[記事公開日]2023/05/29
[最終更新日]2025/03/28
0x00000019 BAD_POOL_HEADERの原因と対処法|考えられるエラー要因と解決のヒント
概要
「BAD_POOL_HEADER(エラーコード:0x00000019)」は、Windowsのブルースクリーン(BSOD)で発生するエラーの一種で、主にメモリ管理(メモリプール)に関する問題を示しています。このエラーは、カーネルモードでのメモリ割り当て処理や解放処理が不正に行われた場合に発生します。
多くの場合、ドライバのバグ、不安定なメモリ、ハードディスクの異常、またはウイルス対策ソフトなどのサードパーティ製ソフトウェアによる干渉が関与しています。
もくじ [閉じる]
よくある原因
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不正なドライバまたはその更新失敗
-
ウイルス対策ソフトやバックアップソフトの干渉
-
メモリ(RAM)の破損や相性不良
-
ストレージデバイスの不調(HDD/SSD)
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Windowsアップデートやシステムファイルの破損
エラーの意味
このエラーで言う「POOL(プール)」とは、Windowsがカーネルモードで動作する際に使用する一時的なメモリ領域(メモリプール)のことです。
BAD_POOL_HEADERは、次のような状況で発生します:
-
割り当て済みのメモリを二重解放した
-
解放されていないメモリを誤って再利用した
-
メモリプール構造自体が破損している
たとえ話: 図書館で本を貸し出すとき、台帳に「この本は貸出中」と記録されます。しかし、誰かが誤ってその本を「未貸出」として棚に戻すと、同じ本が同時に2人に貸し出されてしまうかもしれません。これがBAD_POOL_HEADERのようなエラーで、メモリの管理ミスが起きている状態です。
主な対処法
ドライバの確認と更新
-
特にグラフィック、ネットワーク、ストレージ関連のドライバをチェック
- [デバイスマネージャー] → デバイス →「ドライバーの更新」または「削除/再インストール」
セキュリティソフトやユーティリティの無効化
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常駐型のセキュリティツールがメモリプールを監視・制御してエラーを引き起こすことがあります
-
一時的に無効化して様子を見る、または他のソフトに切り替える
メモリ診断の実行
-
Windowsメモリ診断ツールでRAMを検査:
- [スタート] →「Windows メモリ診断」→「今すぐ再起動してチェック」
-
エラーがあれば、メモリの交換を検討
ストレージ診断と修復
-
コマンドプロンプト(管理者)で次を実行:
chkdsk /f /r
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CrystalDiskInfo等でSMART情報を確認。異常があればバックアップを行い、交換を検討
システムファイル修復
-
システムの整合性を確認するには:
sfc /scannow DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
注意事項
-
chkdskやメモリ診断は、ハードウェアに負荷がかかるため、劣化しているストレージやメモリでは状態が悪化する可能性があります。
-
ドライバのアンインストールや更新は、誤るとシステムが起動できなくなる場合があります。慎重に操作しましょう。
-
作業前には必ずバックアップと復元ポイントの作成を忘れずに。
-
BIOSやファームウェアの更新を行う場合は、停電対策などリスク管理も重要です。
予防策
-
ドライバとOSは公式なアップデート手段のみで管理する
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メモリやストレージの定期点検(SMARTチェック/診断ツール)を行う
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信頼性の高いソフトウェアのみを導入し、不要な常駐アプリは控える
-
トラブル時に備え、日常的にバックアップを取っておく
まとめ
原因 | 対処法の例 |
---|---|
不正なドライバ/互換性不良 | 更新/削除/ロールバック |
メモリ管理の異常 | Windowsメモリ診断/RAM交換 |
ストレージの破損や異常 | chkdsk/SMART確認/ディスク交換 |
サードパーティ製ソフトの干渉 | ソフトの無効化/アンインストール/別製品への切り替え |
BAD_POOL_HEADERは、カーネルモードでのメモリ管理ミスに起因するエラーです。原因を切り分けて丁寧に対処することで、再発を防ぐことができます。
関連リンク
-
「chkdskによるディスクエラーの修復方法」
-
「sfc /scannowとDISMの使い方」
-
「Windowsメモリ診断の実行手順」
-
「ドライバの更新と削除の注意点」
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