[記事公開日]2023/04/20
[最終更新日]2026/08/14
セキュリティ対策のインストール中にパソコンが固まってしまったため、再起動をかけたところWindowsが起動できなくなった。
セキュリティ対策ソフトのインストール中にパソコンが固まり、やむを得ず再起動したところ、Windowsが正常に起動しなくなることがあります。
この症状では、インストール途中だったセキュリティソフトのドライバーやサービス、Windowsの起動設定、システムファイルなどが不整合を起こしている可能性があります。
元記事では、主な対処として「セーフモード」「スタートアップ修復」「システムの復元」「Windows再インストール」を案内していました。この考え方は現在も有効ですが、Windows 8以降ではF8キー連打でセーフモードへ入れない環境が多いため、現在はWindows回復環境(Windows RE)から復旧する方法を中心に進めます。
Windowsを再インストールする前に、できるだけデータを残せる方法から順番に試してください。
まず確認したい症状
| 症状 | 考えられる方向性 |
|---|---|
| Windowsロゴで止まる | ドライバー・サービス・システムファイルの不整合 |
| 自動修復を繰り返す | 起動構成・システムファイル・ドライバー異常 |
| ブルースクリーンで再起動する | セキュリティソフトのドライバー競合など |
| セーフモードなら起動する | 通常起動時に読み込まれるドライバー・サービスが原因の可能性 |
| セーフモードでも起動しない | 起動構成やWindowsシステム側の問題も確認 |
| HDD/SSDがBIOSでも認識されない | ソフトではなくストレージ故障・接続異常を優先 |
起動時にブルースクリーンの停止コードやエラーメッセージが表示される場合は、スマートフォンで撮影しておくと原因特定に役立ちます。
注意:何度も強制終了を繰り返さない
Windowsがまったく進まない場合は、Windows REへ入るために起動を中断する方法があります。
ただし、通常の作業として何度も電源ボタン長押しを繰り返すのはおすすめしません。HDD/SSDへ書き込み中だった場合、ファイル破損が増える可能性があります。
Windows REへ入る目的で行う場合だけ、Microsoft公式手順に沿って実行します。
手順1:Windows回復環境(Windows RE)を開く
現在のWindows 10/11では、起動トラブルの修復はWindows回復環境(Windows RE)から行います。
Windowsが正常に起動できない状態でも、Windowsが起動失敗を複数回検出すると自動的にWindows REへ入ることがあります。
自動修復画面が出る場合
「自動修復」「回復」などの画面が表示されたら、「詳細オプション」を選びます。
Windows REが自動的に出ない場合
Microsoft公式では、通常起動を2回中断すると、3回目の起動時にWindows REへ入る方法が案内されています。
- パソコンの電源を入れます。
- Windowsロゴまたはメーカーのロゴが表示されたら、電源ボタンを長押しして電源を切ります。
- もう一度電源を入れ、同じように起動途中で電源を切ります。
- 3回目はそのまま起動します。
- 「自動修復」画面が出たら「詳細オプション」を選びます。
Microsoft公式:Windows recovery environment
BitLockerを使用している場合:Windows REの一部機能ではBitLocker回復キーを求められることがあります。回復キーが分からない状態で、初期化や再インストールなど大きな操作へ進まないでください。
手順2:セーフモードで起動できるか確認する
元記事で最初に案内していたセーフモードは、今回のような「ソフトのインストール途中から起動しなくなった」症状で有効な切り分け方法です。
Windows REから次の順に進みます。
- 「トラブルシューティング」を選びます。
- 「詳細オプション」を選びます。
- 「スタートアップ設定」を選びます。
- 「再起動」を選びます。
- 再起動後の一覧から「セーフモードを有効にする」を選びます。
Microsoftによると、セーフモードは必要最小限のファイルとドライバーだけでWindowsを起動する診断モードです。
Microsoft:Windows startup settings
セーフモードで起動できた場合
セキュリティソフトのインストール途中から症状が始まったのであれば、まずその製品の状態を確認します。
- インストール済みアプリに対象製品が登録されているか
- アンインストールできる状態か
- セキュリティソフト提供元が専用削除ツールを用意していないか
製品によっては通常のアンインストールだけではドライバーやサービスが残ることがあります。必要な場合は、必ずそのセキュリティソフト提供元の公式削除ツールや公式手順を使用してください。
注意:レジストリやドライバーファイルを自己判断で直接削除しないでください。起動不能をさらに悪化させる可能性があります。
アンインストールや修復後は通常再起動し、Windowsが起動するか確認します。
手順3:スタートアップ修復を実行する
セーフモードでも起動できない場合や、起動途中で止まる場合は、Windows REの「スタートアップ修復」を試します。
- Windows REを開きます。
- 「トラブルシューティング」を選びます。
- 「詳細オプション」を選びます。
