[記事公開日]2026/08/17
Windows 11でサインインオプションが一部表示されない原因と対処法
Windows 11の「設定」→「アカウント」→「サインイン オプション」を開いたとき、以前はあったはずの「パスワード」「顔認証」「指紋認証」「PIN」などが一部表示されないことがあります。
また、設定画面には項目があるのに、ロック画面・サインイン画面の「サインイン オプション」では一部の方法だけ出てこないケースもあります。
この症状は、Windowsの故障とは限りません。Microsoftアカウント向けのWindows Hello専用設定、PCが搭載するカメラ・指紋センサー、Enhanced Sign-in Security(ESS)、ドライバー、職場・学校の管理ポリシー、現在のアカウント種類などによって、表示されるサインイン方法が変わります。
Microsoft公式も、Windows 11のサインインオプションについて「利用できる一部の設定はデバイス構成によって異なる」と案内しています。
先に結論:まず「何が表示されないのか」を特定してください。パスワードだけ消えた場合は「MicrosoftアカウントにWindows Helloサインインのみを許可する」設定を確認します。顔認証・指紋認証が消えた場合は、対応ハードウェア、ドライバー、Windows Update、ESSを確認します。会社・学校PCではWindows Hello for Businessや組織ポリシーによって表示が制限されることがあるため、レジストリやグループポリシーを自己判断で変更しないでください。
最初に確認:どのサインインオプションが表示されない?
| 表示されない項目 | 優先して確認すること |
|---|---|
| パスワード | Windows Helloのみ許可する設定、組織のPasswordlessポリシー |
| 顔認証 | Hello対応カメラ、ドライバー、ESS、Windows Update |
| 指紋認証 | 指紋センサー、ドライバー、ESS、Windows Update |
| PIN | Windows Hello設定、PIN登録状態、組織ポリシー |
| セキュリティキー・パスキー関連 | 対応方式、アカウント、Windowsバージョン、組織設定 |
| 設定画面にはあるがログイン画面にはない | そのユーザーで現在利用可能な資格情報か確認 |
1. Windows 11で通常確認する場所
Windows 11では、サインイン方法を次の場所から確認します。
設定
→ アカウント
→ サインイン オプション
Microsoft公式では、Windows Helloとして主に次の方法を案内しています。
- 顔認識(Windows Hello)
- 指紋認識(Windows Hello)
- PIN(Windows Hello)
また、物理セキュリティキーなど、環境に応じた別のサインイン方法も利用できます。
ただし、Microsoftは表示される設定はPCの構成によって異なると明記しています。別のPCと表示項目が違うだけで異常とは限りません。
2. 「設定画面にない」のか「ログイン画面にない」のかを分ける
同じ「表示されない」でも、確認場所によって意味が違います。
設定画面に項目そのものがない場合
ハードウェア非対応、ドライバー未認識、組織ポリシー、Windowsの機能状態などを確認します。
設定画面にはあるがログイン画面の候補に出ない場合
そのユーザーでまだ設定していない、その時点で利用できない、組織ポリシーで資格情報プロバイダーが制限されている、といった原因を確認します。
まずスクリーンショットやメモで「どの画面で、何が見えないか」を残しておくと切り分けやすくなります。
3. パスワードだけ表示されない場合はWindows Hello専用設定を確認する
個人のMicrosoftアカウントを使用しているWindows 11では、次の設定があります。
設定
→ アカウント
→ サインイン オプション
→ 追加の設定
→ セキュリティ向上のため、このデバイスではMicrosoftアカウントにWindows Helloサインインのみを許可する
Microsoft公式では、この設定を有効にするとMicrosoftアカウントでパスワードを使うサインインが無効になり、Windows Helloを使う構成になると案内しています。
そのため、ロック画面でパスワードのアイコンが見当たらない場合でも、故障ではなく設定どおりの可能性があります。
4. Windows Hello専用設定を変更する前にPINで入れることを確認する
パスワードを表示させるために設定を変更したい場合でも、まず現在のPINで正常にWindowsへ入れることを確認してください。
PINまで使えなくなっている場合は、設定変更より先にサインイン復旧を優先します。
Windows 11で「このサインインオプションは無効です」と表示される場合は、Windows 11で「このサインインオプションは無効です」と出る場合の対処法も確認してください。
5. PINとパスワードは同じものではない
