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[記事公開日]2023/04/20
[最終更新日]2026/08/14

外付けハードディスクにアクセスしようとすると、異常なノイズが発生する原因と解決方法

外付けハードディスクへアクセスしたときに「カチカチ」「カコン」「ガリガリ」「ピー」「ブーン」といった普段と違う音が出る場合、HDD本体の物理故障、電力不足、USBケーブルや外付けケースの不具合などが考えられます。

元記事では、落下・衝撃・過去の故障歴など物理的な問題があると異音が出ることがあり、別のパソコンでも同じ異音が続く場合はHDD本体の問題を疑うという切り分けを紹介していました。

この考え方は現在でも重要ですが、HDDの異音には「正常動作の範囲内の音」と「故障の可能性が高い音」があります。特に重要データが入っている場合は、音の種類を見極めずに何度もアクセス・修復・スキャンを繰り返さないことが大切です。

最初に確認:すべてのHDD音が故障とは限らない

HDDは内部で磁気ディスクを回転させ、磁気ヘッドを動かしてデータを読み書きするため、完全な無音ではありません。

Seagateも、読み書き中の軽い「チャタリング」やクリック音など、正常動作に伴う音があると案内しています。一方、規則的に繰り返す強いクリック音やビープ音、異常なタッピング音などは故障の兆候になり得るとしています。

Seagate:Identifying Hard Drive Sounds and Determining What They Mean

Western Digitalも、HDDには正常な作動音がある一方で、製品や症状によってクリック、異常な振動、研削音などが問題の兆候になる場合があると案内しています。

Western Digital:Reasons for Hard Drive Noise

危険度が高い異音の例

音の例 考えられる状態
カチカチ・カコンを一定間隔で繰り返す ヘッドが正常に位置決めできない、読み取り失敗、電力不足など
ガリガリ・ゴリゴリという擦れるような音 内部機構の物理故障が疑われる
ピー・ビープ音のような音 モーターが回れない、電力不足、内部機構の異常など
回転開始→停止を何度も繰り返す 電源不足、モーター、基板、HDD本体故障など
以前より大きな振動音 設置状態、ケース、内部回転系の異常など

音だけで正確な故障箇所を断定することはできません。ただし、異音と同時に「認識しない」「極端に遅い」「接続が切れる」「アクセスすると固まる」などの症状が出ている場合は、故障の可能性が高くなります。

次の症状がある場合は、すぐに使用を中止する

  • 落下・衝撃後から異音が出た
  • カチカチ音が一定間隔で続く
  • ガリガリ・擦れるような音がする
  • HDDが回転と停止を繰り返す
  • 異音と同時に認識しなくなった
  • アクセスするとWindows全体が固まる
  • ファイルコピーが途中で止まる
  • 焦げ臭い、異常発熱がある

重要データがある場合:異音が続いているHDDへ何度も通電したり、CHKDSK、完全スキャン、デフラグ、フォーマットなど長時間の処理を行ったりしないでください。物理故障が進行すると、データ復旧がさらに難しくなる場合があります。

安全な切り分け順序

  1. 落下・衝撃・水濡れ・異臭がないか確認する
  2. 異音が強い場合はすぐ電源を切る
  3. USBケーブルと接続を確認する
  4. USBハブを外して本体へ直接接続する
  5. 電源方式・ACアダプターを確認する
  6. 必要なら短時間だけ別PCで同じ異音が出るか確認する
  7. 安定して読める場合のみ重要データを最優先で退避する
  8. 別PCでも同じ異音ならHDD・ケース側を優先して疑う
  9. 重要データがある場合は専門業者への相談を検討する

1. USBケーブルと接続を確認する

元記事では、最初にUSBケーブルが正しく接続されているかを確認し、必要に応じて差し替える方法を案内しています。

電力や通信が不安定な場合、HDDが回転しようとして止まる、接続・切断を繰り返す、クリック音が出ることがあります。

次を確認してください。

  • USBコネクタが奥まで入っているか
  • ケーブルが折れ曲がっていないか
  • 端子がぐらついていないか
  • 別の正常な同規格USBケーブルで症状が変わるか

