[記事公開日]2025/03/21
[最終更新日]2026/08/14
📏 印刷物に線が入る原因とその解決方法は?
印刷物に縦線・横線・白い筋・黒い筋・一定間隔の汚れが入る場合、原因はプリンターの方式や「どの操作で線が出るか」によって異なります。
元記事では、主な原因としてプリントヘッドの目詰まり、ドラム・感光体の汚れや劣化、トナー・インクの状態、用紙の湿気、プリンタードライバーや印刷設定を挙げていました。これらは現在でも重要な確認項目です。
ただし、最初からドラムを拭いたりドライバーを入れ直したりするより、プリンター本体のテスト印刷・コピー・スキャンを比較して、線がどの段階で発生しているかを切り分けるほうが安全で確実です。
最初に確認:どの操作で線が入るか
| 症状 | 優先して確認する場所 |
|---|---|
| PCからの印刷でも本体テストでも線が入る | プリンター本体、インク/トナー、ヘッド、ドラムなど |
| PCからの印刷だけ線が入る | アプリ、ドライバー、印刷設定、元データ |
| コピーでも同じ位置に線が入る | 印刷機構またはスキャナー読み取り部 |
| ADFコピーだけ縦線、原稿台コピーは正常 | ADFの細い読み取りガラス・白色部 |
| コピー/スキャンだけ線が入り、PC印刷は正常 | 原稿台ガラス、ADF読み取り部、スキャナー側 |
| 毎ページほぼ同じ位置・間隔に線や点が出る | ローラー、ドラム、感光体、定着・転写系など |
この比較だけで、Windows側を触る必要があるのか、プリンター本体を確認すべきなのかを大きく絞り込めます。
インクジェットとレーザーでは確認箇所が違う
インクジェットプリンターとレーザープリンターでは、印刷方式が異なるため対処も異なります。
インクジェットで多い原因
- ノズルの目詰まり
- プリントヘッド位置のずれ
- インク供給不良
- 用紙と印刷設定の不一致
- 用紙搬送部やプラテンの汚れ
レーザーで多い原因
- トナーの状態
- ドラム/感光体の汚れ・傷・劣化
- コロナワイヤーの汚れ(搭載機種)
- 転写・定着系の汚れや劣化
- 用紙の湿気・規格不一致
以下では方式別に確認します。
インクジェット:まずノズルチェックを印刷する
インクジェットで白い筋や色抜けの線が入る場合は、最初にノズルチェックパターンを印刷してください。
キヤノンは、白紙・かすれ・色の異常・白い筋が入る場合、ノズルチェックパターンでどの色が正常に出ていないか確認するよう案内しています。
Canon:印刷結果が白紙/かすれる/色がおかしい場合のノズルチェック
エプソンも、印刷結果に筋が入る、色合いがおかしい場合にノズルチェックとヘッドクリーニングを案内しています。
ノズルチェックにも欠け・線がある場合
PCやアプリの設定より、ノズル・インク供給・プリントヘッド側を優先して確認します。
ノズルチェックは正常な場合
ノズル詰まり以外の可能性が高くなるため、プリントヘッド位置、用紙設定、元データ、ドライバーなどへ進みます。
ヘッドクリーニングはメーカー指定回数を守る
元記事では「2〜3回繰り返す」としていましたが、現在の記事では固定回数を指定しません。
プリンターによって、通常クリーニング、強力クリーニング、一定時間待ってから再確認する手順などが異なるためです。
メーカーの機種別手順に従い、ノズルチェックとクリーニングを必要な範囲で行ってください。
注意:ヘッドクリーニングを何度も連続実行すると、大量のインクを消費し、メンテナンスボックスや廃インク吸収体の消耗を早める場合があります。改善しないまま繰り返さないでください。
ノズルは正常なのに線・文字がずれる場合はヘッド位置調整
ノズルチェックは正常なのに、罫線がずれる、文字が二重に見える、一定の横筋が出る場合は、プリントヘッドの位置ずれが関係することがあります。
キヤノンは、プリントヘッド位置調整によって色や線のずれを補正できる機種を案内しています。
Canon:罫線がずれる/文字が二重になる場合のプリントヘッド位置調整
エプソンも、ノズルチェック後に、ぼやけ・ずれなどがある場合はギャップ調整/プリントヘッド位置調整を案内しています。
調整方法は機種によって異なるため、プリンター本体メニューまたはメーカー純正ユーティリティーの手順を確認してください。
