もくじ
📝 はじめに
PowerShellでコマンドを実行すると、
「結果は出るけれど、情報が多すぎて見づらい」
「必要な項目だけを抜き出して表示したい」
と感じたことはありませんか?
そんなときに活躍するのが
Select-Object です。
この記事では、必要な列(プロパティ)だけを表示する基本的な使い方から、
実務でよく使われる応用までを丁寧に解説します。
- 一覧表示を見やすく整理したい
- レポート用に必要な情報だけ抜き出したい
- 後続の処理に必要な項目だけ渡したい
✅ このコマンドでできること(要点)
- オブジェクトの必要なプロパティだけを表示できる
- 表示順を自由に並べ替えられる
- 計算結果や加工した値を列として追加できる
- 不要な情報を省いて見やすくできる
✅ Select-Object でできること
Select-Object は、
PowerShellで扱うオブジェクトから
「どのプロパティを使うか」を指定するためのコマンドです。
表示を整える目的だけでなく、
次の処理に渡すデータを整理するという使い方もよく行われます。
考え方としては、「必要な列だけを抜き出すフィルター」のようなイメージです。
🧩 基本構文
Select-Object プロパティ名1, プロパティ名2
複数のプロパティを指定することで、
表示する列を自由にコントロールできます。
▶ 基本的な使い方(まずこれだけ)
🔹 プロセス一覧から必要な列だけ表示する
Get-Process | Select-Object Name, Id
プロセス名とIDだけが表示されます。
この2列だけが表示されていれば、正しく抽出できています。
🔹 ファイル一覧から名前とサイズを表示する
Get-ChildItem | Select-Object Name, Length
ファイル名とサイズだけに絞って表示されるため、
一覧がかなり見やすくなります。
🛠 よく使われる指定例
🔹 表示順を指定する
Get-Process | Select-Object Id, Name
指定した順番で列が表示されます。
表示順を変えたい場合にも便利です。
🔹 先頭の件数だけ取得する
Get-Process | Select-Object -First 5
処理結果の先頭から指定件数だけを表示します。
動作確認やテスト時によく使われます。
🔹 計算結果を列として追加する
Get-Process | Select-Object Name, @{Name="MemoryMB";Expression={$_.WorkingSet64 / 1MB}}
メモリ使用量をMB単位で表示できます。
数値が表示されていれば、計算列は正常に追加されています。
💼 実務でよく使う使用例(応用)
🔹 CSV出力用に列を整理する
Get-Process | Select-Object Name, Id, CPU | Export-Csv process.csv -NoTypeInformation
🔹 ログ用に必要な情報だけ残す
Get-ChildItem | Select-Object Name, LastWriteTime
- Where-Object と併用して条件抽出
- Sort-Object で並び替え
- Export-Csv でファイル出力
🧩 よくある勘違い・つまずきポイント
- 存在しないプロパティを指定すると空欄になる
- 表示が変わるだけで、元のオブジェクトは変わらない
- Format-Table とは役割が違う
- プロパティ名は正確に指定する必要がある
- 計算プロパティの書式に慣れが必要
🔄 cmdとの違いについて
cmdでは列の抽出を行う場合、
for や findstr などを組み合わせる必要があります。
PowerShellでは Select-Object を使うことで、
より直感的に列を扱えます。
⚠ エラー・うまく動かないときの確認ポイント
- プロパティ名のスペルが正しいか
- 対象のオブジェクトがそのプロパティを持っているか
- パイプラインの前段が正しく動作しているか
- 計算プロパティの式が正しいか
🧠 注意点
Select-Object は表示を整えるだけでなく、
後続処理のデータ構造にも影響します。
必要以上に列を削りすぎると、
後の処理で使えなくなることがある点に注意してください。
📌 まとめ
- Select-Object は必要な列だけを抽出する基本コマンド
- 表示の整理だけでなく、処理効率の向上にも役立つ
- 計算列を使うことで情報を分かりやすくできる
- 次は Where-Object や Sort-Object と組み合わせると理解が深まる
🔎 PowerShellコマンドを探す
やりたいことからコマンドを探せます。
- ファイルを削除したい
- 一覧を表示したい
- 文字列を検索したい
- 条件で絞り込みたい
- エラーや実行できない原因を調べたい
- 表示項目を整理したい
- CSVに出力したい