ただし、異音が強く、HDDが認識しない状態では何度も抜き差ししないでください。データが重要なら試行回数を抑えます。

2. USBハブを使っている場合は外す

バスパワー方式のポータブルHDDでは、USBハブ経由で電力が不足することがあります。

いったんUSBハブ、ドッキングステーション、モニター内蔵USBハブなどを外し、PC本体のUSBポートへ直接接続して確認します。

直接接続で異音が止まり正常動作するなら、USBハブ側の電力不足や接続不良が原因だった可能性があります。

3. 電源不足がないか確認する

外付けHDDの異音は、必ずしもHDD内部の機械故障だけで起きるわけではありません。

Western Digitalは、ポータブル外付けHDDが回転せずクリック音がする症状について、USB電力やケーブル、接続ポートなどを確認する手順を案内しています。

Western Digital:My Passport Does Not Spin Up, Is Not Recognized, or Makes a Clicking Sound

バスパワーHDDの場合

  • USBハブを外す
  • PC本体の別USBポートへ接続する
  • 不要なUSB機器を外す
  • ノートPCならACアダプターを接続する

電力不足の切り分けは、外付けハードディスクが接続されたコンピューターのUSBポートから、正しく電力を供給されない場合の原因と解決方法も参考になります。

ACアダプター付き外付けHDDの場合

3.5インチ外付けHDDなどでは、専用ACアダプターからHDDを駆動する電力を供給します。

  • ACアダプターが正しく接続されているか
  • 電源ランプが正常か
  • 電源ジャックがぐらついていないか
  • 異常発熱や焦げ臭さがないか

互換性注意:別のACアダプターを試す場合は、出力電圧、極性、必要電流、コネクタ形状を必ず確認してください。見た目だけで適当なアダプターを接続すると、外付けHDDを破損する可能性があります。

4. 別のパソコンで短時間だけ確認する

元記事では、別のパソコンへ接続して同じ異音が出るか確認する方法を紹介しています。

別PCでは異音が出ず正常に読める場合

元のPCのUSBポート、USBハブ、電源供給、USBドライバーなどに問題がある可能性があります。

別PCでも同じ異音が出る場合

USBケーブルを交換しても変わらなければ、外付けHDDのケース・電源回路・USB-SATA変換基板・HDD本体側の可能性が高くなります。

ただし、明らかなカチカチ音やガリガリ音が出ている場合、別PCで何度も検証する必要はありません。重要データがあるなら通電を止めるほうを優先してください。

5. 外付けHDDがまだ読める場合は、重要データだけ先に退避する

元記事では「異常なノイズが発生している場合は、できるだけ早くバックアップを取る」ことを勧めています。

これは有効ですが、すでに物理故障が疑われるHDDでは、無計画に全容量をコピーすると長時間アクセスになり、途中で完全に読めなくなることがあります。

まだ安定して認識し、異音も強くない場合は、次の優先順位でコピーします。

  1. 仕事・会計・写真など代替できないデータ
  2. 容量が小さく重要なファイル
  3. 再入手できないデータ
  4. 最後に容量の大きい動画や再入手可能なデータ

コピー先は故障が疑われるHDDとは別の正常なストレージを使用してください。

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退避先のストレージを用意する場合:

退避先は、必要なデータ量より十分に余裕のある容量を選んでください。

「異音がするけれど認識している」場合も油断しない

エクスプローラーで開けるから正常とは限りません。

次の症状が同時にある場合は、故障初期の可能性があります。

  • フォルダを開くまで長時間待たされる
  • 特定フォルダだけ開けない
  • コピー速度が0MB/s付近まで落ちる
  • アクセス中だけカチカチ音が強くなる
  • ファイルコピー中にエラーが出る
  • 接続が突然切れる

