[記事公開日]2023/05/28
[最終更新日]2025/03/28
💻 0x0000000A IRQL_NOT_LESS_OR_EQUALの原因と対処法|考えられるエラー要因と解決のヒント
💾 概要
「IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL(エラーコード:0x0000000A)」は、Windowsでブルースクリーン(BSOD)が発生した際によく見られるエラーの一つです。これはカーネルモードのドライバやプロセスが、許可されていないメモリアドレスにアクセスしようとした際に発生します。主にドライバ、メモリ、ハードウェアに起因する不具合が原因です。
もくじ
⚠️ よくある原因
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不正または破損したデバイスドライバ
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メモリ(RAM)の物理的な不良
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オーバークロックや電圧設定ミスなどのハードウェア設定の問題
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セキュリティソフトやバックアップソフトの干渉
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Windowsアップデート後の不整合
🔍 エラーの意味
このエラーは、IRQL(Interrupt Request Level) と呼ばれる割り込み優先度のレベルが関係しています。高いIRQLで実行されている処理が、低いIRQLでのみ許可されるメモリアクセスを行った場合、システムは即座に整合性の崩れを検出し、ブルースクリーンを表示してシャットダウンします。
🔎 たとえ話: これは「立ち入り禁止のエリアに、VIP専用パスを持たない人が勝手に入ろうとした」ような状況です。システムでは、各プロセスやドライバがアクセスできる範囲が厳密に決まっており、それを破れば強制的にストップがかかります。
🛠️ 主な対処法
1️⃣ ドライバの更新/削除
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最近インストール・更新したドライバが原因である可能性があります。
- [デバイスマネージャー] → 該当デバイスを右クリック →「ドライバーの更新」
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不明なドライバや問題のあるドライバは削除またはロールバックを検討
2️⃣ メモリ診断の実行
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Windowsメモリ診断ツールを使用:
- [スタート] →「Windows メモリ診断」→「今すぐ再起動してチェック」
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エラーが見つかった場合、RAMの交換を検討
3️⃣ セーフモードでの起動
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セーフモードで起動することで、ドライバや常駐アプリを一時停止して原因を切り分け
- [Shift + 再起動] → [トラブルシューティング] → [詳細オプション] → [スタートアップ設定]
4️⃣ システムの復元や更新プログラムのアンインストール
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エラー発生前の状態に戻すことで改善する場合があります
- [コントロールパネル] → [回復] →「システムの復元」
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更新プログラムは[設定] → [Windows Update] → [更新の履歴を表示]からアンインストール可能
5️⃣ BIOSやファームウェアの更新
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マザーボードやSSDのファームウェアが古い場合、互換性問題を引き起こすことがあります
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メーカー公式サイトで最新版を確認・更新
📌 BIOS更新時のリスクについて:
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BIOS更新は慎重に行う必要があります。電源が途中で切れたり、誤ったファイルを使用すると最悪の場合、PCが起動不能(文鎮化)になります。
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更新作業中は絶対に電源を切らないようにし、ノートPCならバッテリー残量と電源接続を確認してから実行しましょう。
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公式の手順書を事前によく読み、無理せずサポートを頼ることも大切です。
⚠️ 注意事項
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作業前には、必ず重要なデータのバックアップを行ってください。
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メモリやストレージ診断ツールはアクセスを多く行うため、ストレージに物理的な問題がある場合には状態を悪化させる可能性があります。
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特に異音がするHDDや、SMART情報で「注意」「異常」が出ている場合には、診断前にクローンやデータバックアップを優先してください。
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誤ったドライバ削除や更新、BIOS設定の変更はシステムに深刻な影響を与える可能性があります。操作に自信がない場合は専門サポートを活用しましょう。
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セーフモードや復元操作も慎重に。操作ミスや誤選択によって環境復元が失敗する場合もあります。
✅ 予防策
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ドライバは常に公式サイトから入手・更新する
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信頼性の高いメモリやハードウェアを使用する
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Windowsの更新は安定版が出るまで様子を見ることも選択肢
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バックアップと復元ポイントの作成を習慣化する
✅ まとめ
原因 | 対処法の例 |
---|---|
ドライバの不具合 | 更新/削除/ロールバック |
メモリの異常 | Windowsメモリ診断でチェック/RAM交換 |
ハードウェアの不調や相性 | セーフモードやBIOS更新で切り分け |
OSの設定ミスや更新の影響 | システムの復元/更新プログラムのアンインストール |
🔹 IRQL_NOT_LESS_OR_EQUALは、主にメモリやドライバが関係するエラーです。焦らず1つずつ切り分けて対処することが重要です。
➡️ 関連リンク
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「ブルースクリーンが頻発する原因と対処法」
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「メモリエラーが疑われる場合のチェック方法」
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「セーフモードでWindowsを起動する方法」
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