[記事公開日]2025/10/16
🧾 SSDの寿命を確認する方法と交換の目安
もくじ
💡 はじめに
SSDは高速で静音、信頼性の高いストレージですが、長く使っていると「読み込みが遅い」「保存が反映されない」などの症状が現れ始めます。これは書き込み回数の上限やセルの劣化による寿命のサインかもしれません。
この記事では、SSDの寿命を確認する具体的な方法と、交換を検討すべき目安について詳しく解説します。
📘 概要
SSDの寿命は「使用時間」ではなく、書き込み総量(TBW)やセルの耐久回数によって決まります。主な判断基準は以下の通りです。
-
書き込み総量(TBW)が上限に近い
-
CrystalDiskInfoで「注意」「異常」表示
-
ファイル保存時にエラーが出る
-
Windowsの起動やアプリの動作が極端に遅い
-
データ破損・消失が増えてきた
🔍 寿命確認の方法
① CrystalDiskInfoで健康状態を確認
最も手軽な方法は、フリーソフト「CrystalDiskInfo」を使用することです。
-
「健康状態」が 正常 → 問題なし
-
「注意」や「異常」 → セル劣化や再配置ブロック増加の可能性
また、「総書き込み量(Total Host Writes)」欄も確認し、メーカー公称TBWと比較します。
② SSDメーカー純正ツールの利用
各メーカー公式の診断ソフトで、詳細な寿命指標を確認できます。
| メーカー | ツール名 |
|---|---|
| Samsung | Samsung Magician |
| Crucial | Storage Executive |
| Western Digital | Dashboard |
| Kingston | SSD Manager |
これらのツールでは、残寿命(%)表示やファームウェア更新機能も搭載されています。
③ S.M.A.R.T.情報の確認
S.M.A.R.T.値(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)を確認することで、寿命関連の値を把握できます。
特に重要な項目:
-
Reallocated Sectors Count(代替処理済みセクタ数)
-
Wear Leveling Count(セル書換え回数)
-
Power-On Hours(通電時間)
🧭 寿命の目安
| SSD種別 | 一般的なTBW(目安) | 使用目安期間 |
|---|---|---|
| SATA SSD(250GB) | 約100〜150TBW | 3〜5年程度 |
| NVMe SSD(500GB〜1TB) | 約300〜600TBW | 4〜7年程度 |
| エンタープライズSSD | 1000TBW以上 | 5年以上 |
💡 補足: 書き込み頻度が高い動画編集・監視録画用途では、寿命の消耗が早くなります。
🧰 交換を検討すべきサイン
-
CrystalDiskInfoで「注意」または「異常」表示
-
ファイル保存エラーが頻発
-
OSが突然フリーズ・ブルースクリーンを表示
-
起動時間が急に長くなった
-
SSDの温度が60℃以上で安定しない
これらの症状が出たら、早めのデータバックアップと交換準備を行いましょう。
⚠️ 注意点・リスクについて
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 診断ツールの結果を過信しない | 健康表示が「正常」でも急に故障することがある。 |
| ファーム更新時の電源断 | 更新失敗でSSDが認識されなくなる可能性あり。 |
| 高温環境での使用 | セル劣化を早める。 |
💡 補足: SSDは事前の警告なしに突然故障することがあります。健康状態が「注意」になった時点で、交換を前提にデータをバックアップしておくのが安全です。
🧠 リスクについて: 劣化したSSDを使い続けると、OSが起動しなくなる・データが読めなくなるといったリスクが高まります。データ救出には専門的な設備が必要な場合もあるため、不安を感じた時点で修理店やデータサルベージ業者に相談するのがおすすめです。
💥 放置するとどうなるか
| 状況 | 想定されるリスク |
|---|---|
| 劣化を放置 | OSが起動不能、ファイル破損、データ消失。 |
| 高温環境使用 | コントローラ破損や動作不安定化。 |
| バックアップ未実施 | 故障時に全データ消失の危険。 |
💡 補足: SSDは突然アクセス不能になることがあり、予兆が少ないためこまめなバックアップが最善策です。
🧾 まとめ
-
SSDの寿命は書き込み総量(TBW)とセル劣化で判断。
-
CrystalDiskInfoやメーカー公式ツールで状態を定期確認。
-
注意表示やエラーが出たら即バックアップ。
-
高温・高負荷環境を避け、寿命を延ばす運用を心がける。
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✨ さいごに
SSDの寿命は「いつ壊れるか」ではなく「どれだけ使ったか」で決まります。普段から状態をチェックし、異常の兆候があれば早めに交換・バックアップを行うことが大切です。無理に使い続けず、トラブルを未然に防ぐ意識を持ちましょう。
