［記事公開日］2025/09/12
［最終更新日］2025/10/10
💻 引っ越し後にPCの電源は入るのに画面が映らないときの完全対処ガイド（デスクトップ／ノート対応）
もくじ
はじめに
引っ越し直後、PCの電源は入るのに 画面に何も表示されない／「信号がありません」 と出てスリープしてしまう――現場で非常に多い相談です。輸送時の振動や配線の組み直しで、接触不良・誤接続・設定初期化 が起こりやすく、原因は1つではありません。本ガイドは、5分で試せる最短手順→詳細な切り分け→ハード対処→注意点 の順に、引っ越し直後に特有の落とし穴まで含めて“限界まで詳しく”まとめました。
📝 概要（まず全体像）
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画面が映らないトラブルは、大きく (A) モニター側、(B) ケーブル／ポート、(C) 映像出力（GPU/内蔵）、(D) 内部パーツ接触、(E) 電源/BIOS のいずれか。
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引っ越し直後は 配線差し違い・ケーブル損傷・ボード/メモリの浮き が特に多い。
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「ファンは回るが無表示」 は GPU・メモリ・電源・BIOS設定 に焦点。ビープ音やマザボの診断LED がヒント。
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まずは 別モニター/別ケーブル/別ポート で信号の有無を確かめ、最小構成 に落として原因箇所を特定します。
📖 症状の特徴（パターン別）
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モニターに 「HDMI/DP 信号がありません」 と表示 → PC側から映像が出ていないか、入力切替違い。
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しばらく真っ黒のままスリープ → GPU/メモリの接触不良、内蔵/外部出力の取り違えなど。
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電源ON後に ビープ音／マザボの VGA/DRAM/CPU/BOOT LED が点灯 → POST（自己診断）で停止。
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NumLockが反応／Windowsログイン音が鳴るのに画面だけ真っ黒 → 出力先や解像度の不一致、ケーブル/モニター側の問題が濃厚。
✅ まず試す「最短5分の3ステップ」
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モニターの入力を合わせる
OSDメニューで HDMI/DisplayPort/DVI を正しく選択。自動切替をOFF→手動指定に。 -
別ケーブル／別ポートで試す
可能なら HDMI⇄DP を入れ替え。DPはラッチ付きで抜けかけが多い。アダプター類は一旦外す。 -
出力の接続先を正す
外部GPU搭載機は マザーボード側ではなくGPU側の端子 に接続。内蔵GPUでの起動確認も有効。
→ ここで映れば 配線/入力の問題。映らなければ 内部/電源/BIOS を掘ります。
🛠 詳細な対処手順（デスクトップPC）
1) モニター側チェック（最初にやる）
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電源ランプ、明るさ・コントラスト、エコ/省電力 設定を確認。OSD「工場出荷時リセット」も有効。
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別のPCやゲーム機でモニターに映るか試し、モニター故障を切り分け。
2) ケーブル・変換器の見直し
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HDMI/DPケーブルを交換（2m以下・認証品推奨）。軟弱なケーブルは内部断線が多い。
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DP→HDMI 変換アダプターは相性が出やすい。まず 純正に近い直結 を試す。
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Mini‑DPやラッチ付きDP は半差しに注意。カチッと奥まで差し込む。
3) 出力先の取り違えを正す
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外部GPUがある場合：GPU側の端子 を使う。マザボ側は無効化されて映らないことがある。
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外部GPUを一旦外し、内蔵GPU（CPU内蔵グラフィックス）で映るか検証 → 映るならGPUまたはその電源が疑い。
4) メモリ（DRAM）の接触不良を疑う
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電源ケーブルを抜き、静電気対策後、メモリを1枚ずつ挿し替え（A2→B2…）して起動テスト。
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端子をクリーニング（消しゴムは避け、エアダスター・無水エタノール等）。
5) グラフィックボードの再装着・補助電源
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GPUを抜き差しして固定。PCIe補助電源（6/8ピン） を確実に挿す。分岐ケーブルのたるみ、延長の接触不良に注意。
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別の映像端子（HDMI/DP）で確認。特定ポートのみ死んでいる ことも。
6) 電源ユニット（PSU）と配線
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24ピンATX・CPU補助電源8ピン の挿し込みを再確認。輸送で半抜けになりがち。
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古い/廉価PSUは突入電流に弱く不安定化することあり。異音・焦げ臭・電圧降下があれば交換検討。
7) BIOS/UEFIの初期化（CMOSクリア）
