💻 0x0000002B PANIC_STACK_SWITCHの原因と対処法｜考えられるエラー要因と解決のヒント｜ブルースクリーン（エラーコードとエラーメッセージ）パソコントラブル解決大事典

［記事公開日］2023/05/29
［最終更新日］2025/03/28

0x0000002B PANIC_STACK_SWITCHの原因と対処法｜考えられるエラー要因と解決のヒント

概要
「PANIC_STACK_SWITCH（エラーコード：0x0000002B）」は、Windowsがブルースクリーン（BSOD）を表示する際に発生するエラーの一つで、カーネルモードからユーザーモードへのスタック切り替え処理中に異常が発生したことを示します。スタック領域の破損、ドライバのバグ、メモリ異常など、低レベルのシステム動作に関わる問題が原因です。

このエラーは比較的稀ですが、重大なカーネル例外の兆候として扱われ、主にハードウェアの不具合やドライバの不整合に起因します。

もくじ [閉じる]

1 よくある原因
2 エラーの意味
3 主な対処法
4 注意事項
5 予防策

よくある原因

ドライバ（特にセキュリティやシステム関連）のバグ
スタック領域の破損（メモリの異常・誤アクセス）
過剰なメモリ使用やオーバーフローによるスタック切り替え失敗
CPUやメモリの不良、またはオーバークロックによる不安定動作
カーネル拡張や低レベルユーティリティソフトによる干渉

エラーの意味

スタックは、プロセスが関数の呼び出しや変数の一時保存などを行うメモリ領域です。PANIC_STACK_SWITCHは、スタックの切り替え処理が失敗した場合、または無効なスタック領域にアクセスした場合に発生します。

たとえ話： これは「仕事の引き継ぎ中に、相手の机がぐちゃぐちゃすぎて何がどこにあるか分からず、引き継ぎ不能になった」ような状態です。システム的には、処理の流れ（関数の実行）が混乱していることを意味します。

主な対処法

ドライバの確認と更新

特にウイルス対策ソフト、仮想化ソフト、システムユーティリティに注意
[デバイスマネージャー] → 各デバイス →「ドライバーの更新」または「削除」

メモリ診断の実施

Windowsメモリ診断ツール：
- [スタート] →「Windows メモリ診断」→「今すぐ再起動してチェック」
異常が見つかればRAMの交換を検討

オーバークロック設定の見直し

BIOSでオーバークロック設定が有効になっている場合、無効化して標準設定に戻す

システムファイルの整合性チェック

管理者権限のコマンドプロンプトで以下を実行：
```
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
```

BIOS・ファームウェアの更新

マザーボードやCPU関連ファームウェアの不整合が影響する場合あり
メーカー公式サイトの手順を確認し、最新版へ更新

注意事項

スタック破損は再現性が低く、症状が断続的に出る場合があります。ログ取得（イベントビューア）やメモリダンプの保存が重要です。
オーバークロックを無効にすると安定性は向上しますが、パフォーマンスは若干低下します。用途に応じて設定を調整してください。
ファームウェアやBIOSの更新作業にはリスクが伴うため、電源確保と正しい手順が不可欠です。
診断作業やアップデートを始める前には、必ずバックアップを取っておきましょう。

予防策

ドライバとファームウェアは公式提供元から入手・更新する
メモリ診断や温度監視ツールでハードウェアの定期チェックを行う
オーバークロックを使用する場合は十分な冷却と検証を行う
システムに変更を加える前にはバックアップと復元ポイントを作成する

まとめ

原因	対処法の例
ドライバの不整合・干渉	更新／削除／競合ソフトの無効化
スタック領域の破損・オーバーフロー	メモリ診断／RAMの交換／メモリ使用状況の見直し
オーバークロック設定	BIOSで標準設定に戻す／温度や電圧の再確認
システムファイルの破損	sfc /scannow／DISM での修復