[記事公開日]2026/08/17
[最終更新日]2026/08/19
HP PC Hardware Diagnosticsでエラーが出たときの基本的な見方と対処
HP PC Hardware Diagnosticsでテストを実行すると、結果に「Passed」「Failed」、Failure ID、Product ID、QRコードなどが表示されることがあります。
エラーが出たときに重要なのは、表示されたFailure IDだけを見て自己判断で部品を交換するのではなく、「どのテストが失敗したか」「症状と一致しているか」「データ保全を優先すべき部品か」を確認することです。
HP公式では、ハードウェアテストに失敗した場合、24桁のFailure IDとProduct IDを控えてHPサポートへ伝えるよう案内しています。テスト結果はHP PC Hardware DiagnosticsのTest Logsから確認できる場合もあります。
この記事では、HP PC Hardware Diagnosticsでエラーが出たときの基本的な見方、Failure IDの保存方法、ストレージ・メモリ・バッテリーなどテスト別の注意点、修理を依頼する前に確認しておくことを説明します。
最初に結論:エラー画面では4つを記録する
診断で「Failed」が表示されたら、画面を閉じる前に次の情報を記録してください。
- 失敗したテスト名
- Failure ID(24桁のコード)
- Product ID
- 症状・発生した日時
QRコードが表示されている場合はスマートフォンで読み取るか、画面全体を写真に撮って残します。
| 表示内容 | 意味 | 対応 |
|---|---|---|
| Passed / Pass | そのテストでは異常を検出しなかった | 症状が続くなら別テスト・別部品を確認 |
| Failed / Fail | そのテストで異常を検出した | Failure IDを保存し、対象部品を切り分け |
| Failure ID | HP診断で生成される障害識別コード | 24桁を正確に記録 |
| Product ID | 対象HP製品を識別する情報 | Failure IDとセットで保存 |
1. 「Passed」はPC全体が完全に正常という意味ではない
あるテストがPassedになった場合、そのテスト条件では異常を検出しなかったという意味です。
たとえばストレージのQuick TestがPassedでも、症状が続く場合はHP公式の案内に従ってExtensive Testを行うことがあります。また、ストレージテストが正常でも、メモリ・電源・マザーボード・Windows側に原因が残っている可能性があります。
「Passed=PC全体に故障なし」とは判断しないでください。
2. 「Failed」は対象部品に追加確認が必要な重要な結果
Failedが出た場合は、対象テストで異常が検出されています。
このとき重要なのは、同じテストを何十回も繰り返すことではありません。
まず次を確認します。
- 失敗したテスト名を確認する
- Failure IDを保存する
- Product IDを保存する
- PCの症状と一致しているか確認する
- データ消失リスクがある部品ならデータ保全を優先する
- 必要に応じてHPサポート・修理へ進む
3. Failure IDは24桁を省略せず記録する
HP公式では、ハードウェアテストに失敗した場合、24桁のFailure IDとProduct IDを書き留め、HP Customer Supportへ伝えるよう案内しています。
Failure IDは一部だけではなく、表示されたコード全体を記録してください。
写真を撮る場合は、次が同時に写るようにすると確認しやすくなります。
- Failure ID
- Product ID
- テスト名
- テスト結果
4. QRコードが表示されたら画面を閉じる前に保存する
HP PC Hardware Diagnosticsでは、テスト失敗時にQRコードが表示される場合があります。
HP公式の診断案内では、QRコードをスキャンするかFailure IDを書き留めてサポートへ連絡する方法が案内されています。
画面を閉じる前にスマートフォンで写真を撮っておくと、修理相談時に情報を伝えやすくなります。
5. Test Logsでも結果を確認できる場合がある
HP PC Hardware Diagnostics UEFIでは、診断結果がメインメニュー内のTest Logsに保存される場合があります。
誤って結果画面を閉じた場合は、Test Logsを開いて直前のテスト結果を確認してください。
ただし、診断ツールのバージョンやPCによって表示項目は異なる場合があります。
6. エラーが出たテスト名を最優先で見る
Failure IDだけでなく、何のテストが失敗したかが重要です。
代表的な例:
- Hard Drive / SSD Test
- SMART Check
- Short DST
- Memory Test
- Battery Test
- AC Adapter Test
- Processor Test
- System Board Test
- Wireless Module Test
同じ「Failed」でも、ストレージとメモリでは優先する対処が異なります。
7. ストレージ系のFailedはデータ保全を優先する
SMART Check、Short DST、Long DSTなどストレージ系テストがFailedになった場合は、SSD/HDDの故障を疑う重要な結果です。
この場合は、詳細テストを繰り返す前に重要データの有無を確認してください。
Windowsが起動できる場合は、最重要データから別媒体へ退避します。
重要:ストレージ故障が疑われる状態で、初期化・フォーマット・Windows再インストール・CHKDSKの繰り返しを先に行わないでください。必要データがある場合はデータ保全を優先します。
