[記事公開日]2025/06/16
[最終更新日]2026/08/14
システムの復元ポイントが作成できない場合の原因と対応策
Windowsの「システムの復元」は、ドライバーやアプリ、Windows設定の変更後にトラブルが起きたとき、システムファイルやレジストリなどを以前の状態へ戻すための復旧機能です。
ところが、復元ポイントを手動で作成しようとしても「復元ポイントを作成できませんでした」と表示されたり、作成ボタンが押せなかったり、途中でエラーになることがあります。
元記事では、主な原因としてシステム保護が無効、Volume Shadow Copy Service(VSS)の問題、ディスク容量不足、セキュリティソフトの干渉、システムファイル破損、レジストリ設定の不整合を挙げていました。
この記事ではその内容を残しつつ、現在のWindows 11/10で安全に確認できるよう、設定確認 → 空き容量 → エラー内容 → VSS → DISM/SFC → Windows修復の順に整理します。
最初に確認:システム保護が有効か
Microsoftの現在の公式手順では、システム保護の設定は「復元ポイントの作成」から確認できます。
- スタートメニューを開く
- 「復元ポイントの作成」と入力する
- 検索結果の「復元ポイントの作成」を開く
- 「システムの保護」タブを確認する
- Windowsが入っているドライブ(通常はCドライブ)を選択する
- 「構成」を選ぶ
- 「システムの保護を有効にする」が選ばれているか確認する
システム保護がオフの場合は、復元ポイントを作成できません。
注意:会社・学校で管理されているPCでは、システムの復元がグループポリシーや管理設定で無効化されている場合があります。設定が灰色で変更できない場合は、レジストリを直接変更せず管理者へ確認してください。
手動で復元ポイントを作成して症状を確認する
システム保護が有効なら、「システムの保護」画面で「作成」を選び、任意の説明を入力して復元ポイントを作成します。
このとき表示されたエラーコードやメッセージを記録してください。
たとえば次の情報が原因切り分けに役立ちます。
- エラーコード
- 作成開始直後に失敗するか
- しばらく進んでから失敗するか
- VSSに関する表示があるか
- 特定のバックアップソフト導入後から発生したか
- Windows Update後から発生したか
システムの復元はファイルバックアップの代わりではない
システムの復元は、個人ファイルを世代管理するためのバックアップ機能ではありません。
Microsoftは、システムの復元について、主にシステムファイル、インストール済みアプリ、Windowsレジストリ、システム設定などを以前の状態へ戻す機能として案内しています。
写真、文書、会計データなど失いたくないファイルは、システムの復元とは別にバックアップしてください。
ディスクの空き容量とシステム保護の使用量を確認する
元記事でも、復元ポイントを保存する容量不足を代表的な原因としていました。
「システムの保護」→対象ドライブ→「構成」では、システム保護が使用できる最大ディスク領域を確認できます。
確認するポイントは次のとおりです。
- Cドライブ自体の空き容量が極端に少なくないか
- システム保護の最大使用量が小さすぎないか
- Windowsが「記憶域不足」と判断する状態になっていないか
Microsoftのシステム保護ページでも、使用する最大ディスク領域をスライダーで設定できることが案内されています。
空き容量を増やす場合は、ごみ箱、一時ファイル、不要なアプリ、大容量のダウンロードファイルなどから整理してください。
System Volume InformationやWinSxSなどWindows管理フォルダーを手動削除しないでください。
現在のWindows 11には別の「Point-in-time restore」がある場合もある
2026年のWindows 11では、環境によって「設定」→「システム」→「回復」に「Point-in-time restore」が表示される場合があります。
これは従来の「システムの復元」と関連する復旧機能ですが、設定画面や保持方式が異なる新しい機能です。
Microsoft Learn:Point-in-time restore for Windows
この記事で扱う「復元ポイントが作成できない」は、主に従来の「システムの保護」から作成するシステム復元ポイントを対象にしています。
Volume Shadow Copy Service(VSS)とは
システムの復元ポイントは、Volume Shadow Copy Service(VSS)の仕組みを利用して作成されます。
