[記事公開日]2021/11/01
[最終更新日]2026/08/14
#004 アップデート中にバッテリー切れ。その後Windowsが起動しない
Windows Updateの途中でノートパソコンのバッテリーが切れ、その後Windowsが起動しなくなった――。元記事では、このような実際の修理トラブルを例に、システムの復元、BCD(起動構成データ)の修復、Windowsの再インストール/リカバリという順で復旧を試していました。
アップデート中に電源が切れても、そのまま通常起動できる場合もあります。一方、更新中だったシステムファイルや起動情報の更新が途中で止まると、自動修復、ブルースクリーン、起動ループ、BCDエラーなどが発生することがあります。
元記事の「不測の事態に備えてバックアップをこまめに取る」という注意は現在でも重要です。特に復旧操作の中にはデータ・アプリ・設定へ影響するものがあるため、重要データがある場合は初期化や再インストールを急がないことが大切です。
まず確認:どの状態まで起動するか
| 症状 | 優先して確認すること |
|---|---|
| Windowsが普通に起動する | 充電状態を確認し、Windows Updateを再実行 |
| 「自動修復」「回復」画面が表示される | Windows REの修復機能 |
| 更新後から再起動ループする | スタートアップ修復、更新プログラムのアンインストール |
| BCD/Boot Configuration Data関連エラー | スタートアップ修復、必要なら高度な起動修復 |
| SSD/HDDがBIOS/UEFIで認識されない | Windows修復より先にストレージ・ハードウェア確認 |
| 異音・極端な低速化・認識断もある | データ保全を最優先 |
最初にACアダプターを接続する
今回のようにバッテリー切れがきっかけの場合は、復旧作業を始める前にACアダプターを接続し、安定して給電できる状態にしてください。
復元・更新の取り消し・再インストールなどの途中で再び電源が切れると、状態がさらに悪化する可能性があります。
USB-C充電のPCでは、単にUSB-C端子が合うだけでなく、PCが必要とするUSB Power Deliveryの出力に対応する充電器・ケーブルを使用してください。
ステップ1:通常の再起動で起動するか確認する
元記事でも、アップデート中に電源が切れても通常の再起動だけで起動できる場合があると説明していました。
ACアダプターを接続して電源を入れ、Windowsが自動的に更新を再開・取り消しして起動するか確認してください。
「更新プログラムを元に戻しています」「変更を元に戻しています」などが表示されて処理が進んでいる場合は、電源を切らずに待ちます。
注意:画面が動かないように見えても、ストレージアクセスや更新処理が続いていることがあります。焦って電源ボタン長押しを何度も繰り返さないでください。
ステップ2:Windows回復環境(Windows RE)を確認する
Windowsが複数回正常起動できない場合、Windows回復環境(Windows RE)が自動的に表示されることがあります。
MicrosoftはWindows REを、一般的な起動トラブルの診断・修復に使う組み込み環境として案内しています。
Windows REの「詳細オプション」には、環境によって次のような機能があります。
- スタートアップ修復
- 更新プログラムのアンインストール
- システムの復元
- スタートアップ設定
- コマンド プロンプト
- UEFIファームウェア設定
現在のWindows 11では、一部の環境で「クイック マシン リカバリ」が利用できる場合もあります。
ステップ3:まず「スタートアップ修復」を試す
元記事では最初にシステムの復元を紹介していましたが、現在はWindows REに「スタートアップ修復」が用意されています。
スタートアップ修復は、Windowsの起動に必要なファイルや構成の一般的な問題を自動的に診断・修復する機能です。
Windows REで次の順に進みます。
- 「トラブルシューティング」を選ぶ
- 「詳細オプション」を選ぶ
- 「スタートアップ修復」を選ぶ
- 画面の案内に従う
この方法で起動できた場合は、Windowsへログイン後に重要データをバックアップし、Windows Updateの状態を確認してください。
ステップ4:更新直後なら「更新プログラムのアンインストール」を検討する
今回のようにWindows Update中の電源断がきっかけなら、Windows REの「更新プログラムのアンインストール」も有力な選択肢です。
Microsoftは、Windowsへアクセスできない場合でもWindows REから最近の更新プログラムをアンインストールできると案内しています。
- Windows REを開く
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」を開く
- 「更新プログラムのアンインストール」を選ぶ
- 表示される選択肢から対象の更新をアンインストールする