横方向に等間隔の筋が出る場合
インクジェットで横方向に一定間隔の筋が出る場合は、次を確認します。
- ノズルチェック
- プリントヘッド位置・ギャップ調整
- 印刷品質設定
- 用紙種類設定
- 用紙が反っていないか
エプソンでは、一部機種で「横スジの改善」を含むプリントヘッド位置調整機能が案内されています。
インク・カートリッジの状態を確認する
元記事のとおり、インク残量やカートリッジ装着状態も確認します。
- インク切れ・残量少の警告がないか
- 交換直後から線が出始めていないか
- カートリッジ認識エラーがないか
- 保護テープ・キャップの外し忘れがないか
- プリンター型番に適合した消耗品か
特定色だけ線や欠けが出る場合は、🎨 特定の色だけ印刷されない場合の原因は何ですか?も参考になります。
用紙種類と印刷設定を一致させる
普通紙、写真用紙、厚紙などでは、プリンターが使うインク量や紙送りの制御が変わります。
実際にセットしている用紙とプリンタードライバーの用紙種類が一致しているか確認してください。
Microsoftも、印刷品質が悪い場合は用紙の状態、用紙種類、プリンター設定、ドライバーなどを確認するよう案内しています。
Microsoft:Fix poor print quality in Windows
反り・湿気・傷がある用紙は新しい用紙へ交換して比較します。
印刷面にインク汚れの線が付く場合
「白い抜け筋」ではなく、用紙表面へインクがこすれたような線が付く場合は、ノズル詰まり以外を疑います。
- 用紙が反ってプリントヘッドへ接触している
- 厚紙なのに普通紙設定になっている
- プリンター内部のプラテン・搬送部にインクが付着している
- 両面印刷で裏面が乾く前に搬送されている
内部清掃は機種ごとのメーカー手順に従ってください。プリントヘッド周辺をティッシュや布で直接こするのは避けます。
レーザープリンター:線の向きと繰り返し方を確認する
レーザープリンターでは、線の位置・方向・周期が原因特定の手掛かりになります。
縦線・縦の汚れが出る
トナー、ドラム/感光体、コロナワイヤー、レーザー光路、防塵ガラスなどが候補になります。
同じ間隔で点・線・汚れが繰り返す
回転するドラム、ローラー、定着器などの同じ場所に汚れ・傷がある可能性があります。
白い縦筋が出る
トナー供給、ドラム、コロナワイヤー、光学系などを確認します。
ただし、搭載部品は機種によって異なるため、型番ごとの印刷品質トラブル手順を優先してください。
ドラム・感光体は自己流で拭かない
元記事では「ドラムユニットを取り出し、柔らかい布で優しく汚れを拭く」としていましたが、これは機種によっては不適切です。
感光ドラムは傷つきやすく、清掃方法はメーカー・機種ごとに異なります。
Brotherの一部機種では、ドラムチェックシートで汚れ位置を確認し、指定箇所を乾いた綿棒でやさしく清掃する方法を案内しています。同時に、尖った物や液体で感光ドラムを清掃しないよう注意しています。
重要:ドラム表面を布・ティッシュ・アルコール・洗剤などで自己流に拭かないでください。メーカーが指定する清掃方法だけを行ってください。
コロナワイヤーがある機種はメーカー手順で清掃する
レーザープリンターの一部には、ドラムユニットにコロナワイヤー清掃用のスライダーが付いています。
Brotherは、縦線や汚れが入る場合に、対応機種でコロナワイヤーを清掃する手順を案内しています。
清掃後はスライダーを元の定位置へ確実に戻してください。機種によって構造が違うため、同じ名称の部品が見当たらない場合は無理に探したり分解したりしないでください。
トナーはメーカー手順に従って扱う
元記事では「トナーを振って均等にする」としていましたが、トナーの取り扱い方法は製品によって異なります。
残量が少ないときにカートリッジを左右へ軽く振る手順を案内する製品もありますが、振り方・回数・交換判断はメーカー説明書に従ってください。
トナー漏れがある、カートリッジが破損している、内部に大量のトナーが散っている場合は、家庭用掃除機でむやみに吸い込まず、メーカーの清掃・修理手順を確認してください。
レーザープリンター内部は高温になる