この状態では、ベンチマークや全領域スキャンなど「故障診断のための負荷」を優先するより、重要データの退避を優先するほうが安全です。

CHKDSKは異音が出ているHDDの最初の対処ではない

WindowsのCHKDSKはファイルシステムとそのメタデータを検査し、オプションによって論理エラーを修復する機能です。

Microsoftも、chkdskに/fや/rなどを指定するとボリュームのエラー修復を行うと説明しています。

Microsoft Learn:chkdsk

しかし、CHKDSKは異音が出るHDDの物理故障を直す機能ではありません。

特に次の状態では、CHKDSKよりデータ保護を優先してください。

  • 強いクリック音・擦れる音がする
  • 接続が頻繁に切れる
  • 読み込みが極端に遅い
  • アクセスするとWindowsが固まる
  • 重要データのバックアップがない

フォーマットや初期化は行わない

異音が出る外付けHDDを接続すると、Windowsから次のような表示が出ることがあります。

ドライブを使うにはフォーマットする必要があります。

また、「ディスクの管理」で「初期化されていません」「RAW」「未割り当て」などと表示されることもあります。

以前までデータが入っていたHDDで突然この状態になった場合は、初期化・フォーマットしないでください。

ファイルシステムだけでなく、HDD本体の物理故障や読み取り不良が原因の可能性があります。

外付けケース側の故障でも異音に見えることがある

外付けHDDは、内部HDDだけでなく、USB-SATA変換基板、電源回路、USB端子、ACアダプターなどで構成されています。

ケース側で正常な電力が供給できないと、HDDが回転開始と停止を繰り返し、「クリック」「ピー」といった異音が出る場合があります。

ただし、市販の外付けHDDにはUSB変換基板側で暗号化している製品や、USB端子がHDD基板へ直付けされている製品もあります。

ケースを分解してSATA-USBアダプターへ接続すれば必ず読めるわけではありません。重要データがある場合は、製品構造を確認せず分解しないでください。

HDD本体の物理故障が疑われるケース

次の条件が重なる場合は、内部HDDの物理故障を強く疑います。

  • 落下・衝撃後から異音が始まった
  • 別PC・別ケーブルでも同じ異音
  • 十分な電源を確保しても回転と停止を繰り返す
  • カチカチ音と同時に認識しない
  • ガリガリ・擦れる音がする
  • データ読み取りが極端に遅い
  • アクセスすると切断される

Seagateも、異音と継続的な認識不良が解消しない場合はドライブ交換が必要になる可能性を案内しています。

Seagate:What should I do for a noisy disk drive?

自分でHDDを開封しない

異音がHDD内部から出ている場合でも、HDD本体の金属カバーを開けないでください。

HDD内部は微細なホコリでも記録面や磁気ヘッドへ深刻な影響を与える精密機器です。家庭環境で開封すると、データ復旧の難易度を上げる可能性があります。

内部ヘッドやモーターの修理が必要な場合は、専門設備を持つデータ復旧業者へ相談します。

専門業者への相談を優先したほうがよいケース

  • 唯一のバックアップが入っている
  • 仕事・会計・写真など失えないデータがある
  • 落下後からカチカチ音が出ている
  • ガリガリ・擦れる音がする
  • 別PCでも認識しない
  • HDDが回転と停止を繰り返す
  • 一瞬だけ認識するがすぐ消える
  • データコピー中に異音が強くなる