8. Hard Drive Short DST Check Failedが出た場合
Short DSTはストレージの自己診断に関係するテストです。
HPの起動時診断でShort DSTがFailedになった場合は、SSD/HDD故障を疑い、データバックアップとストレージ交換判断を優先します。
詳しくはHPの起動時診断でHard Drive Short DST Check Failedと出た場合の対処を確認してください。
9. SMART Check Failedが出た場合
SMART Checkはストレージが保持する自己監視情報を使った確認です。
HP公式のSMARTエラー案内では、ハードドライブテストを実行して故障を確認する方法が案内されています。
SMART Check Failedが出た場合は、OS修復よりデータの重要度を先に判断します。
- 重要データがある → 退避を優先
- バックアップ済み → 交換・修理判断
- Windowsが起動しない → 無理な起動試行を減らす
10. ストレージのQuick TestがPassedでも症状が続く場合
HP公式では、ハードドライブのQuick Testで問題が見つからないのに症状が続く場合、Extensive Testを実行する案内があります。
Extensive Testにはより長いストレージ検査が含まれる場合があります。
ただし、異音、著しい速度低下、頻繁な認識消失など故障兆候が強く、重要データが未バックアップの場合は、長時間テストよりデータ退避を先に検討してください。
11. Memory Test Failedはメモリ本体だけとは限らない
Memory TestがFailedの場合、物理メモリ(RAM)の故障を強く疑います。
ただし交換可能なDIMM/SO-DIMMを搭載するPCでは、次も候補になります。
- メモリの半挿し
- メモリモジュール本体
- DIMMスロット
- CPU内蔵メモリコントローラー
- マザーボード
ユーザー交換可能な機種では、HPのサービスマニュアルを確認して1枚ずつ切り分ける方法があります。
詳しくはHPの起動時診断でMemory Test Failedと表示されたときの確認方法も参考になります。
12. オンボードメモリでは自分で1枚ずつ試せない
薄型ノートPCでは、メモリがマザーボードへはんだ付けされている場合があります。
この場合はユーザーがメモリを抜き差しして確認できません。
Memory Test Failedが繰り返し出る場合は、Failure IDを記録してHPサポート・修理へ進む方が安全です。
13. Battery Test Failedはバッテリー交換判断につながる
Battery TestがFailedの場合は、バッテリーの劣化・故障を疑います。
ただし、バッテリー診断結果と実際の症状も確認してください。
- 充電できない
- 残量表示が急に変わる
- ACアダプターを抜くとすぐ電源が落ちる
- バッテリー駆動時間が極端に短い
筐体が膨らんでいる、タッチパッドが持ち上がる、底面が変形している場合は、診断結果を待たず使用・充電を中止してください。
14. AC Adapter Test Failedはアダプターだけでなく給電経路も確認する
AC Adapter TestがFailedの場合は、ACアダプター本体だけでなく、コネクタ、DCジャック、USB-C PD充電、マザーボード側給電回路も候補になります。
確認する項目:
- HP純正または正しい仕様のACアダプターか
- 電圧・出力仕様が合っているか
- コネクタが緩んでいないか
- ケーブル断線・変形がないか
規格が合わないACアダプターを試さないでください。
15. Processor Test Failedは再現するか確認して修理判断へ
Processor TestがFailedになる場合は、CPU本体、冷却、マザーボード、電源供給などの確認が必要です。
CPUは一般ユーザーが簡単に交換確認できない機種も多いため、Failure IDを記録し、HPサポートへ相談する方が安全です。
高温・ファン異常・電源断が同時にある場合は、追加の高負荷テストを繰り返さないでください。
16. System Board Test Failedは基板故障を疑う重要な結果
System Board TestでFailedが出た場合は、マザーボード上の機能や関連部品に問題がある可能性があります。
この場合、Windows再インストールで直るとは限りません。
Failure IDを保存し、電源・メモリ・交換可能部品の確認を行った上で、HPサポート・修理を検討してください。
17. Wireless Module Test FailedはWi-Fiカード・アンテナ・ドライバーを分ける
Wireless Module TestでFailedが出た場合は、無線LANモジュール本体や認識状態を確認します。
Windowsが起動できる場合は、デバイスマネージャーでWi-Fiアダプターが認識されているかも確認してください。
ただしUEFI診断でモジュール自体のテストがFailになる場合は、Windowsドライバーだけの問題とは考えにくくなります。
18. テスト結果と実際の症状が一致するかを見る
診断結果は症状と組み合わせて判断すると精度が上がります。
| 診断結果 | 実際の症状 | 判断 |
|---|---|---|
| Short DST Failed | 起動が遅い・SSDを認識しない | ストレージ故障の可能性が高い |
| Memory Test Failed | BSOD・フリーズ・起動不可 | メモリ周辺を優先 |
| Battery Test Failed | ACを抜くと電源断 | バッテリー劣化・故障を疑う |
| すべてPassed | Windowsだけ起動しない | OS・ドライバー・起動構成も確認 |
19. 1回だけFailedなら再実行してよい?