Windows Hello PINは、Microsoftアカウントのパスワードとは別のサインイン情報です。
| 項目 | 主な役割 |
|---|---|
| Windows Hello PIN | そのWindowsデバイスへのサインイン |
| Microsoftアカウントのパスワード | Microsoftのオンラインアカウント |
| 顔認証・指紋認証 | Windows Helloの生体認証 |
パスワードのアイコンが消えたからといってMicrosoftアカウントのパスワード自体が削除されたわけではありません。
6. ローカルアカウントでは表示条件が違う
「MicrosoftアカウントにWindows Helloサインインのみを許可する」という設定は、Microsoftアカウント向けの設定です。
ローカルアカウントでは、Microsoftアカウントと同じ条件で表示されるとは限りません。
そのため、ネット上の別PCの画面と比較する前に、現在のユーザーが:
- Microsoftアカウント
- ローカルアカウント
- 職場・学校アカウント
のどれなのか確認してください。
7. 顔認証が表示されない場合は「Hello対応カメラ」か確認する
一般的なWebカメラが付いているだけでは、Windows Helloの顔認証を利用できるとは限りません。
Microsoft公式では、顔認証でサインインするにはWindows Hello対応カメラが必要とされています。
確認するポイント:
- PCメーカー仕様にWindows Hello顔認証対応と記載されているか
- 赤外線カメラ等のHello対応センサーを搭載しているか
- 以前は顔認証を利用できていたか
もともと非対応のPCなら、設定項目が表示されないこと自体は異常ではありません。
8. 指紋認証が表示されない場合はセンサー有無を確認する
Microsoft公式では、Windows Hello指紋認証を利用するには指紋リーダーが必要とされています。
ノートPCでは、電源ボタンやパームレストに指紋リーダーが一体化されていることがあります。
確認:
- メーカー仕様に指紋認証対応とあるか
- 指紋センサー付きモデルか
- 同じシリーズでもセンサー非搭載モデルではないか
- USB外付け指紋リーダーを取り外していないか
同じPCシリーズでも構成によって生体センサーの有無が違うため、型番まで確認します。
9. 「以前はあったのに消えた」ならドライバー認識を確認する
顔認証・指紋認証を以前使えていたのに、突然サインインオプションから消えた場合は、Windowsが生体センサーを正しく認識していない可能性があります。
MicrosoftのWindows Helloトラブル資料でも、指紋認証問題でデバイスドライバーの更新確認が案内されています。
まず次を確認します。
設定
→ Windows Update
→ 更新プログラムのチェック
Windows Updateに:
- ドライバー更新
- メーカー提供更新
- 再起動待ち
がないか確認します。
10. デバイスマネージャーで削除する前に状態確認をする
生体認証が消えた場合、デバイスマネージャーでカメラ・生体認証デバイス等の状態を見ることは切り分けに役立ちます。
ただし、最初からドライバーを削除する必要はありません。
先に確認:
- デバイス自体が一覧にあるか
- 黄色い警告マークがないか
- 無効化されていないか
- PCメーカーのWindows 11対応ドライバーがあるか
「とりあえずデバイスを削除」すると、適切なドライバーが自動で戻らず、症状を増やす場合があります。
11. PCメーカーのドライバー・ファームウェアも確認する
Windows Updateだけでなく、Dell、HP、Lenovo、NEC、富士通などPCメーカーがWindows Hello対応カメラ・指紋センサーのドライバーやファームウェアを提供している場合があります。
特に:
- Windows大型更新後
- BIOS更新後
- カメラ・指紋デバイスのドライバー更新後
- PC初期化後
に消えた場合は、正確な型番でメーカー公式サポートを確認してください。
12. 顔認証だけ不調ならカメラ側の問題も確認する
Windows Hello顔認証はカメラデバイスに依存します。
Windows自体がカメラを認識していない場合、Hello顔認証も正常に利用できません。
確認する項目:
- カメラがデバイスマネージャーに表示されるか
- メーカーのプライバシーシャッターが閉じていないか
- カメラ無効化キー・物理スイッチがOFFではないか
- Windows Update後から消えていないか
「カメラアプリで映る=必ずWindows Hello顔認証対応」とは限らない点に注意してください。
13. 指紋認証だけ消えた場合は指紋センサー側を優先する
PINは正常、顔認証も表示されるが、指紋認証だけない場合は、Windows全体のアカウント設定より指紋センサー・ドライバー側を優先します。
確認:
- デバイスマネージャーで生体認証デバイスが見えるか