MicrosoftはVSSについて、ファイルやシステム状態の一貫したシャドウコピー(スナップショット)を作成するため、アプリケーション、ライター、プロバイダーを調整するWindowsの仕組みと説明しています。
Microsoft Learn:Volume Shadow Copy Service(VSS)
そのため、VSSのライターやストレージに異常があると、システム保護が有効でも復元ポイント作成に失敗する場合があります。
Volume Shadow Copyサービスが「停止中」でも即異常とは限らない
元記事では、services.mscで「Volume Shadow Copy」を起動する方法を紹介していました。
確認自体は有効ですが、サービスが停止中だからといって必ず異常とは限りません。VSSは必要な処理が発生したときに起動する構成があります。
次のような場合に問題を疑います。
- Volume Shadow Copyが「無効」になっている
- 復元ポイント作成時にVSSサービス開始エラーが出る
- VSS関連エラーコードが表示される
- イベントビューアにVSSエラーが繰り返し記録される
「停止中だから自動へ変更する」という対処は必要ありません。
Microsoft Software Shadow Copy Providerも確認する
元記事では「Microsoft Software Shadow Copy Provider」も確認対象としていました。
このサービスもシャドウコピー処理に関係します。
services.mscで存在を確認し、「無効」に変更されていないかを確認してください。
高速化ツールやサービス最適化スクリプトを使用したあとから復元ポイントが作れなくなった場合は、VSS関連サービスを無効化していないか確認します。
vssadminでVSSライターの状態を確認する
復元ポイント作成時にVSSエラーが出る場合は、Windows標準のvssadminでVSSライターを確認できます。
管理者権限のWindows Terminalまたはコマンドプロンプトで次を実行します。
vssadmin list writers
Microsoftの公式コマンド資料でも、vssadmin list writersはシステム上のVSSライター一覧を表示するコマンドとして案内されています。
確認するポイント:
- ライターが一覧表示されるか
- 「State」が安定状態になっているか
- 「Last error」にエラーが残っていないか
エラー状態のライターがある場合は、そのライターに対応するWindowsサービスやアプリを確認します。
シャドウコピー記憶域を確認する
現在のシャドウコピー記憶域の状態を確認する場合は、次のコマンドを利用できます。
vssadmin list shadowstorage
このコマンドは確認用です。
Used、Allocated、Maximumなどの値を見て、記憶域の上限が極端に小さくないか確認できます。
注意:
vssadmin delete shadowsなど既存シャドウコピーを削除するコマンドは、原因確認の最初には実行しないでください。既存の復元ポイントを失う可能性があります。
vssadminの基本は、💽 vssadminコマンドの使い方|ボリュームシャドウコピーの管理とトラブル対処法も参考になります。
イベントビューアでVSSエラーを確認する
復元ポイント作成に失敗した時刻が分かる場合は、イベントビューアも役立ちます。
- スタートボタンを右クリックする
- 「イベント ビューアー」を開く
- 「Windows ログ」→「アプリケーション」を開く
- 復元ポイント作成に失敗した時刻付近を確認する
- VSS、VolSnapなど関連するエラーがないか確認する
イベントIDやエラーコードを記録しておくと、特定のVSSライター、ストレージ、サービスなどに原因を絞りやすくなります。
バックアップソフト・ディスク管理ソフトとの競合を確認する
元記事ではセキュリティソフトや監視ツールの影響を挙げていました。
VSSはシステムの復元だけでなく、バックアップソフトや一部のディスク管理・仮想化ソフトでも使われます。
次のソフトを導入・更新した直後から症状が出た場合は、影響を確認してください。
- バックアップソフト
- ディスククローンソフト
- スナップショット機能を持つソフト
- 仮想化ソフト
- セキュリティ・監視ソフト
- システム最適化・高速化ツール
ただし、原因が分からない段階でセキュリティソフトをアンインストールする必要はありません。
導入直後から明確に症状が始まった場合に、提供元公式の無効化・アンインストール手順を確認してください。
システムファイル破損はDISM→SFCの順で確認する
元記事ではsfc /scannowを案内していましたが、Microsoftの現在の公式手順では、Windowsシステムファイル修復は先にDISM、その後SFCの順で実行します。
