[記事公開日]2026/08/17
[最終更新日]2026/08/19
グリス劣化で起きる症状は?塗り直しを判断する目安
CPUグリス(サーマルグリス/熱伝導グリス)が劣化すると、CPU温度が以前より高くなる、ファンが高回転になりやすい、高負荷時に性能が落ちる、といった症状が出ることがあります。
ただし、CPU温度が高い=グリス劣化とは限りません。同じ症状は、通気口のほこり、CPUクーラーの取り付け不良、ファン故障、簡易水冷ポンプの不調、室温上昇、CPU負荷の増加、BIOS設定などでも発生します。
また、「2年経ったら必ず交換」「5年で必ず劣化する」といった全製品共通の交換時期はありません。グリスの種類、CPU温度、使用時間、クーラーの固定状態などで変わるため、使用年数だけではなく、同じ条件で温度が明確に悪化したかを見て判断するのが実用的です。
CPUグリスは何のためにある?
CPUの上面とCPUクーラーの底面は、見た目には平らでも微細な凹凸があります。そのまま接触させると小さな空気層が残り、CPUからヒートシンクへ熱を伝えにくくなります。
CPUグリスは、この微細な隙間を埋めるための熱伝導材です。Intelも、Thermal Interface Material(TIM)はCPUのヒートスプレッダーとファンヒートシンクの間で効率よく熱交換するための材料と説明しています。
つまり、グリス自体がCPUを冷やすのではなく、CPUで発生した熱をクーラーへ伝えやすくする役割があります。
グリス劣化で起きやすい症状
| 症状 | グリス劣化との関係 | 他に確認したい原因 |
|---|---|---|
| 以前よりCPU温度が高い | 熱伝導性能低下で起こる可能性 | 室温、ほこり、負荷、クーラー |
| ファンが頻繁に高速回転する | CPU温度上昇にファンが反応している可能性 | 高CPU負荷、ファンカーブ |
| 高負荷時に性能が落ちる | 温度上限付近で熱保護が働く可能性 | 電力制限、VRM、冷却能力不足 |
| ゲーム・エンコード中だけ落ちる | 冷却不足の一因になる可能性 | 電源、GPU、メモリ、ポンプ |
| アイドル時から温度が高い | 塗布・接触不良の可能性 | クーラー浮き、ポンプ停止、バックグラウンド負荷 |
| クーラー脱着後から急に高温 | 古いグリス再使用・塗布不良の可能性が高い | クーラー固定、CPU_FAN接続 |
1. 「使用年数」だけで塗り直しを決めない
CPUグリスには製品ごとに耐久性の違いがあります。すべてのグリスに共通する「○年で交換」というルールはありません。
たとえばNoctuaは、同社NT-H1/NT-H2についてCPU上での使用期間を最大5年としつつ、5年を過ぎてもCPU温度と室温の差が明確に悪化していなければ、必ずしも交換する必要はないと案内しています。
これはNoctua製品についての目安であり、他社製グリスへそのまま当てはめる数字ではありません。
判断するときは次を重視してください。
- 以前と同じ用途なのにCPU温度が明らかに上がった
- 同じ室温・同じ負荷で温度差が継続的に悪化している
- ファン回転数が以前より高くなった
- 冷却系を清掃しても改善しない
- CPUクーラーを一度取り外した
2. 温度比較は「同じ条件」で行う
グリス劣化を判断するとき、現在のCPU温度だけを見ると誤判断しやすくなります。
たとえば夏の室温30℃と冬の室温20℃では、同じPCでもCPU温度は変わります。ゲームのアップデートやWindowsのバックグラウンド処理によってCPU負荷が変わることもあります。
できるだけ次の条件をそろえて比較してください。
- 同じ室温に近い環境
- 同じアプリ・同じゲーム
- 同じCPU電力設定
- 同じファン設定
- 同じ程度のCPU使用率
可能なら「CPU温度-室温」の差を以前の記録と比較すると、単純な季節変化の影響を減らせます。
3. 数℃の違いだけでグリス劣化と断定しない
CPU温度は、バックグラウンド処理、室温、ファン回転、測定タイミングなどで常に変動します。
測るたびに数℃違う程度では、グリス劣化を断定できません。
「同じ負荷・同じ室温に近い条件で、以前より明らかに温度が高い状態が繰り返し再現する」場合に、冷却系の点検候補としてグリスを考えます。
4. ファンが以前よりうるさくなった場合
CPUグリスの熱伝導性能が悪くなると、同じCPU負荷でもCPU温度が高くなり、マザーボードがファン回転数を上げることがあります。