- ドライバー更新後に消えたか
- BIOS/UEFIで指紋デバイスを無効化していないか
- USB指紋リーダーなら別USBポートでも認識するか
BIOS/UEFI設定変更は、メーカー資料で該当設定の意味を確認できる場合だけ行ってください。
14. Windows 11 24H2以降はEnhanced Sign-in Securityも確認する
Windows 11では、対応ハードウェアでEnhanced Sign-in Security(ESS)というWindows Helloの保護機能が利用されます。
Microsoft公式では、Windows 11 version 24H2以降の対応PCで:
設定
→ アカウント
→ サインイン オプション
→ 追加の設定
→ Enhanced sign-in security
からESSの状態を確認できる構成があると案内しています。
ESSを有効にしている場合、対応していない外付けWindows Helloカメラ・指紋リーダーがサインインに使えないことがあります。
15. 外付けカメラ・指紋リーダーだけ使えない場合はESSとの相性を確認する
内蔵の顔認証・指紋認証は使えるのに、外付けUSBカメラや指紋リーダーだけWindows Helloに出てこない場合は、ESSの条件を確認します。
Microsoft公式では、ESSが有効な場合、非ESS対応のWindows Hello周辺機器はサインインへ利用できないと説明しています。
一方で、Teamsなど通常のアプリではカメラとして使える場合があります。
つまり:
- Teamsではカメラが映る
- Windows Hello顔認証には出ない
という状態でも、カメラ故障とは限りません。
16. ESSを無効にする前にセキュリティ上の意味を理解する
Microsoftは、ESSが生体認証データを専用のハードウェア・ソフトウェア構成で保護する追加のセキュリティ機能であると説明しています。
外付け機器を使うためにESSを無効化できるPCもありますが、セキュリティ機能を下げる変更です。
まず次を検討してください。
- ESS対応の外付け指紋リーダー・カメラか確認する
- 内蔵Windows Helloセンサーを利用できないか確認する
- 組織PCなら管理者ポリシーを確認する
「表示させるためだけ」に安全機能を安易に無効化する必要はありません。
17. PCによってESSの設定自体が表示されないこともある
Microsoft公式では、ESS設定は対応センサーやPC構成によって表示が異なると案内しています。
そのため「別PCにはEnhanced sign-in securityがあるのに自分のPCにはない」というだけで異常とは判断できません。
また、Windowsのバージョンによって外付けカメラ・指紋リーダー関連の表示名も異なります。
18. Windows 11 23H2と24H2以降で表示が違う場合がある
MicrosoftのESS公式資料では、Windows 11 version 23H2と24H2以降で設定画面の案内が分けられています。
そのため、古い解説記事や別PCのスクリーンショットと自分の設定画面が一致しない場合があります。
まず現在のWindowsバージョンを確認します。
Windowsキー + R
→ winver
→ Enter
表示されたバージョンを基準に、現在のMicrosoft公式手順・PCメーカー手順を確認してください。
19. Windows Update後は表示・既定サインイン方法が変わることがある
Windows 11ではサインイン画面やWindows Helloの動作が更新されています。
2026年のWindows 11更新でも、顔認証・指紋認証が利用可能な場合の既定サインイン方法など、ロック画面のサインイン動作に改善が加えられています。
そのため「前とアイコンの並び方が違う」「以前使った方法ではなく顔認証が最初に出る」といった変化は、必ずしも故障ではありません。
20. 会社・学校PCではWindows Hello for Businessを確認する
会社・学校のWindows 11 PCでは、個人向けWindows HelloではなくWindows Hello for Businessが組織ポリシーで構成されている場合があります。
Windows Hello for Businessでは:
- PINを必須にする
- 顔認証・指紋認証を許可/禁止する
- パスワードサインインを制限する
- セキュリティキー等を利用する
などをIT管理者が設定できます。
自宅PCと会社PCでサインインオプションの表示が違うのは、この管理ポリシーが理由の場合があります。
21. 「一部の設定は組織によって管理されています」と出る場合
設定画面に「一部の設定は組織によって管理されています」などが表示される場合は、グループポリシー、Microsoft Intune、Microsoft Entra ID等による管理を疑います。
会社・学校PCでは、サインイン方法をユーザーが自由に変更できないことがあります。
この場合:
- レジストリを編集しない
