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[記事公開日]2026/08/17

LAN接続はできるが特定サイトだけ開けない場合のDNS切り分け

Windows 11でLANやWi-Fiには正常に接続でき、ほとんどのWebサイトも開けるのに、特定のサイトだけ開けないことがあります。

この場合、インターネット回線全体やLAN接続そのものではなく、DNSの名前解決、古いDNSキャッシュ、hostsファイル、IPv4/IPv6の経路差、VPN・プロキシ、ブラウザーやセキュリティソフト、接続先サイト側の障害などを切り分ける必要があります。

特にDNSを疑うときは、「サイト名からIPアドレスを取得できているか」を確認することが重要です。Windowsでは nslookupipconfig /flushdns を使って確認できます。

先に結論:まず対象サイトだけ開けないことを別ブラウザー・別端末でも確認し、nslookup サイト名 でDNS応答を確認します。名前解決に失敗する場合はDNS・キャッシュ・hostsを優先し、正常にIPが返る場合はDNS以外のVPN・プロキシ・IPv6・ブラウザー・サイト側障害へ進みます。

最初に確認:「特定サイトだけ開けない」とはどの状態か

症状によって確認順序が変わります。

症状 優先して確認すること
ほとんどのサイトは開ける DNS、サイト側障害、ブラウザー、VPN
特定ドメインだけ名前解決できない DNSサーバー、キャッシュ、hosts
nslookupは成功するがブラウザーで開けない DNS以外の原因を優先
別端末でも同じサイトだけ開けない サイト側障害、ルーター・ISP・DNS
対象PCだけ開けない Windows、ブラウザー、VPN、プロキシ、hosts
VPNを切ると開ける VPNのDNS・経路・フィルター

1. 本当に「特定サイトだけ」なのか確認する

まず、問題のサイト以外を2~3件開いてください。

例えば次を確認します。

  • 検索サイトは開くか
  • Microsoftなど別の大手サイトは開くか
  • メールやクラウドサービスは使えるか

ほとんどのサイトが開けない場合は、DNSだけでなくIPアドレス・デフォルトゲートウェイ・回線全体を確認する必要があります。

この記事は「LAN接続自体は正常で、特定サイトだけ開けない」ケースを中心に解説します。

2. 別ブラウザーで同じサイトを開く

Microsoft Edgeで開けない場合、PCに別ブラウザーがあるなら同じURLを試します。

結果 考え方
別ブラウザーでは開く ブラウザー側設定・拡張機能・サイトデータを優先
どのブラウザーでも開かない DNS・VPN・プロキシ・Windows側を優先

DNSはWindows全体で利用されるため、1つのブラウザーだけで問題が出る場合はDNS以外の可能性が高くなります。

3. 別端末で同じサイトを開く

同じルーターへ接続しているスマートフォンや別PCで、問題のサイトが開けるか確認します。

結果 原因の方向
別端末では開く 対象PC側のDNS・ブラウザー・VPN・hosts
別端末でも開かない サイト側障害、ルーター・ISP・利用中DNS
モバイル通信では開く 家庭・社内ネットワーク側を疑いやすい

スマートフォンで比較するときは、Wi-Fi経由なのかモバイル通信経由なのかを分けて確認してください。

4. nslookupで対象サイトの名前解決を確認する

WindowsにはDNSの診断に使える nslookup コマンドがあります。

Microsoft Learnでは、nslookup はDNSインフラストラクチャの診断に利用できるコマンドとして案内されています。

コマンドプロンプトを開き、対象サイトのドメイン名を指定します。

nslookup example.com

example.com の部分は実際に開けないサイトのドメイン名へ置き換えてください。

正常に名前解決できる場合は、IPアドレスが返ります。

エラー例としては次のようなものがあります。

  • DNS request timed out
  • Non-existent domain
  • Server failed
  • DNSサーバーから応答がない

Microsoftの nslookup 資料でも、タイムアウト・応答なし・ドメイン不存在・Server failureなどがDNS問い合わせ失敗時の代表的な結果として説明されています。

5. 正常に開けるサイトもnslookupして比較する

対象サイトだけの問題かを確認するため、正常に開けるサイトも同じ方法で調べます。

nslookup microsoft.com
結果 考え方
正常サイトは成功、対象サイトだけ失敗 対象ドメインのDNS応答・キャッシュ・DNSサーバーを確認
どのドメインも失敗 DNSサーバー設定・到達性を確認
どちらも正常 DNS以外の原因へ進む