Microsoft:Windows Updateをアンインストールする方法
すべての更新をアンインストールできるわけではありません。また、更新を削除できない場合は次の方法へ進みます。
ステップ5:システムの復元を試す
元記事の修理経験では、アップデート前の復元ポイントへ戻す「システムの復元」で改善したケースが多かったとされています。
現在も、更新前の復元ポイントが作成されていれば有効な選択肢です。
Windows REでは、一般的に次の順で開きます。
- 「トラブルシューティング」を選ぶ
- 「詳細オプション」を選ぶ
- 「システムの復元」を選ぶ
- アップデート前の復元ポイントを選ぶ
MicrosoftもWindows REから復元ポイントを適用する方法を案内しています。
システムの復元で戻るもの
システムの復元は、Windowsのシステムファイル、レジストリ、ドライバー、インストール済みプログラムなどを復元ポイント作成時点へ戻す機能です。
通常は個人ファイルを削除する目的の機能ではありませんが、復旧作業には予期しないトラブルもあるため、重要データのバックアップを取れる状態なら先に確保してください。
BitLocker回復キーを求められる場合がある
Windows REの一部機能では、ドライブがBitLockerやデバイス暗号化で保護されていると回復キーを求められる場合があります。
MicrosoftはBitLocker回復キーを48桁の数値パスワードとして案内しています。
回復キーが分からない状態で、初期化・フォーマット・パーティション変更へ進まないでください。
ステップ6:BCDエラーが表示される場合
元記事では、起動直後にBCDエラーが発生する場合はboot領域が壊れている可能性があり、bootrecやbcdbootで改善することがあると説明していました。
この情報は現在でも参考になりますが、BCD修復はWindowsがインストールされているドライブやEFIシステムパーティションを正しく特定して行う必要があります。
ドライブ文字やパーティションを誤って指定すると、起動構成をさらに壊す可能性があります。
そのため、一般ユーザー向けには次の順をおすすめします。
- スタートアップ修復
- 更新プログラムのアンインストール
- システムの復元
- メーカーの回復手順・Microsoft公式の機種/症状別手順を確認
- それでも必要な場合のみ、コマンドプロンプトで高度なBCD修復
「BCD」「0xc000000f」「0xc0000098」など具体的なエラーコードが出ている場合は、そのコードを写真に残してください。
ステップ7:ストレージ故障が隠れていないか確認する
アップデート中の電源断がきっかけに見えても、実際にはSSD/HDDの劣化や故障が同時に発生している場合があります。
次の症状がある場合は、Windows修復だけを繰り返さないでください。
重要データがある場合は、ストレージへ書き込む修復・初期化よりデータ退避を優先します。
復旧前にデータを退避できるならバックアップする
Windowsが通常起動しなくても、Windows RE、別の起動環境、別PCへのストレージ接続などでデータを救出できる場合があります。
ただし、故障したHDD/SSDへ新しいデータを書き込まず、正常な別媒体へコピーしてください。
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復旧前のバックアップ先として:
-
外付けSSD USB 3.2:
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必要容量は救出するデータ量より余裕のあるものを選んでください。
ステップ8:回復用USB/インストールメディアを使う
Windows REが自動表示されない、回復環境自体が破損している場合は、別PCでWindowsのインストールメディアを作成し、そこから回復オプションへ進める場合があります。
Microsoftは、インストールメディアからWindowsの回復・再インストールを行う方法を案内しています。
Microsoft:Reinstall Windows with the installation media
回復を目的とする場合は、すぐ「インストール」を進めず、まず修復・回復オプションを確認してください。
回復メディアを作成する場合:
-
USBメモリ 16GB以上:
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Yahoo!ショッピングで検索
注意:インストールメディア作成時はUSBメモリ内のデータが消去される場合があります。必要なデータが入っていないUSBメモリを使用してください。
ステップ9:Windowsのリセット・再インストールは最後に検討する
元記事では、システムの復元などで復旧できない場合にWindowsの再インストールまたはリカバリを行うとしていました。
現在も最終手段として有効ですが、初期化方法によってデータ・アプリ・設定が失われます。
