[記事公開日]2025/06/02
外付けHDDにデータを書き込めない・保存できないときの対処方法
もくじ
はじめに
外付けHDDをパソコンに接続しても、ファイルのコピーや保存ができないケースは少なくありません。読み取りはできるのに書き込みができない場合や、そもそもファイルの作成・編集ができないといった状況は、さまざまな原因によって引き起こされます。
この記事では、外付けHDDにデータを書き込めない、保存できないときに考えられる原因と具体的な対処方法を、できる限り詳しくご紹介します。
🔍 よくある原因とチェックポイント
1️⃣ 書き込み禁止設定(読み取り専用)
状況:HDD自体が読み取り専用モードになっている、またはファイル・フォルダ単位で書き込みが制限されている
対処法:
-
対象フォルダやドライブのプロパティを開き、「読み取り専用」にチェックが入っていれば外す
-
ドライブ全体のアクセス権限を確認し、書き込み許可があるか確認(セキュリティタブで設定)
2️⃣ ディスクのフォーマット形式がNTFS以外(特にexFATやFAT32)
状況:特定のOS(例:MacとWindows)間で外付けHDDを共有している場合や、FAT32では4GB以上のファイルが保存できないなどの制限がある
対処法:
-
Windowsでは「ディスクの管理」からフォーマット形式を確認
-
大きなファイルを保存したい場合はNTFS形式に変換(
convert X: /fs:ntfsで非破壊変換も可能 ※バックアップは推奨) -
Macと共有する場合はexFAT形式が無難だが、OSによっては読み書きに制限がある
3️⃣ アクセス権限の問題
状況:他のパソコンでは書き込めるのに、特定のPCでは保存ができない
対処法:
-
プロパティ→「セキュリティ」タブから「編集」で現在のユーザーに「書き込み」の許可を与える
-
所有者の変更を行い、アクセス制限を解除する
4️⃣ セキュリティソフトによる制限
状況:ファイル操作がブロックされる、もしくはHDD全体が「保護されたデバイス」として認識されている
対処法:
-
一時的にセキュリティソフトを無効化して試す(自己責任)
-
ソフトの設定で「信頼済みデバイス」に登録
5️⃣ USB接続の電力不足や不安定な通信
状況:書き込み途中でフリーズ、転送速度が極端に遅い、書き込みエラーになる
対処法:
-
別のUSBポート(できれば背面)に接続する
-
セルフパワー式のHDDを使用する、またはY字USBケーブルで電力を安定供給
-
USBハブではなくPC本体に直結する
6️⃣ ディスクエラーやセクタ不良
状況:書き込み操作でエラーが出たり、時間がかかりすぎる
対処法:
-
コマンドプロンプトで
chkdsk X: /f /rを実行し、エラーチェックと修復を試みる -
異音がある場合は通電をやめ、専門業者への相談を検討
7️⃣ HDDの空き容量不足
状況:ファイルサイズが大きすぎる、または空き容量がほとんどない状態
対処法:
-
不要なファイルの削除、別のドライブへの移動
-
ごみ箱を空にする、隠しファイル(.Trashなど)の削除
8️⃣ 書き込みキャッシュの不具合
状況:書き込みが一時的にできなくなる、エクスプローラーで応答なしになることがある
対処法:
-
デバイスマネージャーで対象ドライブ→プロパティ→「ポリシー」タブからキャッシュの設定を確認し、「クイック削除」へ変更してみる
🛠️ 書き込みできないときの手順まとめ
-
HDDやフォルダのプロパティで読み取り専用か確認
-
ディスクのフォーマット形式(NTFS・exFATなど)を確認
-
アクセス権限や所有者の確認と変更
-
セキュリティソフトやWindows Defenderの制限確認
-
USBポートやケーブル、電源の見直し
-
エラーチェック(chkdsk)を実行し、セクタ異常をチェック
-
空き容量の確保と整理整頓
-
それでも改善しない場合はデータのバックアップ後、再フォーマットを検討
⚠️ 注意点
-
データの保護を最優先に。chkdskやフォーマットは実行前にバックアップを取ることが重要です
-
電源供給が不安定な場合、書き込みエラーからデータ破損に発展する可能性があります
-
頻繁に同様の不具合が発生するHDDは、早期に交換や専門相談を検討しましょう
✅ まとめ
| 📌 原因 | 🔧 対処法 |
|---|---|
| 書き込み禁止(読み取り専用) | プロパティで設定を解除 |
| フォーマット形式の不一致 | NTFS形式への変換や再フォーマット |
| アクセス権限の不足 | 所有者変更・書き込み許可の付与 |
| セキュリティソフトの干渉 | 信頼済みに設定・一時的に無効化 |
| 電力不足・USB不安定 | ポート変更・セルフパワー使用 |
| セクタ不良 | chkdskで修復・バックアップ検討 |
| 容量不足 | 不要データ削除・整理 |
| 書き込みキャッシュの問題 | ポリシー設定をクイック削除に変更 |
📜 最後に
外付けHDDへの書き込みができないトラブルは、日常的な使用に支障をきたすだけでなく、大切なデータを失うリスクにもつながります。まずは落ち着いて原因を切り分け、一つずつ対処していくことが大切です。
特に、物理的な故障や異音が確認された場合は、通電を止めて無理な操作は控え、専門業者への相談を優先しましょう。大切なデータを守るためにも、トラブルが起きる前に定期的なバックアップを心がけてください。
➡️ 関連リンク
- [HDDのフォーマット形式と互換性の違いについて](【ファイルシステム】)
- [USBポートによる不具合の切り分け方法](【USBトラブル】)
- [セキュリティソフトの影響で書き込みできない場合の設定変更](【セキュリティ設定】)
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