そのため、「以前は静かだったのに、最近はブラウザや動画再生だけでもCPUファンが高回転になる」という変化は、冷却性能低下のサインの1つです。
ただし、ファンが全開になる原因はグリスだけではありません。
CPUファンが常に全開で回るときの原因と確認ポイントで、CPU負荷・温度・通気・ファン制御も確認してください。
5. 高負荷時の性能低下も確認する
CPU温度が上限付近まで上がると、CPUは温度を抑えるため動作周波数や消費電力を下げる場合があります。
その結果、以前と同じゲームや処理でも次のような変化が出ることがあります。
- 長時間使うと性能が落ちる
- ゲーム開始直後は速いが、しばらくするとフレームレートが低下する
- 動画エンコード後半で処理速度が落ちる
- CPUクロックが温度上昇と同時に下がる
これらはサーマルスロットリングの可能性がありますが、電力制限やメーカー独自の制御でもクロックは下がるため、CPU温度と合わせて判断してください。
6. 突然のシャットダウンはグリスだけに決めつけない
冷却不良が深刻になると、高負荷時にCPU温度が上昇し、保護動作によって電源断や再起動が起こる可能性があります。
IntelもTIMが適切に適用されていない場合、CPUが過熱したり効率が落ちたり、シャットダウンしたりする可能性があると案内しています。
ただし、高負荷時の突然の電源断は電源ユニット、ACアダプター、GPU、メモリなどでも起こります。
高負荷時だけ落ちる場合は、高負荷でだけPCが落ちる場合にCPU温度と電源を切り分ける方法を参考にしてください。
7. 先に「ほこり」と通気を確認する
CPU温度が高くなったとき、グリス塗り直しより先に確認したいのが通気とほこりです。
ヒートシンクのフィンや吸気口にほこりが詰まれば、グリスが正常でも冷却性能は下がります。
- 吸気口が詰まっていないか
- 排気口から風が出ているか
- ケース内ファンが回っているか
- ヒートシンクにほこりが詰まっていないか
清掃だけで温度が戻れば、CPUクーラーを外してグリスを塗り直す必要はありません。
パソコン内部のほこりと安全な清掃については、パソコン内部のほこりは故障原因になる?掃除の目安と注意点も参考になります。
8. CPUファン・ポンプが正常か確認する
グリスを塗り直しても、CPUファンが回っていない、簡易水冷ポンプが止まっている場合は冷却できません。
CPU温度が高い場合は、先に次を確認してください。
- CPUファンが実際に回っているか
- CPU Fan RPMが取得できるか
- CPU温度上昇に合わせてファン回転が上がるか
- 簡易水冷ならPump RPMが0になっていないか
CPU温度が高いのにファン回転数が上がらない場合は、CPU温度が高いのにファン回転数が上がらないときの確認方法を確認してください。
9. CPUクーラーの固定不良はグリス劣化より影響が大きいことがある
CPUクーラーが浮いていると、グリスが新品でもCPUとクーラーが十分に接触せず、CPU温度が大きく上がることがあります。
特に次の直後から高温になった場合は、グリス劣化より取り付け状態を疑います。
- CPU交換
- CPUクーラー交換
- PC内部清掃
- マザーボード交換
- グリス塗り直し
プッシュピンの固定不足、ネジの締め方、バックプレートのずれなどを、CPUクーラーとマザーボードの公式手順に従って確認してください。
10. CPUクーラーを外したらグリスは塗り直す
Intelは、CPUまたはファンヒートシンクを再取り付けするときはTIMを交換することを目安として案内しており、使用済みTIMの上へ新しいTIMを足さないよう説明しています。
AMDもCPUクーラーを再取り付けする場合は、CPU上面とクーラー底面から古いグリスを除去してから、新しいグリスを適用するよう案内しています。
つまり、CPUクーラーを一度しっかり取り外した場合は、見た目がきれいでも古いグリスをそのまま再使用せず、清掃して塗り直すのが基本です。
11. 古いグリスの上へ継ぎ足さない
グリスが減っているように見えても、古いグリスの上へ新しいグリスを足す方法は避けてください。
Intelは、使用済みTIMを完全に除去し、新しいTIMへ交換するよう案内しています。
古いグリスと新しいグリスが混ざると、均一に広がらなかったり、異物や空気が入りやすくなったりして、安定した熱伝導を得られない可能性があります。