レーザープリンターの定着器周辺は印刷直後に高温になります。
注意:内部の紙詰まりや汚れを確認するときは、電源を切り、取扱説明書に従って十分に冷ましてから作業してください。定着器を直接触らないでください。
コピーだけ線が入る場合はスキャナー側を確認する
元記事では「コピーでも同じ線が出る」をプリンター本体故障の目安としていましたが、複合機では読み取り部の汚れでもコピーへ線が入ります。
キヤノンは、コピーやスキャンで筋が入る場合、まずPCからの印刷を確認し、印刷が正常なら原稿台ガラスやADFを清掃するよう案内しています。
Brotherも、コピーの黒い線や筋は読み取り部、原稿台ガラス、白色部などの汚れで発生することがあると案内しています。
ADFコピーだけ縦線が出る場合
自動原稿送り装置(ADF)を使ったコピー・スキャンだけに細い縦線が出て、原稿台ガラスへ置いたコピーでは正常な場合、ADFの細い読み取りガラスに汚れが付いている可能性が高くなります。
修正液、ボールペン汚れ、紙粉、ホコリなど、小さな汚れでも原稿全体へ長い線として読み取られます。
メーカーの手順に従い、細い読み取りガラスと白色部を清掃してください。
Brotherの機種別手順では、水を含ませて固く絞った柔らかい布で読み取り部を清掃し、可燃性スプレーや有機溶剤を使用しないよう案内しています。
PCからの印刷だけ線が入る場合
プリンター本体のノズルチェック/テストページやコピーは正常なのに、特定のPC・アプリからだけ線が入る場合は、Windows側を確認します。
次を比較してください。
- 同じファイルを別アプリで印刷する
- 別の簡単な文書を印刷する
- 別PCから同じプリンターへ印刷する
- プリンタードライバーの設定を標準へ戻す
- メーカー純正ドライバーの対応状況を確認する
線が元の画像データにも含まれている場合は、プリンター側を清掃しても消えません。
プリンタードライバーは本体テストが正常な場合に確認する
Microsoftは印刷品質の問題で、プリンター本体と用紙を確認した後、別アプリでのテスト、印刷設定、プリンタードライバー更新などを案内しています。
ドライバーを更新する場合は、Windows Updateまたはプリンターメーカー公式サイトを利用してください。
特定のWindows Update後から症状が始まった場合は、最新ドライバーだけでなく、プリンターメーカーの既知問題・更新情報も確認します。
「高品質」にすれば線が消えるとは限らない
元記事では解像度を「標準」または「高品質」にする方法を案内していました。
高品質モードで紙送りやヘッド走査が変わり、見え方が改善する場合はありますが、ノズル詰まりやドラム傷など物理的な原因は直りません。
まず本体テストで線が出るかを確認し、設定変更は本体側が正常な場合に行ってください。
同じ位置に線が出続ける場合
毎回ほぼ同じ位置へ同じ太さの線が出る場合は、ランダムなソフトウェア不具合より、プリンター内部の特定箇所の汚れ・傷・読み取り部の汚れを疑いやすくなります。
切り分け例:
- ADFコピーだけ同じ位置 → ADF読み取りガラス
- インクジェットのノズルチェックでも同じ欠け → ノズル/ヘッド
- レーザーで一定周期の点・線 → ドラム/ローラー/定着系
- 特定のPDFだけ同じ位置 → 元データ/アプリ
用紙を替えて比較する
湿気た用紙、表面が荒い用紙、プリンター非対応の厚紙などは、インクのにじみ、こすれ、トナー定着不良を起こす場合があります。
新しいメーカー推奨の普通紙で同じ線が出るか確認してください。
普通紙では正常、特定の写真用紙・厚紙だけ異常なら、プリンター故障より用紙対応・用紙種類設定を先に確認します。
消耗品交換は型番を確認してから
インク、トナー、ドラムなどは互換性が重要です。
購入前に必ず次を確認してください。
- プリンター本体型番
- 消耗品型番
- インク/トナー/ドラムの区別
- カラー名
- メーカー指定の交換対象部品か
「線が出た」という理由だけでドラムやヘッドを交換すると、原因が用紙・読み取りガラス・設定だった場合は改善しません。
修理を検討したほうがよいケース
- メーカー指定のヘッドクリーニングでもノズル欠けが直らない
- ノズル正常・位置調整済みでも同じ線が出る
