[記事公開日]2025/10/16
🔋 ノートPCでSSDが熱くなる・異音がする原因と対処法
もくじ
💡 はじめに
ノートパソコンのSSDが「触れないほど熱い」「動作中に異音がする」といった症状は、放置すると性能低下やデータ破損につながるおそれがあります。SSD自体は基本的に無音で動作するデバイスですが、内部回路の過熱や電源供給異常が原因で異常な発熱・ノイズが発生するケースもあります。
この記事では、SSDの発熱・異音トラブルが起こる原因を整理し、実際に行うべき確認・対処方法を詳しく解説します。
📘 概要
SSDの過熱や異音の原因は主に以下の6つです。
-
熱がこもる構造(通気口・ヒートシンク不足)
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ファンや放熱部品の劣化
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電源供給異常やVRM(電圧レギュレータ)不調
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SSD内部コントローラの故障
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高負荷動作(Windows更新・バックグラウンド処理)
-
サーマルスロットリング(熱保護による速度制限)
🔍 主な原因
| 原因 | 詳細説明 |
|---|---|
| 放熱不足 | ノートPCは密閉構造のため、SSD周囲に熱がこもりやすい。 |
| ファンの埃詰まり | 排気効率が落ち、SSDやマザーボード全体が高温化。 |
| 電源不安定 | ACアダプタや電源回路の不良によりSSDへ過剰電圧が供給。 |
| コントローラ異常 | SSD基板上のコントローラICが過熱・ノイズを発する場合がある。 |
| サーマルスロットリング | 温度上昇で自動的に速度を下げる安全機構が働く。 |
| 高負荷処理 | Windows Updateやウイルススキャン中に一時的に発熱することもある。 |
🧭 切り分け手順
① 温度を測定する
まずは温度を可視化します。下記ツールでSSD温度を確認:
-
CrystalDiskInfo(フリーソフト)
-
HWiNFO
通常動作時:30〜50℃程度。70℃を超える場合は要注意です。
② 放熱環境を確認
-
ノート底面の吸気口に埃が詰まっていないか。
-
ファンが正常に回転しているかを耳で確認。
-
長時間の使用時は冷却台(ノートクーラー)を利用。
③ 電源とケーブルの確認
-
純正アダプタを使用しているか。
-
電圧が不安定なタップや延長コードを使っていないか。
④ SSDの状態を確認
CrystalDiskInfoで「健康状態」を確認。警告・不良セクタが出ている場合は交換を検討。
⑤ 異音の発生源を特定
SSDから音が出ていると感じても、実際は以下の可能性があります:
-
ファン軸の摩耗
-
電源コイルの共振音
-
スピーカーのノイズ
→ 音の方向を耳で確認し、ファン停止時に変化があるかチェック。
🧰 解決方法
✅ 1. 放熱改善
-
吸気口・排気口を清掃し、埃を除去。
-
ノート底面に放熱パッドまたは冷却台を設置。
-
夏季は冷房環境下での使用を推奨。
✅ 2. ファン・ヒートシンクのメンテナンス
-
長期間使用している場合、内部清掃やグリス塗り直しを実施。
-
ファンの異音がある場合は交換検討。
✅ 3. 電源安定化
-
純正ACアダプタを使用し、電圧不安定な環境を避ける。
-
BIOS更新で電源制御の改善が図られる場合もあります。
✅ 4. SSDのファームウェア更新
-
Samsung Magician、Crucial Storage Executiveなどを使用。
-
発熱・安定性改善のアップデートが提供されていることも。
✅ 5. サーマルスロットリング対策
-
BIOS設定でパフォーマンス優先モードに変更。
-
不要なバックグラウンドアプリを停止。
⚠️ 注意点・リスクについて
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| SSDを冷却しすぎない | 急激な温度変化で結露や内部損傷を起こすおそれ。 |
| ファーム更新中の電源断 | ファームウェア破損によりSSDが認識不能になることがある。 |
| 分解時の静電気 | 内部基板を損傷する危険がある。 |
💡 補足: 発熱の根本原因がコントローラ故障の場合、個人での修復は困難です。
🧠 リスクについて: ファン交換やSSD取り外し作業を誤ると、基板のショートやデータ損失につながることがあります。異常な発熱を放置すると、SSD内のデータが書き込み不能になる可能性もあります。もし作業に不安がある場合は、修理専門店やデータサルベージ業者への相談を検討してください。無理のない範囲で確認を行うことが大切です。
💥 放置するとどうなるか
| 状況 | 想定されるリスク |
|---|---|
| 高温状態を放置 | SSD寿命の短縮、データ破損、起動不良。 |
| ファン不調のまま使用 | 他の部品(CPU・GPU)への熱影響が拡大。 |
| 電源異常を放置 | ショートや焼損の危険性。 |
💡 補足: 温度管理はSSDだけでなく、ノート全体の安定動作にも直結します。
🧾 まとめ
-
SSDが熱くなる原因は放熱不足や電源異常、コントローラ不良など多岐にわたる。
-
温度・電源・ファンを順にチェックし、内部清掃と冷却強化で改善可能。
-
異音がある場合はファンや電源部の劣化を疑い、早めの点検を。
-
作業に不安がある場合は、無理せず専門業者へ依頼することが最も安全です。
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✨ さいごに
ノートPCのSSD発熱や異音は、環境・電源・部品のいずれかに問題があるサインです。放置せず、定期的なメンテナンスや温度チェックを行いましょう。もし異常な高温や焦げたような臭いを感じた場合は、すぐに電源を切り、専門業者に相談してください。早期対応がデータと機器を守る最善策です。