- グループポリシーを勝手に解除しない
- 職場・学校アカウントを自己判断で切断しない
ようにしてください。
22. 組織ではパスワード自体をサインイン画面から隠せる
Microsoftの企業向けWindows資料では、Microsoft Entra参加デバイスなどで「Windows passwordless experience」を利用し、パスワードの資格情報プロバイダーをサインイン画面から隠す構成が案内されています。
また、管理者はCredential Provider関連ポリシーなどで特定のサインイン方法を制限できます。
そのため会社PCでパスワードだけ表示されない場合、個人PC向けのWindows Hello専用設定だけが原因とは限りません。
会社PCでは注意:パスワードアイコンを無理に戻すためにCredential ProviderのGUIDやレジストリを変更しないでください。サインイン不能につながる可能性があります。
23. Windows Helloの項目が「現在、このオプションは使用できません」となる場合
サインインオプション自体は表示されていても、「現在、このオプションは使用できません」と表示されることがあります。
この場合は項目が消えているのではなく、現在の環境で利用条件を満たしていない状態です。
候補:
- 対応センサーが認識されていない
- ドライバーが正常でない
- 組織ポリシーで禁止
- PINのセットアップが先に必要
- Windows Update・再起動待ち
表示される説明文をそのまま記録し、その条件から切り分けてください。
24. 顔認証・指紋認証ではPINが土台になる
Windows Helloでは、PINが復旧用・代替のサインイン手段として重要です。
顔認証・指紋認証の設定中にPINの作成を求められることがあります。
そのためPIN自体の設定が壊れている場合、生体認証の追加・再登録へ進めないケースがあります。
PIN設定時にエラーが出る場合は、PIN側の問題を先に解決します。
25. Windows Helloの顔認証だけ認識しない場合は「表示されない」と別問題
顔認証の項目が設定画面に表示されていて、セットアップ済みなのに顔を認識しない場合は、この記事の「項目が表示されない」とは原因が異なります。
その場合は:
- カメラレンズ
- 顔の位置・照明
- 顔認証データの再登録
- カメラドライバー
などを確認します。
詳しくは、Q. Windows Hello顔認証が認識しない原因も参考になります。
26. PINが「無効」と表示される場合は設定項目消失とは分ける
「PIN(Windows Hello)」が見えるものの、ログイン時に「このサインインオプションは無効です」と表示される場合は、サインイン方法が消えたわけではありません。
失敗したサインイン試行や繰り返しのシャットダウン等による一時制限など、別の切り分けが必要です。
項目の有無と、項目が利用可能かどうかを混同しないようにしてください。
27. パスキーの項目が期待どおりに見えない場合
Windows 11ではパスキー対応も拡張されていますが、パスキーはWindows Hello PIN・顔認証・指紋認証と完全に同じ設定項目ではありません。
利用するアカウント、Webサイト・アプリ、保存先、Windowsのバージョンなどによって操作画面が変わります。
「以前登録したパスキーを消したい」「再登録したい」という場合は、Windows Hello全体を初期化せず、対象パスキー単位で確認します。
28. セキュリティキーが表示されない場合
物理セキュリティキーを使う場合も、アカウント・組織・サービス側がその認証方法へ対応している必要があります。
USBへ挿しただけで、すべてのWindowsアカウントに常に同じサインインアイコンが表示されるとは限りません。
会社環境ではFIDO2セキュリティキーの利用可否を管理者が制御している場合があります。
29. Safe ModeではPIN・生体認証が使えない
Microsoft公式では、Windowsをセーフモードで起動した場合、PINや生体認証は利用できず、Microsoftアカウントまたはローカルアカウントのパスワードが必要と案内しています。
そのためセーフモードで「PINアイコンがない」「指紋認証が出ない」のは、通常のサインイン画面と同じ条件ではありません。
セーフモードでの表示を見てWindows Helloが壊れたと判断しないでください。
30. セーフモードへ入る前にパスワードを確認する
通常画面でPINしか使っておらず、Microsoftアカウントのパスワードを忘れている場合は、先にパスワードを確認してください。
パスワードが分からないままセーフモードへ進むと、PINが使えずログインできない場合があります。
また、Windows回復環境へ進むPCではBitLocker回復キーが必要になる場合もあるため、無理に高度な修復へ進まないでください。
31. 通常再起動を1回行う
MicrosoftのWindowsサインイントラブル手順では、通常再起動によって一時的なシステムエラーが解消する場合があると案内されています。