12. 見た目が乾いているだけで交換時期を断定しない
CPUクーラーを外したとき、グリスが乾いて見える、ひび割れて見えることがあります。
ただし、グリスは製品によって硬さや経年変化の仕方が違います。見た目だけで「劣化していた」と断定するより、取り外す前の温度変化や冷却性能と合わせて判断する方が確実です。
一方、クーラーをすでに取り外したのであれば、その時点で古いグリスは除去し、新しいグリスへ交換します。
13. グリスの塗り過ぎ・不足にも注意する
グリスは多ければ多いほど冷えるわけではありません。
Intelは、グリスを多すぎたり少なすぎたりすると熱伝導が悪化する可能性があると案内しています。AMDも過剰なグリスがCPUの端から流れ、ソケット側へ達するのは望ましくなく、損傷につながる可能性があると注意しています。
塗布方法はCPUの形状、グリス製品、CPUクーラーによって推奨が異なります。
- Intelの一部公式手順ではCPU中央への塗布
- AMDのAM4クーラー公式手順ではXパターン
- グリスメーカーがCPU別の塗布方法を指定している場合もある
万能の塗り方を決めつけず、使用するCPUクーラー・CPU・グリスメーカーの手順を優先してください。
14. 新品クーラーにグリスが塗布済みなら追加しない
CPUクーラーの底面に、工場出荷時からグリスが塗布されている製品があります。
IntelとAMDはいずれも、クーラーへTIM/グリスがあらかじめ塗られている場合は、CPU側へ追加で塗る必要はないと案内しています。
塗布済みグリスの上へさらに別のグリスを足すと、量が過剰になる可能性があります。
15. 塗り直す前に必要なものを準備する
デスクトップPCでCPUグリスを塗り直す場合は、作業を始める前に必要なものをそろえてください。
- CPU用熱伝導グリス
- 毛羽立ちにくい布・ワイプ
- 必要に応じてイソプロピルアルコール
- CPUクーラーに適したドライバー
- CPUクーラー・マザーボードのマニュアル
IntelとAMDはいずれも古いグリスを清掃する方法として、イソプロピルアルコールを利用する手順を案内しています。Noctuaは、同社グリスでは乾いた毛羽立ちにくい布での清掃も可能で、より丁寧に清掃する場合にイソプロピルアルコールを使用できるとしています。
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CPUクーラーを取り外してグリスを塗り直す場合:
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一般的なメンテナンスでは、導電性が低く扱いやすいCPU用グリスが安全です。液体金属など特殊な熱伝導材は、対応するクーラー素材や絶縁処理を理解していない場合は使用しないでください。
16. CPUクーラーを外す前の安全確認
CPUクーラーを外す作業は、Windowsをシャットダウンし、電源を切って電源ケーブルを外してから行います。
AMDは、長期間電源を切っていたシステムでは古いグリスが硬くなり、CPUクーラーがCPUへ強く貼り付いている場合があると案内しています。
取り外しが必要なAMD環境では、メーカー手順に従い、必要であれば作業前に短時間PCを動作させてグリスを温め、その後完全にシャットダウン・電源遮断してから作業します。
注意:クーラーが固着している状態で真上へ強く引き抜くと、CPUごと抜けたりソケットを傷めたりする可能性があります。特にPGAタイプのCPUでは、AMDの公式手順どおり軽く左右へひねって密着を緩めてから外してください。
17. 古いグリスを完全に除去する
CPUクーラーを外したら、CPU上面とクーラー底面に残った古いグリスを清掃します。
- 大きく残っているグリスを毛羽立ちにくい布で優しく拭く
- 必要に応じてイソプロピルアルコールを布へ少量含ませる
- CPU上面とクーラー底面をきれいにする
- アルコールを使用した場合は完全に乾かす
- ほこりや繊維が残っていないことを確認する
Intelは、CPU上面のIHSに油分、ほこり、異物が残らないようにすることを案内しています。
CPUソケット内や基板上へ液体を直接かけないでください。
18. 新しいグリスをメーカー指定量で塗る
清掃が終わったら、新しいグリスを適量塗布します。
製品によって推奨量・塗布パターンが異なるため、グリスメーカーやCPUクーラーの説明書に従ってください。
重要なのは次の点です。