- レーザーでドラム・コロナワイヤー等の指定清掃後も同じ位置へ線が出る
- ドラム/感光体に傷が確認できる
- 定着器や転写系の異常が疑われる
- コピー・本体テストでも線が出続ける
- ADFガラス清掃後もADFだけ同じ線が出る
- プリンター内部から異音・焦げ臭いにおいがする
焦げ臭いにおい、煙、異常発熱がある場合は使用を中止し、電源を切ってメーカーや修理業者へ相談してください。
症状別の切り分け早見表
| 症状 | 優先して確認すること |
|---|---|
| 白い横筋・色抜け | インクジェットのノズルチェック |
| 罫線がずれる・文字が二重 | プリントヘッド位置調整 |
| 用紙にインクがこすれた線 | 用紙反り、用紙種類、プラテン・搬送部 |
| レーザーで縦線 | トナー、ドラム、コロナワイヤー、光学系 |
| レーザーで等間隔の汚れ | ドラム、ローラー、定着系 |
| ADFコピーだけ縦線 | ADF読み取りガラス |
| コピー/スキャンだけ線、PC印刷は正常 | スキャナー読み取り部 |
| 特定アプリだけ線が出る | 元データ、アプリ、ドライバー設定 |
やってはいけない対処
インクジェットのヘッドクリーニングを何十回も連続実行する
大量のインクを消費します。メーカーの機種別手順・規定回数を守ってください。
感光ドラムを布や薬品で自己流に拭く
感光体を傷つける可能性があります。メーカー指定の方法だけを使用してください。
レーザープリンター内部を印刷直後に触る
定着器周辺が高温になっている場合があります。
コピーに線があるだけでドラムを交換する
ADFや原稿台ガラスの汚れでもコピーへ線が入ります。PC印刷との比較を先に行ってください。
本体テストでも線が出るのにWindowsを初期化する
プリンター本体・消耗品側の問題ならWindows初期化では直りません。
型番不明のインク・トナー・ドラムを購入する
必ずプリンター型番と消耗品型番を照合してください。
よくある質問
印刷物に白い横線が入ります
インクジェットなら最初にノズルチェックを印刷してください。ノズルチェックにも同じ欠けがあれば、メーカー指定のヘッドクリーニングへ進みます。
ノズルチェックは正常なのに横線が出ます
プリントヘッド位置・ギャップ調整、用紙種類、印刷品質、用紙の反りを確認してください。
レーザープリンターで黒い縦線が入ります
ドラム、コロナワイヤー、トナー、光学系などが候補です。プリンター型番ごとのメーカー清掃手順を確認し、感光ドラムを自己流で拭かないでください。
同じ間隔で黒い点や線が繰り返されます
回転部品の同じ場所に汚れや傷がある可能性があります。ドラム、ローラー、定着器などをメーカーの診断手順で確認してください。
コピーすると縦線が入りますが、PCからの印刷は正常です
プリンターの印刷機構より、原稿台ガラスやADF読み取り部の汚れを疑います。ADFコピーだけ異常なら細い読み取りガラスを優先してください。
ドライバーを入れ直せば直りますか?
プリンター本体のテスト印刷でも線が出る場合、ドライバー再インストールで改善する可能性は低いです。本体テストが正常で、特定PC・アプリだけ異常な場合にドライバーを確認してください。
用紙を替える意味はありますか?
あります。湿気、反り、表面加工、厚さが原因で、こすれ・トナー定着不良・インクにじみが起こる場合があります。新しい推奨普通紙で比較してください。
まとめ
印刷物に線が入る場合は、最初にプリンター本体のテスト印刷、PCからの印刷、コピー、ADFコピーを比較して、どの段階で線が発生しているかを確認してください。
インクジェットでは、ノズルチェック → メーカー指定のヘッドクリーニング → 必要に応じてプリントヘッド位置調整 → 用紙・設定確認の順で進めます。
レーザープリンターでは、トナー、ドラム/感光体、コロナワイヤー、転写・定着系などを確認しますが、元記事のように感光体を一律に布で拭くのではなく、必ず機種メーカーの清掃手順に従ってください。
また、コピーやスキャンだけ線が入る場合は、プリンターの印刷機構ではなく原稿台ガラスやADF読み取り部の汚れが原因になることがあります。特にADFだけ縦線が出る場合は、細い読み取りガラスの清掃が重要です。
