動を繰り返す場合、その原因のひとつとして「メモリ(RAM)の不良」が考えられます。
Windowsには標準でメモリを検査できるツールが搭載されており、コマンドで簡単に起動できます。
そのツールを呼び出すのが mdschedコマンド です。
この記事では、mdsched コマンドの概要、検査の手順、検査モードの違い、注意点について詳しく解説します。
🛠 mdschedコマンドとは?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役割 | Windowsメモリ診断ツールを起動し、RAMの動作確認を行う |
| 用途 | ブルースクリーンの原因特定、ハードウェア診断、安定性テスト |
| 特徴 | 再起動後に自動実行され、BIOSレベルに近い検査を実施 |
mdsched は、Windowsの起動中に検出できないメモリエラーを発見するためのツールです。
ハードウェア的な異常を確認する初期診断として非常に有効で、メーカー修理や交換判断にも利用されます。
📌 基本的な使い方
構文
mdsched
このコマンドを実行すると、次のようなダイアログが表示されます:
🔧 「今すぐ再起動して問題を確認する(推奨)」
⏳ 「次回コンピューターの起動時に問題を確認する」
選択後、PCが再起動し、メモリ診断ツールが自動的に起動します。
🔍 メモリ診断の実行手順
1️⃣ コマンド実行
コマンドプロンプトまたは「ファイル名を指定して実行(Win+R)」に次を入力します:
mdsched.exe
2️⃣ 再起動と診断の開始
選択後、再起動が行われ、青い画面でメモリ検査が始まります。
3️⃣ 検査モードの選択(F1キー)
診断中に F1キー を押すと、3つの検査モードを切り替えられます:
| モード | 説明 |
|---|---|
| 基本(Basic) | 最小限のチェックを実施(高速) |
| 標準(Standard) | 一般的な検査。ほとんどの問題を検出可能(既定) |
| 拡張(Extended) | 時間をかけて徹底検査(メモリ容量によっては1時間以上) |
4️⃣ 結果の確認
検査完了後、自動的にWindowsが再起動し、ログイン後に結果が通知されます。
通知を見逃した場合は、イベントビューアから確認可能です。
📂 検査結果の確認方法
-
スタートメニューで「イベントビューア」を検索し起動
-
左ペインで次の項目を開きます:
Windows ログ → システム -
右側の「現在のログをフィルター」で、ソースを MemoryDiagnostics-Results に指定
-
結果メッセージを確認:
-
問題は検出されませんでした。 → メモリは正常
-
ハードウェアの問題が見つかりました。 → メモリ交換を推奨
-
⚙️ 応用的な使い方
バッチやスクリプトから診断を呼び出す
トラブル時に自動診断を組み込むことも可能です:
@echo off
echo メモリ診断を開始します。
mdsched.exe
管理者権限で実行しておくと、ユーザーの手動操作を省略できます。
⚠️ 注意点
| 注意点 | 説明 |
|---|---|
| 診断には再起動が必要 | 作業中のデータは保存してから実行 |
| 実行時間が長い | メモリ容量が大きい場合、検査に1時間以上かかることもあります |
| 結果が通知されない場合あり | 通知が表示されないときはイベントビューアで確認 |
| 物理的な抜き差し確認も重要 | エラー検出時は、メモリモジュールの再装着も有効 |
🧠 補足
メモリエラーが検出された場合は、メモリスロットを1枚ずつ検査して不良モジュールを特定すると効果的です。
また、メモリ診断で異常がない場合でも、温度や電源など他要因によるエラーの可能性もあります。
📊 まとめ表
| 操作内容 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| メモリ診断を起動 | mdsched |
メモリ検査ツールを呼び出す |
| 再起動して検査 | mdsched.exe |
次回起動時に診断を実施 |
| 拡張検査 | F1 → Extended | 高精度なメモリテストを実施 |
| 結果確認 | イベントビューア → MemoryDiagnostics-Results | 検査結果を表示 |
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さいごに
mdsched コマンドは、Windows標準で利用できる強力なメモリ診断ツールです。
ソフトウェアでは検出できないハードウェアレベルの異常を発見する手段として、定期的なチェックにも有効です。
もし検査でエラーが見つかった場合は、早めのメモリ交換やハードウェア点検を検討しましょう。