6. ipconfig /allで現在使っているDNSサーバーを確認する

次のコマンドで現在のネットワーク設定を詳しく確認できます。

ipconfig /all

使用中のEthernetまたはWi-Fiアダプターで「DNS Servers」を確認します。

Microsoftの ipconfig は、Windows 11のTCP/IP構成やDNS設定の確認に利用できます。

家庭用ネットワークでは、ルーターのIPアドレスがDNSとして表示される場合もあれば、ISPや手動設定したDNSサーバーが表示される場合もあります。

7. DNSを手動設定している場合は「自動(DHCP)」と比較する

Windows 11では、ネットワークのIP割り当てを自動(DHCP)にすると、IPアドレスとDNSサーバー設定をルーターやアクセスポイントから自動取得できます。

MicrosoftもAutomatic(DHCP)を推奨設定として案内しています。

以前にDNSを手動変更している場合は、現在値を記録したうえで自動取得へ戻し、対象サイトが開くか比較します。

会社・学校では注意:社内DNSが必須の環境があります。業務PCでDNSを勝手に変更すると、社内サイト・ドメイン・認証サービスへ接続できなくなる場合があります。管理者へ確認してください。

8. DNSキャッシュを削除する

Windowsは名前解決結果をDNSクライアントキャッシュへ保存します。

古いIPアドレスや一時的な名前解決失敗がキャッシュされている場合は、DNSキャッシュを削除すると改善することがあります。

ipconfig /flushdns

Microsoftの ipconfig 資料では、/flushdns はDNSクライアントリゾルバーキャッシュをフラッシュ・リセットし、DNSトラブルシューティングで負のキャッシュや動的に追加されたエントリを破棄するために使用できると説明されています。

詳しい操作は、🌐 DNSキャッシュを削除する「ipconfig /flushdns」の使い方|通信トラブルを解消する基本コマンドを参照してください。

9. ipconfig /displaydnsでキャッシュ内容を確認する

DNSキャッシュを削除する前に、どの名前解決結果が保存されているか確認したい場合は次を利用できます。

ipconfig /displaydns

Microsoftの資料では、/displaydns はDNSクライアントリゾルバーキャッシュの内容を表示し、Hostsファイルから読み込まれたエントリや最近取得したDNSレコードなども確認できると説明されています。

対象ドメインに不自然な古いエントリが残っていないか確認する材料になります。

10. hostsファイルに対象ドメインが登録されていないか確認する

WindowsのDNSクライアントは、名前解決時にキャッシュ、Hostsファイル、DNSサーバーの順で確認します。

Microsoft LearnのDNSクライアントトラブルシューティングでも、Hostsファイルにドメイン名の記述がある場合、DNSサーバーへ問い合わせずHostsのIPアドレスを使う例が説明されています。

Hostsファイルは通常、次の場所にあります。

C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts

以前のサーバー移行確認、広告ブロック、開発作業、トラブル対策などで対象ドメインが登録されていると、古いIPアドレスへ接続し続ける場合があります。

注意:HostsファイルはWindowsの名前解決へ直接影響するシステム設定です。意味の分からない行を一括削除せず、変更前にバックアップしてください。会社PCでは管理者へ確認してください。

11. nslookupが成功するのにサイトが開けない場合はDNS以外を疑う

nslookup で対象ドメインから正常にIPアドレスが返る場合、少なくともDNSサーバーへの問い合わせ自体は成功しています。

その場合は次を確認します。

  • ブラウザー
  • VPN
  • プロキシ
  • IPv4/IPv6経路
  • セキュリティソフト
  • 接続先サイト側障害
  • HTTPS証明書・PC時刻

DNSを何度も変更するより、原因を次の層へ進めることが重要です。

12. pingで名前解決されるか確認する

次のように対象ドメインを指定します。

ping example.com

pingの最初に対象ドメインのIPアドレスが表示されれば、名前からIPへの変換自体は行われています。

ただし、pingへ応答しないWebサーバーもあるため、応答が返らないだけでサイト障害とは判断できません。

Microsoftの ping はIPレベルの接続性を確認するコマンドです。

13. IPv4とIPv6を分けて確認する

対象サイトがIPv4・IPv6の両方に対応している場合、IPv6側の経路だけ不調でサイト表示が遅い・失敗する場合があります。

次のように分けて試せます。

ping -4 example.com
ping -6 example.com
結果 考え方
IPv4のみ成功 IPv6経路・ルーター・ISP側を確認
IPv6のみ成功 IPv4経路・DNS Aレコード側を確認
両方名前解決される DNS以外の原因を優先

