[記事公開日]2023/09/08
[最終更新日]2025/10/13
⚠️ DELL エラーコード:2000-0137の原因と解決法|メモリ通信障害・整合性エラーの正しい対処手順
もくじ
はじめに 💡
DELL製パソコンの診断ツール(ePSA:Enhanced Pre-boot System Assessment)で「エラーコード:2000-0137」が表示された場合、それはメモリ(RAM)間の通信やデータ整合性の異常を意味します。通常、このエラーはメモリ同士またはメモリとマザーボード間のデータ転送時に不整合が発生したときに報告されます。
単なる接触不良や一時的なエラーのこともありますが、メモリモジュールやスロットの劣化、異なる規格の混在、さらにはマザーボード側の電気的異常など、複数の要因が考えられます。本記事では「2000-0137」エラーの原因・検証方法・修復手順・再発防止策を紹介します。
概要 📝
-
⚠️ 「2000-0137」はメモリ通信時のデータ不整合を検出したエラー
-
🧠 メモリ間の同期不良、接触不良、規格不一致が主な原因
-
🔍 ePSA診断・スロット検証・BIOS確認で切り分け可能
-
✅ 清掃・交換・構成見直し・BIOS更新で多くのケースが改善
エラーコード「2000-0137」とは? 🔍
このエラーは、DELLの診断ツール「ePSA」がメモリテスト中にデータの送信と受信内容が一致しない場合に発生します。つまり、メモリのどこかで正確な情報がやり取りできていない状態です。
💬 表示例
Error Code: 2000-0137
Validation: XXXX
Memory – Data integrity error between DIMM modules
この表示が出た場合、複数のメモリを搭載しているシステムでのデータ整合性テスト失敗を意味します。1枚構成のPCでも、メモリとマザーボード間の通信異常で発生することがあります。
主な原因 ⚙️
1️⃣ メモリモジュールの物理的故障
-
チップ内部のデータ保持セルの損傷
-
経年劣化や高温環境での長期使用による不安定化
-
静電気・衝撃などでの微細な破損
2️⃣ メモリスロットの接触不良
-
スロット内のホコリや酸化膜による導通不良
-
スロットピンの曲がり・緩み・腐食
-
メモリが中途半端に挿入されている
3️⃣ メモリ規格・クロックの不一致
-
DDR4 2400MHzと2666MHzの混在など、周波数差によるエラー
-
電圧仕様の違い(例:1.2Vと1.35V)
-
タイミング設定(CL値)の異なるメモリを併用
4️⃣ BIOSまたはファームウェアの不整合
-
古いBIOSが新しいメモリ規格を正しく認識できない
-
自動設定(Auto)モードで誤検出
5️⃣ マザーボードや電源の不安定動作
-
メモリコントローラ内蔵チップの不具合
-
電源ユニットの出力低下
-
電圧変動による通信不安定化
切り分け手順 🛠️
🔧 ① メモリの抜き差し・清掃
-
電源を完全に切り、ACケーブル・バッテリーを外す。
-
静電気を除去し、メモリを慎重に取り外す。
-
端子部分をクロスで軽く拭き、スロット内をブロワーで清掃。
-
1枚ずつ差し直して、確実に「カチッ」と装着する。
🔧 ② 単体構成での検証
-
2枚以上のメモリを使用している場合、1枚ずつテストを実施。
-
ePSA診断を実行し、どのモジュールでエラーが出るか確認。
→ 特定のメモリのみで再現 → メモリ故障の可能性大。
→ 特定のスロットで再現 → マザーボード側の問題を疑う。
🔧 ③ メモリ構成の見直し
-
同一メーカー・同一容量・同一クロックで統一。
-
混在環境を避け、できれば同一ロット品で揃える。
🔧 ④ BIOS設定の確認と初期化
-
BIOSを起動(F2キー連打)。
-
「Load Defaults」または「Restore Defaults」を実行し保存。