Windows Updateやドライバー更新の途中だった場合は、再起動でデバイス認識が戻ることがあります。
ただし、電源ボタン長押しによる強制終了を何度も繰り返す必要はありません。
32. Windows Updateを完了する
Windows Helloの項目が突然消えた場合は、Windows Updateを確認します。
設定
→ Windows Update
→ 更新プログラムのチェック
確認:
- 品質更新プログラム
- 再起動待ち
- オプションのドライバー更新
PCメーカーがWindows Update以外で専用ドライバーを提供している場合は、メーカー公式も確認します。
33. 更新後に消えた場合もすぐ更新プログラムを削除しない
Windows Update直後に顔認証・指紋認証が消えると、更新プログラムを削除したくなることがあります。
しかし、先に:
- 通常再起動
- Windows Update完了
- デバイス認識確認
- メーカーのドライバー確認
- ESS設定確認
を行います。
更新プログラム削除は、既知の不具合であることが確認できた場合など後半の対処にします。
34. システムファイル修復は表示原因が絞れない場合の後半候補
複数の設定画面がおかしい、Windows Updateや設定アプリにもエラーが出る、サインインオプション画面自体が正常に読み込めない場合は、Windowsシステムファイル破損も候補になります。
この場合、バックアップを確認したうえでSFC・DISMなどを検討できます。
ただし、顔認証だけ表示されないPCで、ハードウェア非対応を確認する前にシステム修復コマンドを実行する必要はありません。
35. レジストリでCredential Providerを強制変更しない
Windowsのサインイン画面にはCredential Providerという仕組みが関係しています。
インターネット上では、特定GUIDをレジストリへ追加・削除してパスワード・PIN・スマートカードなどの表示を変更する方法があります。
しかし誤ると:
- パスワードでも入れない
- PINでも入れない
- RDPや「別のユーザーとして実行」へ影響する
- 会社の認証ポリシーと競合する
可能性があります。
個人PCでは設定・ドライバー・Windows Helloを先に確認し、会社PCではIT管理者へ確認してください。
36. グループポリシーを自己判断で初期化しない
Windows 11 Proなどではローカルグループポリシーを編集できますが、サインインオプションを戻すためだけに認証関連ポリシーを一括リセットするのはおすすめしません。
特に職場・学校アカウントが接続されているPCでは、Intune等からポリシーが再配布される場合があります。
まずPCが:
- 個人所有・非管理
- 個人所有だが会社へ登録
- 会社・学校所有・管理対象
のどれかを確認します。
37. TPMクリアは「サインインオプションが見えない」だけでは行わない
Windows HelloはTPMと関係しますが、表示項目が足りないという理由だけでTPMをクリアしないでください。
TPMクリアはWindows Helloの認証情報やBitLockerなどへ影響する可能性があります。
特にBitLocker回復キーを確認できないPCでは、TPM・BIOS/UEFIのセキュリティ設定変更を行わないでください。
38. Windows初期化は最後の手段
サインインオプションが一部表示されないだけで、最初から「このPCをリセットする」を行う必要はありません。
先に:
- アカウント種類を確認
- 表示されない項目を特定
- Windows Hello専用設定を確認
- 対応ハードウェアを確認
- Windows Updateを確認
- メーカーのドライバーを確認
- ESSを確認
- 組織ポリシーを確認
してください。
ほとんどの場合、表示されない理由をこの段階でかなり絞り込めます。
症状別の切り分け早見表
| 症状 | 疑うポイント |
|---|---|
| パスワードだけ表示されない | Windows Helloのみ許可する設定、組織のPasswordless設定 |
| 顔認証だけ表示されない | Hello対応カメラ、ドライバー、ESS |
| 指紋認証だけ表示されない | 指紋センサー、ドライバー、ESS |
| 顔・指紋が両方消えた | Windows Update、ドライバー、組織設定、ESS |
| PINだけ使えない | PIN登録・一時無効・Windows Hello |
| 外付けセンサーだけ使えない | ESS対応状況 |
| 会社PCだけパスワードがない | Windows Hello for Business、Passwordlessポリシー |
| セーフモードでPINがない | 正常仕様。パスワードが必要 |
| 更新後に突然消えた | 再起動、Windows Update、ドライバー、メーカー更新 |
よくある質問
Windows 11の「サインイン オプション」にパスワードがありません