IPv6をすぐ無効化するのではなく、IPv6を無効にすると直る?ネットワークトラブルで確認する前の注意点も確認してください。

14. Aレコード・AAAAレコードを個別に確認する

IPv4用のDNSレコードはA、IPv6用はAAAAです。

次のように確認できます。

nslookup -type=A example.com
nslookup -type=AAAA example.com

AAAAだけ返らないこと自体は、サイトがIPv6非対応なら正常です。

一方、A/AAAAとも正常に返るのに特定PCだけ開けない場合は、DNSより経路・ブラウザー・VPN・プロキシへ進みます。

15. tracertで経路が途中で止まっていないか確認する

DNSでIPアドレスは取得できているのに通信できない場合は、経路確認として tracert を利用できます。

tracert example.com

IPv4・IPv6を分ける場合:

tracert -4 example.com
tracert -6 example.com

Microsoftの tracert は、宛先までの経路を確認するコマンドです。

注意:途中のルーターがICMPへ応答しないため「*」になることがあります。「*」が出た場所=障害箇所とは限りません。

16. VPNを一時的に切断して確認する

VPN接続中は、DNS問い合わせや通信経路がVPN側へ切り替わる場合があります。

特定サイトだけ開けない症状がVPN接続中だけ発生するなら、業務へ影響しない状態でVPNを一時的に切断し比較します。

結果 考え方
VPNを切ると開ける VPNのDNS・ルート・Webフィルターを確認
VPNを切っても同じ 別の原因へ進む

業務用VPNは自己判断でアンインストールせず、管理者やVPN提供元へ確認してください。

17. Windowsのプロキシ設定を確認する

プロキシ設定が有効になっていると、特定サイトだけ接続できないことがあります。

Windows 11では「設定」→「ネットワークとインターネット」→「プロキシ」から確認できます。

確認する項目:

  • 「プロキシ サーバーを使う」が意図せず有効でないか
  • 会社指定のプロキシを使っていないか
  • 自動構成スクリプトが設定されていないか

会社PCでは必要な設定の可能性があるため、自己判断で削除しないでください。

18. セキュリティソフト・Webフィルターを確認する

セキュリティソフトには、危険サイト・カテゴリ・広告・HTTPS通信などを制御する機能があります。

特定サイトだけブロックされる場合は、DNS障害ではなくWebフィルターやファイアウォールの可能性があります。

確認する項目:

  • ブロック通知が出ていないか
  • 保護履歴に対象URLがないか
  • 会社のURLフィルター対象ではないか

セキュリティソフトを全面停止するのではなく、まずログや通知を確認してください。

19. PCの日付と時刻を確認する

DNSが正常でも、PCの日付・時刻が大きくずれているとHTTPS証明書の検証に失敗し、特定サイトへ接続できない場合があります。

「設定」→「時刻と言語」→「日付と時刻」で確認してください。

ブラウザーに証明書エラーが表示されている場合は、DNS変更より先にエラー内容と時刻を確認します。

20. サイト側の障害・地域制限・アクセス制限も考える

特定サイトだけ開けない原因が、PCやDNSではなくサイト側にある場合もあります。

例えば次のケースです。

  • Webサーバー障害
  • DNSレコード変更中
  • 特定地域・回線からのアクセス制限
  • WAF・セキュリティ対策によるIPブロック
  • メンテナンス中

別回線・別端末でも同じ場合は、サイト運営元の障害情報や公式案内を確認してください。

21. DNSを変更しても直らない場合

DNSサーバーを別のものへ変更しても同じサイトだけ開けない場合は、DNS以外の原因を優先します。

次を確認してください。

  • nslookup では正常にIPが返るか
  • VPNを切ると変化するか
  • プロキシ設定がないか
  • IPv4/IPv6で差があるか
  • 別ブラウザーでは開くか
  • 別端末・別回線では開くか
  • サイト側障害がないか