メモリなど、データを読み書きしない短時間のテストで一度だけFailになった場合は、接触や一時的な状態を確認した上で再テストすることがあります。
ただし、ストレージ系テストでFailedが出ており重要データがある場合は、再テストよりバックアップを優先してください。
「エラーが消えるまで何度もテストする」使い方はおすすめしません。
20. Fast TestでFailが出たらExtensive Testを無理に続けない
HP公式では、Fast Testでエラーが見つからないのに症状がある場合にExtensive Testへ進む流れが案内されています。
逆に、Fast Testの時点で明確なFailure IDが出た場合は、長時間テストを続ける前に故障箇所・データ重要度を確認します。
特にSSD/HDDがFailedの場合は、負荷を増やすよりデータ保全を優先します。
21. 「Run once」と「Loop until error」の使い分け
HP PC Hardware Diagnosticsの一部テストでは、「Run once」や「Loop until error」を選べる場合があります。
原因が分からない間欠症状の確認に繰り返しテストが役立つ場合はありますが、故障ストレージ・異常発熱・電源不安定が疑われるPCで長時間ループを行うのは避けてください。
まず1回のテスト結果と症状を確認し、必要性がある場合だけ追加テストを行います。
22. Failure IDが出てもインターネット上の一覧だけで断定しない
Failure IDはHP診断が生成するサポート用の情報です。
検索サイトや掲示板で似たコードを見つけても、別機種・別部品の情報をそのまま当てはめないでください。
HP公式のFailure ID確認・サポートツールを使い、Product IDとセットで確認するのが安全です。
23. 保証期間内なら分解前にHPサポートへ確認する
Failure IDが出ており保証期間内の場合は、自分で分解する前にHPサポートへ相談する方がよい場合があります。
メモリ・SSDがユーザー交換可能か、交換で保証条件へ影響するかは製品によって異なります。
修理相談時は次を用意します。
- Failure ID
- Product ID
- シリアル番号
- テスト名
- 症状
- 発生時期
24. Windowsが起動しない場合はUEFI診断結果を優先する
Windowsが起動しないPCでは、Windows上の診断ソフトを使えません。
HP PC Hardware Diagnostics UEFIはWindowsの外で動作するため、ハードウェアとOSトラブルを分ける手掛かりになります。
UEFI診断でストレージ・メモリなどにFailが出た場合は、Windowsの初期化・再インストールへ進む前にハードウェア側を確認してください。
25. すべてPassedなのにWindowsが起動しない場合
Fast Testや主要コンポーネントテストがすべてPassedでも、Windowsが起動しないことはあります。
この場合は次の候補へ進みます。
- Windowsの起動構成
- システムファイル破損
- ドライバー
- Windows Update
- BitLocker
- 診断で再現しない間欠的ハードウェア不良
ハードウェア診断が正常という結果を利用し、OS側へ切り分けを進めます。
26. 診断でFailが出たあとWindowsを初期化しない
メモリ・SSD・マザーボードなどのハードウェアテストでFailが出ている状態では、Windows初期化が根本解決にならない場合があります。
特にSSD/HDD故障なら、初期化・再インストールの書き込み負荷で症状が悪化する可能性があります。
まずFailure IDを保存し、対象部品の修理・交換判断を優先してください。
27. 診断結果を写真で残してから電源を切る
Failure IDは修理相談で必要になることがあります。
診断画面が表示されたら、次の順で保存してください。
- 画面全体を写真に撮る
- Failure IDを文字でも控える
- Product IDを控える
- テスト名を控える
- 必要ならTest Logsも確認する
その後に電源を切ると安心です。
28. 診断ツール自体が起動しない場合
F2を押してもHP PC Hardware Diagnostics UEFIが起動しない場合は、診断結果の見方より先に診断ツールの起動経路を確認します。
SSD交換・診断領域削除後では、完全版Diagnostics UEFIが内蔵ストレージ上にない場合もあります。
その場合は、HP公式のUSB版HP PC Hardware Diagnostics UEFIを作成して診断できます。
診断結果別の基本対応
| 結果 | 優先する対応 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| SMART / DST Failed | データ退避・ストレージ交換判断 | 初期化・長時間テストの反復 |
