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[記事公開日]2025/12/30
Q. Wi-Fiの暗号化方式で速度が変わるって本当?
もくじ
パソコントラブルQ&A
Q.
Wi-Fiの暗号化方式で速度が変わるって本当?
A.
Wi-Fiの暗号化方式によって通信速度に影響が出ることはあります。暗号化はデータを安全に送受信するための仕組みですが、方式によって処理の負荷や対応機器の性能が異なるためです。緊急性は高くありませんが、速度が気になる場合は暗号化方式の確認や見直しが役立つことがあります。以下で、まず確認してほしいポイントから順に詳しく説明します。
まず確認してほしいこと
Wi-Fiの速度に関する問題は、暗号化方式だけでなく複数の要因が絡みます。そこで「切り分け」のために、まずは以下のポイントを確認しましょう。
🔎 切り分け手順(デスクトップ/ノート/一体型)
- 共通:Wi-Fiルーターの再起動や周辺機器の接続状況をチェックし、電波干渉や距離の問題を確認する。
- 共通:接続している端末のWi-Fi設定を開き、現在の暗号化方式(例:WPA2、WPA3)を調べる。
- ノートパソコン:電源設定で省電力モードが速度に影響していないか確認する。
- デスクトップ:Wi-Fiアダプターのドライバーが最新かどうかをチェックする。
これらを確認することで、暗号化方式以外の外部要因やソフトウェア要因の影響を見極めやすくなります。
ここまでの確認で速度問題の原因が特定できない場合、暗号化方式の違いが影響している可能性を考えましょう。
この症状が起きる理由について
Wi-Fiの暗号化方式は、通信データを保護するために情報を暗号化・復号化します。この処理には端末やルーターのCPUリソースを使うため、暗号化の方式や強度によっては通信速度に差が出ることがあります。特に古い機器や対応していない方式を使うと、速度低下が起こりやすいです。
よくある原因
- 古い暗号化方式(WEPなど)を使っているため速度が遅い
- 最新の高速暗号化方式(WPA3)に対応していない機器が混在している
- 暗号化処理に対応するCPU性能が低い端末を使用している
- ルーターの設定で複数の暗号化方式が混在し、互換モードで速度が制限されている
- 暗号化方式以外の電波干渉や接続不良が影響している
自分でできる対処方法(順番に試す)
- ルーターと端末を再起動して、接続状態をリセットする(外部要因の切り分け)。
- ルーターの管理画面にアクセスし、暗号化方式の設定を確認する。可能ならWPA2またはWPA3に設定する(ソフトウェア要因の切り分け)。
- 端末のWi-FiドライバーやOSを最新の状態にアップデートする(ソフトウェア要因の切り分け)。
- 可能であれば、暗号化方式を変えて速度が改善するか試す。ただし、設定変更はルーターの説明書をよく読み、理解してから行うこと。
- 電波干渉が疑われる場合は、ルーターの設置場所を変えるか、5GHz帯の利用を検討する。
これらの手順で速度の改善が見られない場合は、内部ハードウェアの問題や機器の性能差が原因の可能性もあります。
放置するとどうなるか
Wi-Fiの暗号化方式が適切でないまま放置すると、通信速度が遅いままでストレスを感じたり、セキュリティリスクが高まる恐れがあります。また、速度低下が原因でオンライン作業や動画視聴に支障が出ることも考えられます。ただし、すぐに大きなトラブルになるわけではありません。
専門的な補足(故障が疑われるケース)
もし暗号化方式を変更しても速度が改善せず、他の端末でも同様の問題が起きる場合は、ルーターのハードウェア故障やWi-Fiモジュールの不具合が疑われます。また、端末側の無線LANアダプターの故障や性能不足も考えられます。これらは分解や専門的な検査が必要になるため、無理せず専門業者に相談することをおすすめします。
再発を防ぐためのヒント
- ルーターのファームウェアを定期的にアップデートする。
- 使用している端末のWi-FiドライバーやOSも最新に保つ。
- 暗号化方式は安全性と速度のバランスを考慮し、WPA2またはWPA3を推奨。
- 複数の異なる暗号化方式を混在させない設定にする。
- ルーターの設置場所を工夫し、電波干渉を減らす。
まとめ
Wi-Fiの暗号化方式は通信の安全性を守る重要な要素ですが、方式や機器の対応状況によっては速度に影響を与えることがあります。まずは外部環境や設定の切り分けを行い、暗号化方式の確認・変更を試みることが大切です。速度改善が難しい場合や機器の故障が疑われる場合は、無理せず専門家に相談しましょう。安心して快適に使うためのポイントを押さえて対応してください。