管理者権限のWindows Terminalまたはコマンドプロンプトを開きます。
先にDISM
DISM.exe /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
正常に完了したらWindowsを再起動します。
その後SFC
sfc /scannow
Microsoft:DISMとSFCによるシステムファイル修復
DISMがエラーになる場合は、DISM実行中にエラーが出る場合の対処手順を確認してください。
SFCが途中で止まる場合は、SFC /scannowが途中で止まるときの原因と解決法も参考になります。
元記事のDisableSRレジストリ変更は通常手順では行わない
元記事では次のレジストリキーを確認し、DisableSRを変更する方法を紹介していました。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SystemRestore
しかし、現在のWindowsではシステムの復元を無効化する設定がグループポリシーやMDMなど組織管理で適用されている場合があります。
Microsoftも「Turn off System Restore」「Turn off System Restore Configuration」といった管理ポリシーを提供しています。
Microsoft Learn:System Restore policy
そのため、システム保護が管理者によって無効化されている状態でレジストリ値だけを変更するのはおすすめしません。
家庭用PCでも、原因が分からない段階ではレジストリを直接編集せず、システム保護画面、サービス、VSS、DISM/SFCを先に確認してください。
Windows Updateも正常か確認する
Windows Updateの失敗やWindowsコンポーネント破損が同時に起きている場合、システムの復元だけ修復しても改善しないことがあります。
「設定」→「Windows Update」で更新確認が正常に完了するか確認してください。
Windows Update自体が失敗する場合は、Windows Updateが失敗するときのトラブルシューティング方法を先に確認します。
ストレージの異常がないか確認する
VSSはシステムドライブへスナップショット情報を書き込むため、ストレージ側に書き込みエラーやファイルシステム異常があると復元ポイント作成に失敗する場合があります。
次の症状がある場合は、Windows設定だけでなくSSD/HDDを確認してください。
- Cドライブの読み書きが極端に遅い
- ファイルが破損する
- イベントビューアにDisk/Ntfsエラーがある
- SMART警告が出ている
- HDDから異音がする
- Windows Updateやアプリのインストールも失敗する
物理故障が疑われるストレージでは、復元ポイント作成やCHKDSKを繰り返すより、重要データのバックアップを優先してください。
「復元ポイントを作成できない」だけで既存ポイントを削除しない
トラブル対処記事の中には、「古い復元ポイントを全部削除して作り直す」方法が紹介されることがあります。
しかし、既存の復元ポイントがまだ利用できる状態なら、削除すると戻せる選択肢を失います。
まずシステム保護、空き容量、VSSライター、イベントログを確認してください。
Windows 11ならWindowsの修復再インストールも選択肢
システム保護、VSS、DISM、SFC、Windows Updateなど複数のWindows機能に問題がある場合は、個別にレジストリやDLLを修正するより、Windowsそのものを修復したほうが安全なことがあります。
対応するWindows 11では、「設定」→「システム」→「回復」に、Windows Updateを使って現在のWindowsを再インストールする修復機能があります。
Microsoftは、この方法について同じWindowsバージョンを再インストールしながら、アプリ・ファイル・設定を保持してシステムファイルやコンポーネントを修復できると案内しています。
Microsoft:Fix issues by reinstalling the current version of Windows
インストールメディアを使った修復インストール
上記の修復機能が使えない場合でも、Windowsが通常起動できるならMicrosoft公式インストールメディアを使った修復インストール(インプレース再インストール)が選択肢になります。
実行前に次を確認してください。
- 重要データのバックアップ
- BitLocker回復キー
- 十分な空き容量
- Windowsのエディション・言語