| Memory Test Failed | メモリ・スロット切り分け | STOPコードだけでOS初期化 |
| Battery Test Failed | バッテリー状態・交換判断 | 膨張バッテリーの使用継続 |
| AC Adapter Test Failed | 正しいACアダプター・給電経路確認 | 規格不明アダプターの流用 |
| System Board / Processor Failed | Failure ID保存・修理相談 | 高負荷テストの反復 |
| すべてPassed | OS・ドライバー・別テストへ | 「故障なし」と断定 |
おすすめの確認順序
- Failedになったテスト名を確認する
- 24桁のFailure IDを保存する
- Product IDを保存する
- 画面全体を写真に撮る
- Test Logsがあれば結果を確認する
- ストレージ系Failなら重要データの退避を優先する
- Memory Test Failedなら交換可能構成か確認する
- Battery Test Failedなら膨張・変形がないか確認する
- AC Adapter Failedなら正しいアダプター・接続を確認する
- Fast TestがPassedでも症状が続く場合は必要に応じてExtensive Testへ進む
- Failが出ている部品へ無意味な長時間テストを繰り返さない
- 保証状況を確認する
- Failure IDとProduct IDを用意してHPサポート・修理へ相談する
よくある質問
Failure IDは何桁ですか?
HP公式の案内では、テスト失敗時に表示されるFailure IDは24桁のコードです。Product IDと一緒に控えてください。
Failure IDをメモし忘れました
HP PC Hardware Diagnostics UEFIのTest Logsに結果が残っている場合があります。メインメニューからTest Logsを確認してください。
Passedと表示されたらその部品は絶対正常ですか?
そのテストでは異常を検出しなかったという意味です。間欠故障やテスト対象外の問題は残る可能性があります。症状が続く場合は別テストやExtensive Test、他部品の切り分けへ進みます。
Fast TestでFailが出ました。Extensive Testも実行すべきですか?
必ずしも必要ではありません。特にストレージ系Failで重要データがある場合は、長時間テストよりデータ退避を優先してください。Failure IDを保存して修理判断へ進みます。
Hard Drive Short DST Check Failedが出ました
SSD/HDD故障を疑う重要な結果です。Windowsが起動できるなら重要データを優先してバックアップし、ストレージ交換を検討してください。初期化・フォーマットを先に行わないでください。
Memory Test Failedが出ました
メモリ周辺の異常を疑います。交換可能なメモリを搭載するPCでは、サービスマニュアルを確認して1枚ずつ切り分けます。オンボードメモリの場合は修理相談を優先してください。
診断でFailが出たのでWindowsを再インストールすれば直りますか?
ハードウェアテストがFailなら、Windows再インストールで直らない可能性が高いです。Failure IDを保存し、対象部品の修理・交換判断を先に行ってください。
Failure IDだけでどの部品を買えばよいか分かりますか?
自己判断で交換部品を決めないでください。テスト名、PC型番、Product ID、症状と合わせてHP公式サポートで確認します。
すべてPassedですが症状が直りません
Windows、ドライバー、BIOS/ファームウェア、間欠的なハードウェア不良などを確認してください。HP公式ではFast Testで問題がなく症状が続く場合にExtensive Testへ進む方法が案内されています。
まとめ
HP PC Hardware Diagnosticsでエラーが出た場合は、テスト名、24桁のFailure ID、Product ID、実際の症状をセットで確認することが重要です。
Failedが出たら画面を閉じる前に写真を撮り、QRコードやTest Logsも利用して情報を保存してください。
ストレージのSMART Check・Short DSTなどがFailedの場合は、長時間テストやWindows再インストールよりデータ保全を優先します。Memory Test Failedの場合はメモリ本体だけでなくスロット・CPU側も含めて切り分けます。
一方、Passedは「そのテストで異常を検出しなかった」という結果であり、PC全体の完全な正常を保証するものではありません。症状が続く場合はExtensive Testや他部品・Windows側へ切り分けを進めます。
Failure IDが出ている場合は、Product ID・PC型番・シリアル番号・症状を用意し、必要に応じてHPサポートや修理業者へ相談してください。