Microsoftアカウントを利用しており「MicrosoftアカウントにWindows Helloサインインのみを許可する」が有効なら、Microsoft公式の仕様どおりパスワード使用が無効になっている可能性があります。会社PCでは組織のPasswordlessポリシーも確認してください。
顔認証の項目がまったくありません
Windows Hello対応カメラが必要です。一般的なWebカメラだけでは顔認証に対応しない場合があります。以前は利用できていたならドライバー・Windows Update・ESSも確認します。
指紋センサーは付いているのに指紋認証がありません
デバイスマネージャーで指紋センサーが認識されているか、メーカーのドライバーが正常か確認してください。外付け指紋リーダーならESSとの対応関係も確認します。
別のPCでは顔認証・指紋認証・PINが全部表示されます
Microsoftはサインインオプションの利用可否がデバイス構成によって異なると案内しています。搭載ハードウェア、Windowsバージョン、ESS、アカウント種類、組織ポリシーが違えば表示も変わります。
外付けWebカメラはZoomで使えるのにWindows Helloには表示されません
通常のWebカメラとして動作することとWindows Hello対応は別です。また、ESSが有効なPCでは非ESS対応の外付けHello機器をサインインへ使えない場合があります。
「現在、このオプションは使用できません」と表示されます
項目が消えているのではなく、現在の利用条件を満たしていない状態です。表示される説明文を確認し、センサー認識・PIN・ドライバー・組織ポリシーなどを確認してください。
セーフモードにしたらPINと指紋が消えました
Microsoft公式では、セーフモードではPINと生体認証を利用できず、Microsoftアカウントまたはローカルアカウントのパスワードが必要です。正常な動作です。
会社PCでパスワードだけ出ません
Windows Hello for BusinessやWindows Passwordless experienceなど、組織が設定した認証ポリシーの可能性があります。個人PC向けの設定変更やレジストリ編集をせず、IT管理者へ確認してください。
レジストリを変更すれば消えたパスワードアイコンを戻せますか?
Credential Provider関連のレジストリ変更はサインイン不能につながる可能性があるため、最初には行わないでください。まずMicrosoft公式のWindows Hello設定、アカウント種類、組織ポリシーを確認します。
TPMを初期化すればWindows Helloが元に戻りますか?
表示項目が足りないという理由だけでTPMクリアを行わないでください。Windows HelloやBitLockerなどへ影響する可能性があります。BitLocker回復キーを確認できない状態では特に避けてください。
Windowsを初期化すれば直りますか?
初期化前に確認できる項目が多くあります。ハードウェア非対応や組織ポリシーが原因なら、Windowsを再インストールしても希望する項目が表示されない場合があります。
まとめ
Windows 11でサインインオプションが一部表示されない場合は、Windows故障と決めつけず「どの認証方法が、どの画面から消えたか」を先に整理してください。
- 設定画面とサインイン画面のどちらで消えているか確認する
- 表示されない項目を特定する
- Microsoftアカウント・ローカルアカウント・職場アカウントを区別する
- パスワードだけない場合はWindows Helloのみ許可する設定を確認する
- PINとMicrosoftアカウントのパスワードを区別する
- 顔認証はHello対応カメラがあるか確認する
- 指紋認証は指紋センサー搭載を確認する
- 以前使えた生体認証が消えた場合はドライバー認識を確認する
- Windows UpdateとPCメーカーのドライバーを確認する
- Windows 11 24H2以降ではESSを確認する
- 外付けHello機器だけ使えない場合はESS対応状況を確認する
- Windowsバージョンによる画面差を考慮する
- 会社・学校PCではWindows Hello for Businessを確認する
- 組織管理PCではIT管理者へ確認する
- 「使用できません」と「項目がない」を区別する
- セーフモードではPIN・生体認証がないことを理解する
- 通常再起動を1回試す
- 更新後でもすぐ更新プログラムを削除しない
- Credential Providerやレジストリを初手で変更しない
- TPMクリア・Windows初期化は最後の手段にする
最も多いのは、「パスワードが消えた理由」と「顔・指紋が消えた理由」を同じものとして考えてしまうケースです。パスワードはWindows Hello専用・Passwordless設定、顔・指紋は対応センサー・ドライバー・ESSの影響を受けやすいため、表示されない項目ごとに分けて確認してください。