この段階の切り分けは、DNSを変更してもサイトが開けないときに次に確認することへ進むと整理しやすくなります。

22. ネットワークリセットは最後に検討する

特定サイトだけ開けない状態で、最初からWindowsのネットワークリセットを行う必要はありません。

ネットワークリセットではネットワークアダプターや関連設定が既定状態へ戻るため、VPN・固定IP・仮想ネットワークなどの再設定が必要になる場合があります。

まずDNS・hosts・VPN・プロキシ・IPv4/IPv6を確認し、Windows全体のネットワーク構成不整合が疑われる場合に検討してください。

DNSが原因かどうかの切り分け早見表

確認結果 原因の方向
nslookupで対象サイトだけ失敗 DNS・キャッシュ・DNSサーバー
nslookupは正常 DNS以外へ進む
flushdns後に改善 DNSキャッシュ不整合の可能性
hostsに対象ドメインがある ローカル名前解決の上書きを確認
IPv4のみ正常 IPv6経路を確認
VPNを切ると改善 VPN DNS・ルーティング
別ブラウザーでは正常 ブラウザー側
別端末・別回線でも不可 サイト側障害・制限

よくある質問

特定サイトだけ開けない場合、DNSが原因ですか?

可能性はありますが、DNSだけとは限りません。まず nslookup で対象ドメインの名前解決が成功するか確認してください。

nslookupでIPアドレスが返ればDNSは正常ですか?

そのDNS問い合わせは成功しています。ただし、Windowsの実際の名前解決ではキャッシュやHostsファイルも利用されるため、状況によってはそれらも確認が必要です。また、サイトが開けない原因自体がDNS以外の場合もあります。

ipconfig /flushdnsは安全ですか?

DNSクライアントキャッシュを削除するコマンドで、DNSトラブルシューティングの基本的な確認としてMicrosoftも案内しています。実行後は必要な名前が再度DNS問い合わせされます。

DNSを変更すれば必ず直りますか?

直りません。DNSサーバー側の問題なら改善する可能性がありますが、VPN、プロキシ、IPv6、ブラウザー、サイト側障害が原因ならDNSを変更しても改善しません。

hostsファイルは削除してもよいですか?

安易な削除はおすすめしません。開発・社内システム・セキュリティソフトなどが利用している場合があります。対象ドメインの不自然な記述があるか確認し、変更前にバックアップしてください。

pingが通らないのでDNS障害ですか?

必ずではありません。名前からIPが表示されていればDNS解決は行われています。接続先サーバーがpingへ応答しない場合もあるため、ping失敗だけでDNS障害とは判断できません。

IPv6を無効にしたら開けました

IPv6側の経路に問題がある可能性がありますが、MicrosoftはIPv6の恒久的な無効化を推奨していません。IPv4/IPv6を分けて原因を確認してください。

別のDNSへ変更しても開けません

DNS以外の原因を優先してください。VPN、プロキシ、IPv4/IPv6、ブラウザー、セキュリティソフト、サイト側障害を確認します。

まとめ

LAN接続は正常なのに特定サイトだけ開けない場合は、「DNSが原因か」を先に確認し、DNSが正常なら早めに別の原因へ進むことが重要です。

  1. 他サイトは正常に開くか確認する
  2. 別ブラウザーで対象サイトを試す
  3. 別端末・別回線で同じサイトを確認する
  4. nslookup 対象ドメイン で名前解決を確認する
  5. 正常サイトとのnslookup結果を比較する
  6. ipconfig /all で現在のDNSサーバーを確認する
  7. 手動DNSなら自動(DHCP)との比較を行う
  8. ipconfig /flushdns でDNSキャッシュを削除する
  9. ipconfig /displaydns でキャッシュ内容を確認する
  10. Hostsファイルに対象ドメインがないか確認する
  11. nslookupが正常ならDNS以外へ進む
  12. IPv4とIPv6を分けて確認する
  13. VPN・プロキシを確認する
  14. セキュリティソフト・ブラウザーを確認する
  15. PCの日付・時刻を確認する
  16. サイト側障害・制限も確認する
  17. ネットワークリセットは最後に検討する

特定サイトだけ開けない場合に最も重要なのは、「名前解決できない」のか、「名前解決はできるがその先の通信に失敗している」のかを分けることです。この2つを分けるだけで、DNSを何度も変更するような不要な対処を避けながら原因を絞り込めます。

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