- 「スタートアップ修復」を選びます。
- 画面の案内に従って診断・修復を実行します。
Microsoftによると、スタートアップ修復は、破損したシステムファイル、起動構成データ、互換性のないドライバー、レジストリの問題など、Windowsの起動を妨げる一般的な問題を診断・修復します。
スタートアップ修復で改善しない場合でも、すぐにWindows再インストールへ進まず、次のシステムの復元を確認します。
手順4:システムの復元でインストール前へ戻す
今回のように「セキュリティソフトをインストールした直後から起動しない」という場合は、システムの復元が特に有効な場合があります。
システムの復元は、Windowsのシステムファイル、レジストリ、インストール済みプログラムなどを、復元ポイント作成時の状態へ戻します。
Microsoftによると、システムの復元は個人ファイルを削除せず、最近のソフトウェアインストールやドライバー更新などによる問題を元に戻す目的で使用できます。
- Windows REを開きます。
- 「トラブルシューティング」を選びます。
- 「詳細オプション」を選びます。
- 「システムの復元」を選びます。
- セキュリティソフトをインストールする前の復元ポイントがあれば選択します。
- 「影響を受けるプログラムの検出」が使える場合は確認します。
- 復元を実行します。
注意:システムの復元では、復元ポイント以降にインストールしたアプリやドライバーが削除されることがあります。復元中は電源を切らないでください。
手順5:Windows Updateも同時期なら「更新プログラムのアンインストール」を確認する
セキュリティソフトのインストールと同じタイミングでWindows Updateも行われていた場合は、Windows REから直前の更新プログラムを削除できる場合があります。
- Windows REを開きます。
- 「トラブルシューティング」を選びます。
- 「詳細オプション」を選びます。
- 「更新プログラムのアンインストール」を選びます。
ただし、今回の原因がセキュリティソフトのインストール中断だと明確な場合は、関係のないWindows Updateを削除する必要はありません。
Microsoft:How to uninstall a Windows Update
手順6:インストールメディアからWindows REへ入る
Windows RE自体が起動できない場合は、別の正常なパソコンでWindowsのインストールUSBを作成し、そこから修復画面へ入る方法があります。
Microsoft公式では、インストールメディアから起動し、最初のセットアップ画面で「PCを修復する」を選ぶとWindows REへ入れると案内されています。
ここで重要なのは、最初から「インストール」を実行するのではなく、まず「PCを修復する」から復旧機能を試すことです。
手順7:Windowsが起動できたらセキュリティソフトを入れ直す
Windowsが正常に起動できるようになったら、すぐに同じインストーラーを再実行するのではなく、次を確認してください。
- Windows Updateが保留中になっていないか
- 古いセキュリティソフトが残っていないか
- 新しいセキュリティソフトが現在のWindowsへ対応しているか
- メーカー公式サイトから最新版インストーラーを取得しているか
- 複数のセキュリティソフトを同時に導入していないか
他社製セキュリティソフトを使う場合は、現在のWindowsバージョンに対応している最新版を使用してください。
Windows再インストール・初期化は最後の手段
元記事では最終手段としてWindows再インストールを案内していました。この位置づけは現在も同じです。
セーフモード、スタートアップ修復、システムの復元などで改善せず、Windowsシステム自体が大きく破損している場合は、Windowsのリセットや再インストールを検討します。
ただし、再インストール方法によっては、アプリ、設定、個人データが削除されます。
実行前に次を確認してください。
- デスクトップ・ドキュメント・写真などのバックアップ
- メールデータ
- ブラウザーのお気に入り・パスワード
- Officeや有料ソフトのライセンス
- 業務アプリのデータ
- Microsoftアカウント情報
- BitLocker回復キー
重要:Windowsが起動しない状態でも、HDD/SSD内のデータが残っている場合があります。重要データがある場合は、再インストールより先にデータ救出を優先してください。
ストレージ故障も切り分ける
セキュリティソフトのインストール中に固まったからといって、必ずソフトだけが原因とは限りません。
HDD/SSDが劣化していると、インストール処理中の大量読み書きをきっかけにフリーズし、その後Windowsが起動しなくなることがあります。
次の症状がある場合は、ストレージ故障も疑ってください。
- 以前から動作が極端に遅かった
- HDDから異音がする
- ファイルを開くとエラーになることがあった
- 起動時間が急に長くなっていた
- SMART警告が表示されていた
- BIOS/UEFIでHDD/SSDが認識されないことがある
ストレージ故障が疑われる場合は、Windows再インストールや長時間の修復処理を先に行わず、データ保護を優先してください。
古いWindowsでF8が使える場合について
元記事では、起動直後にF8キーを連打して「高度な起動オプション」を表示する方法を案内していました。