- 古いグリスの上へ重ねない
- 必要以上に大量に塗らない
- 極端に少なくしない
- ごみ・毛・指の油を混入させない
- 塗布済みクーラーなら追加しない
19. CPUクーラーは均等に固定する
新しいグリスを塗っても、CPUクーラーが傾いて固定されると十分に冷えません。
ネジ式クーラーでは、一般的に対角線上のネジを少しずつ締めて、圧力が偏らないよう固定します。AMDのスプリングネジ式クーラー手順でも、対角線上に少しずつ締める方法が案内されています。
締め付けトルクや停止位置はクーラーごとに異なります。必要以上に強く締めないでください。
固定後はCPUファンのケーブルをCPU_FAN端子など、クーラーメーカー・マザーボードメーカーが指定する端子へ戻します。
20. 塗り直した直後はアイドル温度から確認する
組み直したら、最初から長時間のストレステストを行わず、まずBIOS/UEFIやWindows起動直後の温度を確認します。
次のような異常があれば、すぐシャットダウンしてください。
- CPU温度が短時間で急上昇する
- CPUファンが回っていない
- AIOポンプが0 RPM
- アイドル状態でも型番ごとの上限温度付近へ近づく
塗り直し前より大幅に温度が悪化した場合は、グリス量より先にCPUクーラーの固定・CPU_FAN・ポンプ接続を確認してください。
21. 塗り直し後の効果は同じ条件で比較する
塗り直し前後で効果を確認するなら、同じ室温・同じ負荷・同じファン設定に近い状態で比較します。
確認項目は次のとおりです。
- アイドル時のCPU温度
- 同じアプリ使用時のCPU温度
- CPUファン回転数
- CPUクロック・性能低下の有無
温度が改善すれば、グリスまたはクーラー再固定が冷却性能に影響していた可能性があります。
変化がなければ、グリス以外の原因を確認してください。
22. 塗り直しても温度が高い場合
新品グリスへ交換してもCPU温度が高い場合は、次を確認します。
- CPUクーラーが正しく固定されているか
- クーラーの保護フィルムを剥がしているか
- CPUファン回転数が上がるか
- ヒートシンクがほこりで詰まっていないか
- 簡易水冷ポンプが動いているか
- CPUに対してクーラーの冷却能力が足りているか
- BIOSでCPU電力制限や電圧設定を変更していないか
IntelもCPU高温時の確認項目として、TIMだけでなくクーラー、エアフロー、BIOS設定など複数の要因を挙げています。
23. ノートPCは「普通のCPUグリス」とは限らない
ノートPCでは、CPU・GPUに通常のグリスだけでなく、サーマルパッド、サーマルパテ、液体金属などが使われている機種があります。
とくに液体金属は電気を通すため、基板上へ漏れるとショートの危険があります。ASUSは液体金属を採用したゲーミングノートについて、導電性があり、ユーザー自身で冷却モジュールを分解することを推奨しないと案内しています。
ノートPCでは「古そうだから普通のCPUグリスへ交換」と自己判断しないでください。
本体型番からメーカーのサービスマニュアルを確認し、使用されている熱伝導材と交換手順が分からない場合はメーカー修理・専門業者を検討してください。
24. GPUグリスも同じ考え方だが分解難度が高い
グラフィックボードにもGPUとヒートシンクの間に熱伝導材が使われています。
ただしGPUクーラーを外すと、GPU本体だけでなくVRAMやVRM上のサーマルパッドも同時に外れる製品があります。パッドの厚みが変わるとGPUクーラーの接触が悪化することがあります。
GPU温度が高いという理由だけで、CPUグリスと同じ感覚で分解するのは避けてください。
25. 「高性能グリスへ変えれば必ず大幅に冷える」とは限らない
グリスの性能差はありますが、CPU温度はグリスだけで決まりません。
- CPUクーラーの能力
- クーラーの固定圧
- ケースエアフロー
- ファン回転数
- CPU消費電力
- 室温
これらがボトルネックなら、高価なグリスへ変えても期待したほど温度が下がらない場合があります。
まず現在の冷却系が正常に取り付けられていることを確認してください。
塗り直しを検討しやすいケース
- CPUクーラーを取り外した
- 同条件でCPU温度が以前より明確に上昇した
- 清掃・ファン確認でも温度が改善しない
- 長期間使用し、温度差の悪化が確認できる
- クーラー再装着後から温度が悪化した
