もくじ
📝 はじめに
PowerShellで処理を実行していて、
「時間がかかる処理をバックグラウンドで流したい」
「別の作業をしながらコマンドを動かしたい」
と感じたことはありませんか?
そんなときに使えるのが、
バックグラウンドで処理を開始できる
Start-Job です。
この記事では、PowerShellのジョブ機能の基本として、
Start-Jobの使い方を分かりやすく解説します。
- 時間がかかる処理を裏で実行したい
- 複数の処理を並行して進めたい
- PowerShellを操作しながら別処理を走らせたい
✅ このコマンドでできること(要点)
- コマンドをバックグラウンドで実行できる
- 処理を非同期で開始できる
- 複数のジョブを同時に管理できる
- 結果を後から取得できる
✅ Start-Job でできること
Start-Job は、
PowerShellの処理を別スレッド(ジョブ)として起動するコマンドです。
ジョブとして起動された処理は、
画面を占有せずにバックグラウンドで実行されます。
そのため、実行中でもPowerShellを自由に操作できます。
「処理を投げて、あとから結果を見る」という使い方が基本です。
🧩 基本構文
Start-Job -ScriptBlock { 処理内容 }
実行したい処理を
ScriptBlock(波かっこ)で囲んで指定します。
▶ 基本的な使い方(まずこれだけ)
🔹 ジョブを開始する
Start-Job -ScriptBlock { Get-Date }
ジョブが開始されると、すぐに制御が戻ります。
何かしらのJob情報が表示されていれば、正常に開始できています。
🔹 実行中のジョブを確認する
Get-Job
実行中・完了・失敗など、ジョブの状態を一覧で確認できます。
State が Running や
Completed になっていれば問題ありません。
🛠 よく使われる指定例
🔹 時間のかかる処理をバックグラウンド実行
Start-Job -ScriptBlock { Start-Sleep -Seconds 10 }
10秒待機する処理を裏で実行します。
待ち時間中もPowerShellは操作可能です。
🔹 ジョブに名前を付ける
Start-Job -Name TestJob -ScriptBlock { Get-Process }
ジョブに名前を付けることで、
後から識別しやすくなります。
💼 実務でよく使う使用例(応用)
🔹 複数ジョブを同時に開始する
1..3 | ForEach-Object {
Start-Job -ScriptBlock { Get-Random }
}
複数のジョブを並行して実行できます。
処理が並列で進めば、時間短縮につながります。
🔹 ジョブの結果を取得する
Receive-Job -Id 1
ジョブが完了していれば、実行結果を取得できます。
結果が表示されれば、ジョブは正常に完了しています。
- Get-Job で状態確認
- Receive-Job で結果取得
- Remove-Job で後片付け
🧩 よくある勘違い・つまずきポイント
- ジョブ内では現在の変数がそのまま使えないことがある
- 完了しても結果を受信しないと表示されない
- ジョブが溜まり続けると管理しづらくなる
- 対話的な入力が必要な処理は向いていない
🔄 cmdとの違いについて
cmdには、PowerShellの
Start-Job に相当する
標準的なジョブ管理機能はありません。
PowerShellでは、
非同期処理を標準機能として扱える点が大きな違いです。
⚠ エラー・うまく動かないときの確認ポイント
- ScriptBlock 内の構文が正しいか
- 必要なモジュールがジョブ内で読み込まれているか
- ジョブの State が Failed になっていないか
- Receive-Job を実行しているか
🧠 注意点
ジョブはPowerShellセッションとは独立して実行されます。
変数や環境を引き継ぎたい場合は、
明示的に渡す必要がある点に注意しましょう。
📌 まとめ
- Start-Job はバックグラウンド処理の基本
- 処理を止めずに別作業ができる
- 結果は後から Receive-Job で取得する
- 次は Wait-Job や Receive-Job を併せて覚えると便利
🔎 PowerShellコマンドを探す
やりたいことからコマンドを探せます。
- ファイルを削除したい
- 一覧を表示したい
- 文字列を検索したい
- 条件で絞り込みたい
- エラーや実行できない原因を調べたい
- バックグラウンドで処理したい
- 並列処理を行いたい