これは古いWindowsでは一般的な方法でしたが、Windows 8以降は標準状態でF8によるセーフモード起動が使えない、または非常にタイミングが難しい環境があります。
現在は、Windows 10/11ではWindows REの「スタートアップ設定」からセーフモードへ入る方法を優先してください。
やってはいけない対処
起動しない状態で何度も強制終了する
Windows REへ入る目的でMicrosoft公式手順どおりに起動を中断する場合を除き、何度も強制終了を繰り返さないでください。
セキュリティソフトのドライバーを手動で削除する
ドライバーやレジストリを直接削除すると、Windowsがさらに起動できなくなる可能性があります。製品提供元の公式削除手順を使用してください。
原因が分からないままWindows Updateを削除する
今回のようにセキュリティソフトのインストール途中から症状が始まった場合、関係のない更新を削除しても改善しない可能性があります。
復元ポイントを確認せず初期化する
システムの復元で改善できる可能性があるため、初期化や再インストールより先に復元ポイントを確認します。
重要データがある状態でクリーンインストールする
パーティション削除やフォーマットを伴う再インストールでは、データを失う可能性があります。
症状別の安全な対処順
| 症状 | 優先する対処 |
|---|---|
| セーフモードなら起動できる | セキュリティソフトの状態確認・公式手順で削除または修復 |
| 通常起動もセーフモードも不可 | スタートアップ修復 |
| インストール直前の復元ポイントがある | システムの復元 |
| Windows Updateも同時期に実行 | 必要な場合のみ更新プログラムのアンインストール |
| Windows REへ入れない | インストールUSBから「PCを修復する」 |
| HDD/SSD異常も疑われる | データ保護とストレージ診断を優先 |
| すべての修復で改善しない | バックアップ後にリセット・再インストールを検討 |
修理・専門家への相談を検討したほうがよいケース
- Windows REにも入れない
- BitLocker回復キーが分からない
- セーフモードでもブルースクリーンになる
- システムの復元がエラーで完了しない
- HDD/SSDから異音がする
- BIOS/UEFIでストレージが認識されない
- 重要データがあり、初期化できない
- セキュリティソフトの専用削除ツールが必要
- 業務用PCで管理設定が分からない
よくある質問
セキュリティソフトのインストール中に固まったら、強制終了してもよいですか?
可能な限り待つほうが安全です。ただし完全に操作不能で長時間変化がない場合、やむを得ず電源を切るケースがあります。強制終了後に起動しなくなった場合は、Windows REからセーフモード、スタートアップ修復、システムの復元の順に確認してください。
F8を連打してもセーフモードに入りません
Windows 8以降ではF8が標準で使えない、または非常に入りにくい環境があります。Windows 10/11ではWindows REの「スタートアップ設定」からセーフモードへ入る方法を使用してください。
セーフモードで起動したら何をすればよいですか?
今回インストールしていたセキュリティソフトの状態を確認します。必要なら提供元の公式手順でアンインストールまたは修復し、通常起動を確認してください。
システムの復元で個人ファイルは消えますか?
Microsoftの説明では、システムの復元は個人ファイルを残したまま、システムファイル、レジストリ、インストール済みプログラムなどを以前の状態へ戻します。ただし、復元ポイント以降にインストールしたアプリやドライバーは削除される場合があります。
スタートアップ修復とシステムの復元はどちらを先に試しますか?
どちらもWindows REから行える非初期化系の復旧方法です。まずスタートアップ修復を試し、改善しない場合は、セキュリティソフト導入前の復元ポイントがあればシステムの復元を試す流れが分かりやすいです。
Windowsを再インストールすれば確実に直りますか?
Windowsシステムやソフトウェア不整合が原因なら改善する可能性がありますが、HDD/SSD故障が原因なら再インストールだけでは解決しません。また、データを失う可能性があるため最後の手段です。
まとめ
セキュリティ対策ソフトのインストール中にパソコンが固まり、再起動後にWindowsが起動しなくなった場合は、インストール途中のドライバーやサービス、Windowsの起動構成、システムファイルなどが不整合を起こしている可能性があります。
安全な対処順は次のとおりです。
- Windows回復環境(Windows RE)へ入る
- セーフモードで起動できるか確認する
- セーフモードで起動できたら、対象セキュリティソフトを公式手順で修復・削除する
- セーフモードでも起動できなければスタートアップ修復を試す
- 改善しなければ、インストール前の復元ポイントでシステムの復元を試す
- 必要な場合だけ直前のWindows Updateも確認する
- Windows REへ入れない場合はインストールメディアから「PCを修復する」を選ぶ
- すべての復旧手段で改善しない場合のみ、データを保護してから再インストールを検討する
特に重要データがある場合は、初期化やクリーンインストールを急がないでください。Windowsが起動しなくても、HDD/SSD内のデータが残っている可能性があります。