データの重要度が高いほど、「何とか自分で直そう」と試行回数を増やすより、現状維持を優先したほうがよい場合があります。

異音が出るHDDでやってはいけないこと

何度も電源を入れ直す

物理故障が進行している場合、通電のたびに状態が悪化することがあります。

長時間の完全スキャンを行う

全領域を読み取る処理はHDDへの負荷が高くなります。重要データがある場合は先に退避を考えます。

デフラグを実行する

デフラグは大量の読み書きを伴うため、故障が疑われるHDDへ行わないでください。

フォーマット・初期化する

異音と認識異常が同時に起きている場合、論理的な初期化で物理故障は直りません。

HDD本体を叩く・振る・冷凍する

故障を悪化させる危険があります。いわゆる「叩く」「冷凍する」といった方法は行わないでください。

HDD本体のカバーを開ける

内部汚染によってデータ復旧が困難になる可能性があります。

症状別の切り分け早見表

症状 優先する対応
通常の軽い動作音だけで正常に使える 製品仕様・メーカー情報を確認し、経過を見る
USBハブ経由だけカチカチする 本体USBへ直接接続し、電力不足を確認
別USBケーブルで音が止まる 元のUSBケーブル不良・接触不良を疑う
別PCでも同じカチカチ音 外付けケース・HDD本体を疑う
落下後から異音 通電を控え、重要データがあれば専門業者を検討
異音+認識しない 物理故障・電源を優先して確認。修復処理は避ける
異音+一時的には読める 重要ファイルを別媒体へ優先退避
ガリガリ・擦れる音 使用を中止し、専門業者を検討

バックアップ後は、そのHDDを継続利用しないほうが安全

USBケーブル交換や別ポートで一時的に正常になった場合でも、以前とは違う異音が出たHDDは再発する可能性があります。

重要データの退避が完了したら、メーカー診断や保証状況を確認し、必要に応じてHDDを交換してください。

バックアップ完了後に取り外す場合は、Windowsの「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」を利用します。

Microsoft:Safely remove hardware in Windows

よくある質問

外付けHDDがカチカチ鳴ります。故障確定ですか?

確定ではありません。HDDの正常な作動音としてクリック音が聞こえる製品もあります。ただし、規則的な強いクリック音、認識不良、回転停止などが同時にある場合は故障や電力不足を疑います。

カチカチ音がするHDDを別PCへつないでもよいですか?

電力や元PC側の問題を切り分けるため短時間の確認は有効ですが、明らかな異常音が強い場合や重要データがある場合は、試行回数を増やさないほうが安全です。

まだファイルが開けるなら全部コピーしたほうがよいですか?

安定して読めるならバックアップを優先します。ただし故障が進行している可能性があるため、まず代替できない重要ファイルから退避します。

CHKDSKで直りますか?

ファイルシステムの論理エラーを修復できる場合はありますが、物理故障や異音そのものは直せません。異音が強いHDDでは最初の対処として実行しないでください。

USBケーブルで異音が出ることはありますか?

通信・給電が不安定になることで、HDDが回転を開始できずクリックや再起動を繰り返す場合があります。正常な同規格ケーブルで短時間比較すると切り分けに役立ちます。

外付けケースだけ交換すれば直りますか?

ケース側のUSB変換基板や電源回路が原因なら改善する場合があります。ただし、製品によってはUSB基板側の暗号化や専用構造があるため、安易な分解はおすすめしません。

異音が止まったらそのまま使ってよいですか?

以前とは違う異音が一度でも発生した場合は、重要データを別媒体へバックアップしてから継続利用を判断してください。

まとめ

外付けハードディスクへアクセスしたときに異常なノイズが出る場合は、HDD本体の物理故障だけでなく、USBケーブル、USBポート、電力不足、外付けケースの電源回路なども原因になります。

元記事の「接続を確認する → 別のパソコンで比較する → 異音が続くならHDD側を疑う → 重要データを早めにバックアップする」という流れは有効ですが、強いクリック音・擦れる音・落下後の異音がある場合は、確認を繰り返すより通電を止めることを優先してください。

まだ安定して読める場合は、重要データだけを正常な別ストレージへ先に退避します。認識しない、異音が強い、コピー中に停止する場合は、CHKDSK・フォーマット・全領域スキャンなどを行わず、データ復旧の専門業者への相談を検討してください。

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