-
再起動後、ePSAを再実行して再検証。
🔧 ⑤ 別PCでの動作テスト
-
該当メモリを別のPCに取り付けて正常動作するか確認。
-
問題がなければ、元のPC側(スロット・マザーボード)の問題。
解決方法 ✅
💾 方法①:メモリ交換
-
同規格・同メーカーの新品メモリに交換。
-
DELL推奨ブランド(Crucial、Samsung、Kingstonなど)を使用。
🧰 方法②:スロット清掃・修理
-
接点クリーナーを使って端子を軽く清掃。
-
物理損傷がある場合はマザーボード交換が必要。
⚙️ 方法③:BIOSアップデート
-
DELL公式サイトから最新BIOSを適用。
-
メモリ互換性が改善され、通信エラーが解消することがある。
🔌 方法④:電源ユニット・アダプタの点検
-
電源供給が不安定な場合、メモリ通信に影響が出る。
-
ノートPCではACアダプタを純正品に交換。
🧠 方法⑤:メモリ設定を標準化
-
XMP(オーバークロック)設定を無効化。
-
メモリクロック・電圧・タイミングを自動認識(Auto)に戻す。
注意点 ⚠️
-
作業時は静電気対策を徹底する(アースバンド推奨)。
-
メモリはスロットの向きを確認して確実に装着する。
-
BIOS更新中は電源を絶対に切らない。
放置するとどうなるか ⛔
| 状況 | リスク |
|---|---|
| メモリエラーを放置 | 頻繁なブルースクリーン・データ破損 |
| 異規格メモリの併用を放置 | 起動不能・再起動ループ |
| スロット不良を放置 | 完全な認識不能・ハードウェア損傷 |
まとめ 📊
-
「2000-0137」はメモリ通信時のデータ整合性異常を示すエラー
-
主な原因はメモリ劣化・規格不一致・スロット不良・電源不安定
-
抜き差し・単体検証・BIOS更新で多くのケースが解決可能
-
同一規格メモリの使用と安定した電源供給が再発防止に重要
関連記事 🔗
-
💻 DELL エラーコード2000-0135の原因と解決法
-
🧰 メモリ増設後に認識されないときの確認手順
-
⚙️ DELL ePSA診断で出るメモリエラーの違いを徹底解説
-
🪛 BIOSリセットとハードウェアトラブルの関係
➡️ 同カテゴリ記事リスト
- DELLパソコンが起動時に「Operating System Not Found」と表示される原因と対処方法
- DELLパソコンが起動時に「No Boot Device Found」と表示される原因
- BIOS画面で「SupportAssist Pre-Boot System Performance Check」エラーが出たときの対応方法
- ⚠️ DELL エラーコード:2000-0512の原因と解決法|システムファン異常・排気ファン制御エラーの対処法
- ⚠️ DELL エラーコード:2000-0511の原因と解決法|CPUファンエラー・冷却異常の対処法
- ⚠️ DELL エラーコード:2000-0156の原因と解決法|ハードディスクの自己診断テスト中断・応答異常の対処法
- ⚠️ DELL エラーコード:2000-0152の原因と解決法|ハードディスク検出エラーの正しい対処手順
- ⚠️ DELL エラーコード:2000-0151の原因と解決法|ハードディスク故障のサインを見逃さない
- ⚠️ DELL エラーコード:2000-0150の原因と解決法|ハードディスク認識エラー・接続異常の対処法
- ⚠️ DELL エラーコード:2000-0149の原因と解決法|ハードディスクの長期エラーログ異常と対処法
さいごに ✨
「2000-0137」エラーは、メモリ関連エラーの中でも通信異常やデータ不整合に起因するものです。焦らずに一つずつ切り分けを行えば、問題を特定できることがほとんどです。改善しない場合は、マザーボードのメモリスロットや電源ラインの故障も考慮し、早めに専門修理店へ相談するのが安全です。