- AC電源
復元ポイントが作れないという理由だけで、最初から「このPCをリセットする」やクリーンインストールへ進む必要はありません。
症状別の切り分け早見表
| 症状 | 優先して確認すること |
|---|---|
| 「作成」ボタンが使えない | システム保護、管理ポリシー |
| システム保護がオフ | 対象ドライブで有効化 |
| 保存領域が小さい | 最大使用量・Cドライブ空き容量 |
| 0x80042302などVSS系エラー | VSSサービス、VSSライター、イベントログ |
| バックアップソフト導入後から失敗 | VSS競合、提供元サポート情報 |
| DISM・SFCも失敗 | Windowsコンポーネント破損 |
| Windows Updateも失敗 | 更新コンポーネントの修復 |
| ストレージエラーもある | SSD/HDD状態、バックアップを優先 |
| 複数のWindows標準機能が壊れている | 修復再インストールを検討 |
やってはいけない対処
システム保護が灰色だからレジストリを直接変更する
会社・学校PCでは管理ポリシーの可能性があります。家庭用PCでも先にWindows標準設定とVSSを確認してください。
VSSサービスが停止中だから常時「自動」に固定する
必要時に起動する構成があります。停止中だけで故障とは判断できません。
原因確認前に既存のシャドウコピーを全部削除する
利用可能な復元ポイントを失う可能性があります。
ネット上のVSS再登録バッチを無条件で実行する
多数のDLLやサービス設定を変更するスクリプトは、Windowsのバージョンが合わないと状態を悪化させる可能性があります。
ストレージ故障が疑われる状態で修復処理を繰り返す
重要データのバックアップを優先してください。
復元ポイントをバックアップ代わりにする
個人ファイルの保護は別途バックアップが必要です。
よくある質問
システム保護がオフになっています。異常ですか?
Windowsの構成によっては有効になっていない場合があります。復元ポイントを使いたい場合は、「復元ポイントの作成」→「構成」から対象ドライブのシステム保護を有効にしてください。
Volume Shadow Copyサービスが停止中です
停止中だけなら異常とは限りません。復元ポイント作成時に正常起動できるか、VSSエラーが出ていないかを確認してください。
vssadmin list writersでエラーが出ています
どのVSSライターがエラーか確認し、そのライターに対応するサービス・アプリ・バックアップソフトを調べます。再起動後に状態が戻る場合もあります。
復元ポイント用の容量を増やせば直りますか?
保存領域不足が原因なら改善しますが、VSSエラーやWindowsコンポーネント破損が原因なら容量を増やしても直りません。
DisableSRを0に変更すれば直りますか?
通常の最初の対処としてはおすすめしません。管理ポリシーや別のWindows構成が原因の場合、レジストリ値だけを変更しても正しく直らないことがあります。
復元ポイントを全部削除して作り直すべきですか?
最初にはおすすめしません。既存ポイントが利用できる可能性があるため、先にシステム保護、空き容量、VSS、イベントログを確認してください。
DISMとSFCはどちらを先に実行しますか?
Microsoftの現在の案内では、DISM.exe /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthを先に実行し、その後sfc /scannowを実行します。
復元ポイントが作れなくてもWindowsは使えますか?
通常操作できる場合はありますが、復旧手段が一つ失われた状態です。VSSやWindows Update、ストレージなど別の問題が隠れていないか確認してください。
まとめ
システムの復元ポイントが作成できない場合は、まずシステム保護が有効か、Cドライブの空き容量とシステム保護の使用量が十分かを確認してください。
次に、VSS関連エラーがある場合はvssadmin list writers、vssadmin list shadowstorage、イベントビューアを使って、Volume Shadow Copy Service側の問題を切り分けます。
元記事にあったレジストリのDisableSR直接変更は、現在のWindowsでは管理ポリシーなど別の要因もあるため、通常の対処としては後回しにしてください。
Windowsコンポーネント破損が疑われる場合は、DISM → 再起動 → SFCの順で修復します。Windows Updateや複数のシステム機能まで壊れている場合は、個別のレジストリ修正よりWindowsの修復再インストールを検討したほうが安全です。