- 古いグリスが汚れ・異物で汚染された
塗り直しを急がなくてもよいケース
- CPU温度が以前とほぼ変わらない
- 高負荷時でもCPU仕様の範囲内で安定している
- ファン音・性能に変化がない
- 単に「数年経った」という理由だけ
- ほこり清掃だけで温度が元に戻った
すぐ使用を止めた方がよい症状
- CPU温度が上限付近へ急上昇する
- CPUファンが回っていない
- AIOポンプが停止している
- 焦げ臭い・煙が出る
- 高温によるシャットダウンを繰り返す
この状態では「グリスが原因か確認するため」に高負荷テストを続けないでください。まず冷却装置の接続・固定・動作を確認します。
おすすめの判断順序
- CPU型番とメーカー仕様の温度上限を確認する
- 同じ負荷・室温条件で以前より温度が悪化したか確認する
- CPU使用率とファン回転数を確認する
- 吸気口・排気口・ヒートシンクのほこりを確認する
- CPUファン・AIOポンプが正常に動いているか確認する
- CPUクーラーの固定不良がないか確認する
- クーラーを外していないなら、グリス交換が本当に必要か判断する
- クーラーを外す場合は古いグリスを完全に清掃する
- メーカー指定方法で新しいグリスを適量塗る
- クーラーを均等に固定しCPU_FAN/ポンプ接続を確認する
- 組み直し後はアイドル温度から確認する
- 同じ条件で塗り直し前後を比較する
よくある質問
CPUグリスは何年ごとに交換すればよいですか?
全製品共通の交換年数はありません。製品の耐久性や使用条件で変わります。たとえばNoctua NT-H1/NT-H2はCPU上で最大5年の使用期間を示していますが、5年を過ぎても温度差の悪化がなければ交換不要としています。使用しているグリスメーカーの情報と実際の温度変化で判断してください。
グリスがカピカピなら必ず劣化していますか?
見た目だけでは冷却性能を正確に判断できません。ただし、クーラーを外してグリスを確認した時点で、再装着時には古いグリスを清掃して新しいものへ交換するのが基本です。
CPU温度が高いので、とりあえずグリスを塗り直してよいですか?
先にCPU負荷、ほこり、CPUファン、クーラー固定、簡易水冷ポンプを確認してください。グリス以外が原因なら、塗り直しても改善しません。
古いグリスの上から新しいグリスを足してもよいですか?
おすすめしません。Intelは使用済みTIMを除去し、新しいTIMへ交換するよう案内しています。継ぎ足しではなくCPU上面とクーラー底面を清掃してから再塗布してください。
グリスは多い方が冷えますか?
多すぎても少なすぎてもよくありません。Intelは量が不適切だと熱伝導が悪くなる可能性を案内しており、AMDは過剰なグリスがCPU外へ流れることにも注意しています。使用製品の指定量・塗り方に従ってください。
新品CPUクーラーにグリスが付いています。追加で塗るべきですか?
あらかじめTIM/グリスが塗布されているクーラーなら、通常は追加不要です。Intel・AMDとも、プレアプライ済みの場合は追加しない手順を案内しています。
ノートPCも定期的にグリス交換した方がよいですか?
一律にはおすすめできません。ノートPCは液体金属、サーマルパッド、専用パテなどを使う機種があり、分解難度も高いです。温度悪化が確認できた場合でも、まず本体型番からメーカーのサービス情報を確認してください。
グリスを塗り直したのに温度が下がりません
CPUクーラーの固定、CPUファン、ヒートシンクのほこり、簡易水冷ポンプ、ケース内エアフロー、CPU電力設定を確認してください。グリスだけがCPU温度を決めるわけではありません。
まとめ
CPUグリスの塗り直しは、「何年使ったか」だけではなく、同じ条件でCPU温度が明確に悪化しているかを基準に判断するのがおすすめです。
CPU温度上昇、ファン高回転、サーマルスロットリング、高負荷時の不安定さはグリス劣化でも起こり得ますが、ほこり、ファン、クーラー固定、簡易水冷ポンプ、室温などでも同じ症状が出ます。
CPUクーラーを一度取り外した場合は、Intel・AMDの公式手順に沿って古いグリスを除去し、新しいグリスを適量塗って再装着してください。古いグリスへの継ぎ足しや、プレアプライ済みクーラーへの追加塗布は避けます。
ノートPCでは液体金属など特殊な熱伝導材を採用する機種があるため、普通のCPUグリスへ自己判断で置き換えず、機種固有のメーカー手順を確認することが重要です。