Microsoftの回復オプションには、環境に応じて「このPCをリセット」、インストールメディアからの再インストールなどがあります。
Microsoft:Recovery options in Windows
重要データがある場合は、再インストールやリカバリ前に必ずバックアップ方針を確認してください。
「個人用ファイルを保持する」でもバックアップは必要
Windowsのリセットには「個人用ファイルを保持する」選択肢がある環境もありますが、アプリ・設定は削除され、予期しない失敗もあり得ます。
「保持する」と表示されていても、それを唯一のバックアップ手段と考えないでください。
更新中の電源断=必ずWindows破損ではない
元記事は、アップデート中のバッテリー切れ後にWindowsが起動しなくなった事例を扱っています。
ただし、現在のWindows Updateは更新途中で再開・ロールバックできる仕組みもあり、電源断が起きたから必ずWindowsが壊れるわけではありません。
逆に、バッテリーが切れたタイミングとSSD/HDD故障が偶然重なっている可能性もあります。
そのため、原因は「電源断のせい」と決めつけず、Windows RE・ストレージ認識・エラーコードを確認してください。
Windows Update中に電源を切ってしまった後の安全な順序
- ACアダプターを接続する
- 通常起動できるか確認する
- Windows REが表示されたらスタートアップ修復を試す
- 更新直後なら更新プログラムのアンインストールを検討する
- 復元ポイントがあればシステムの復元を検討する
- BCDエラーなら自動修復を先に使い、高度なコマンド修復は後段へ回す
- SSD/HDD異常がないか確認する
- 重要データをバックアップする
- 回復USB/インストールメディアを利用する
- 最後にリセット・再インストール・メーカーリカバリを検討する
やってはいけない対処
更新が止まったように見えるたびに電源長押しを繰り返す
更新・ロールバック処理をさらに中断する可能性があります。
重要データがあるのに最初から初期化する
復旧できるデータを失う可能性があります。
BCDエラーでパーティションを確認せずコマンドを実行する
EFIシステムパーティションやWindowsドライブを誤認すると、起動状態を悪化させる可能性があります。
BitLocker回復キーが不明なままパーティション操作を行う
暗号化ドライブへアクセスできなくなるリスクがあります。
SSD/HDDが認識不安定なのに何度も修復を繰り返す
ストレージ故障の場合はデータ救出条件が悪化することがあります。
よくある質問
アップデート中にバッテリーが切れたら必ずWindowsは壊れますか?
必ずではありません。再起動時に更新を再開・取り消して正常起動する場合もあります。ただし、起動ファイル・更新中のシステム状態に問題が残ると起動不能になることがあります。
最初にシステムの復元を試せばよいですか?
元記事では最初にシステムの復元を案内していました。現在は、Windows REのスタートアップ修復や更新プログラムのアンインストールも先に試せる安全な選択肢です。復元ポイントがある場合はシステムの復元も有効です。
「自動修復でPCを修復できませんでした」と表示されます
更新プログラムのアンインストール、システムの復元、ストレージ確認、データバックアップを検討してください。自動修復が失敗しただけで、すぐ初期化する必要はありません。
BCDエラーが出ています。bootrecを実行すれば直りますか?
改善する場合はありますが、起動方式・Windowsドライブ・EFIパーティションなどを正しく把握する必要があります。まずスタートアップ修復を試し、具体的なエラーコードに合った公式手順を確認してから実施してください。
システムの復元でデータは消えますか?
システムの復元は個人ファイルの削除を目的とする機能ではありませんが、システム・ドライバー・アプリの状態は戻ります。重要データがある場合は、可能な限り事前バックアップを取ってください。
リカバリすれば直りますか?
Windowsシステム破損が原因なら改善する可能性があります。ただしストレージ故障などハードウェア原因では改善しません。また、リカバリはデータを消去する場合があるため最後の手段です。
まとめ
Windows Update中にバッテリーが切れ、その後Windowsが起動しない場合は、元記事の修理経験どおりシステムの復元、BCD、再インストールが関係することがあります。
現在は、それらに加えてWindows REのスタートアップ修復 → 更新プログラムのアンインストール → システムの復元を順に試すことで、より小さな変更から復旧を試せます。
BCD修復コマンド、リセット、リカバリ、再インストールは有効な場合もありますが、誤操作やデータ消失の影響が大きいため後段へ回してください。
そして、復旧作業中の再電源断を避けるため、ノートPCでは必ずACアダプターを接続し、重要データがある場合は初期化より先にバックアップを優先してください。
