[記事公開日]2023/05/28
[最終更新日]2025/03/28
0x00000018 REFERENCE_BY_POINTERの原因と対処法|考えられるエラー要因と解決のヒント
概要
「REFERENCE_BY_POINTER(エラーコード:0x00000018)」は、Windowsのブルースクリーン(BSOD)の中でも、メモリ管理に関わる深刻な内部エラーです。カーネルモードでのオブジェクト管理処理に異常が発生した場合に起きるエラーで、主にドライバの不具合やメモリ破損、カーネル構造体の参照カウントミスが原因とされます。
もくじ [閉じる]
よくある原因
エラーの意味
REFERENCE_BY_POINTERは、「あるオブジェクトの参照カウント」が誤って扱われたことで発生します。カーネル内部では、オブジェクトが使われているかどうかを「参照カウント(Reference Count)」で管理しており、この管理に失敗すると、解放済みメモリを再利用してしまうなど、重大なメモリエラーが起こり得ます。
たとえ話: これは「すでに退室した人の名前を、まだ会議中として出席リストに残している」ような状況です。本来ならカウントから除外されるべきものを間違って管理し続けると、システムが混乱してしまうのです。
主な対処法
ドライバの更新または削除
-
特にグラフィックドライバやストレージコントローラなどのカーネルドライバをチェック
- [デバイスマネージャー] → 該当デバイス →「ドライバーの更新」または「アンインストール」
メモリ診断の実行
-
Windowsメモリ診断ツールを使用して物理メモリの健全性を確認:
- [スタート] →「Windows メモリ診断」→「今すぐ再起動してチェック」
システムファイルの検査と修復
-
コマンドプロンプト(管理者)で以下を実行:
sfc /scannow DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
不要なセキュリティソフト・ユーティリティを無効化/削除
-
カーネルにフックするタイプのソフトウェアは干渉する可能性があります
ストレージの状態確認(特にSSD)
-
CrystalDiskInfoなどで健康状態やエラー状況を確認
-
異常が見られる場合は速やかにバックアップを取り、交換を検討
注意事項
-
作業の前には必ずバックアップを取ってください。
-
メモリ診断やストレージ検査はハードウェアに負荷をかけるため、故障が疑われる状態では状態を悪化させるリスクがあります。
-
sfcやDISMはシステムに影響を与える操作のため、コマンド入力ミスには要注意です。
-
ドライバの削除やBIOS更新はPCの起動に関わるため、実施には十分な情報と準備が必要です。
予防策
-
不要なドライバやツールはインストールしない
-
メモリやSSDの状態を定期的にチェック
-
Windowsの更新やドライバは信頼できるソースからのみ適用する
-
システムに手を加える前には復元ポイントやバックアップを取る習慣を
まとめ
原因 | 対処法の例 |
---|---|
ドライバのバグ・不整合 | 更新/削除/ロールバック |
メモリの破損 | Windowsメモリ診断でチェック/RAM交換 |
カーネル構造体の不正参照処理 | sfc /scannow や DISMで修復 |
ストレージデバイスの異常 | SMART情報の確認/バックアップと交換検討 |
REFERENCE_BY_POINTERは、システム内部でのリソース管理の不整合により発生します。安定性の低下を防ぐには、早期の点検と対処がカギとなります。
関連リンク
-
「メモリ診断ツールの使い方と注意点」
-
「sfc /scannowとDISMの正しい実行方法」
-
「ドライバの削除・ロールバック手順」
-
「ストレージ異常の早期発見と交換判断基準」
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