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ACコードを抜き、電源ボタン長押し10秒→放電。
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マザボの CLR_CMOSジャンパ または ボタン電池を5分外す→戻す。
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初期化後は 内蔵/外部GPU優先度 や セキュアブート などを必要に応じて再設定。
8) 最小構成でPOST確認
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CPU＋クーラー／1枚のメモリ／（必要なら）GPU／PSU のみで起動。ストレージや拡張カードは外す。
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マザボの 診断LED/POSTコード/ビープ を確認（意味はマニュアル参照）。
9) それでも映らないとき
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別PSU でのクロステスト、別GPU／別メモリ で切り分け。
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マザボのスタンドオフ位置ズレ（裏面ショート）や、I/Oシールドの金属爪干渉も点検。
🧳 ノートPC特有のポイント
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表示切替（Fn＋F7/F8など）：外部/内部ディスプレイのトグルが押しっぱなしになっていないか。
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外部モニターで起動確認：
Windowsキー＋Pで表示モード（拡張/複製/PC画面のみ）を切替。 -
強制電源リセット：電源OFF→電源ボタン長押し30秒。内蔵バッテリー機種はリセット穴がある場合も。
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輸送で 液晶パネルのeDPケーブルが緩む ことあり。保証内なら分解せず修理依頼を推奨。
🔎 OSが起動しているかの見極め（黒画面でも）
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NumLock LED がON/OFFで切り替わるか。
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USBに挿したメモリのアクセスLED が点滅するか。
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起動音/ログイン音が聞こえるか。聞こえるなら出力先の問題の可能性大。
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同一LAN内から RDP/共有 で反応があるか（上級）。
🧪 文字でわかるトラブルシューティング・フロー
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別モニター/別ケーブル/別ポートで 映る？ → Yes: 元のケーブル/モニター不良。No → 2へ。
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GPU側端子 に接続？ → Yes: 3へ。No: 接続を修正。
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内蔵GPU で映る？ → Yes: GPUまたはその電源が原因。No → 4へ。
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メモリ1枚起動 で映る？ → Yes: メモリ/スロットの問題。No → 5へ。
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CMOSクリア 後も無表示？ → Yes: PSU/マザボ故障の疑い。No: 設定の問題。
⚠️ 注意点（安全第一）
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作業前に ACケーブルを抜き、ケースや金属に触れて 静電気を逃がす。
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無理な力でコネクタをこじらない。特にDPのラッチ解除を忘れない。
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BIOS更新は“映ってから”。無表示状態での更新は失敗リスクが高い。
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水濡れ・落下痕・PCBの反り がある場合は自己分解せず修理へ。
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データ救出が必要なら、ストレージは触らず 映像系の切り分けに専念（誤って初期化しない）。
⚠️ 放置するとどうなる？
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 作業停止が長期化 | 簡単な接触不良でも業務・学習が止まる |
| 二次故障 | 半差しの補助電源やショートで他部品を破損 |
| 保証失効 | 無理な分解で保証対象外に |
📊 まとめ（要点早見表）
| 症状 | まずやる | 次にやる |
|---|---|---|
| 「信号がありません」 | 入力切替を手動指定、別ケーブル/別ポート | GPU側端子へ、内蔵GPUで検証 |
| ファンは回るが完全無表示 | メモリ1枚起動、GPU抜き差し/補助電源確認 | CMOSクリア、最小構成→診断LED/ビープ確認 |
| ログイン音はするが真っ黒 | 出力先/解像度不一致を疑う、別モニター | ドライバ再インストール（表示後に） |
| ノートで暗転のまま | Fn＋表示切替、外部出力テスト | 強制電源リセット、eDPケーブル（要修理） |
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さいごに
引っ越し直後の無表示は、配線の見直しと最小構成で解決することがほとんどです。上から順に落ち着いて確認すれば、無駄なパーツ交換や再インストールを避けられます。どうしても映らない、または 電源・煙・異臭 がある場合は使用を中止し、専門業者へ相談してください。
