[記事公開日]2018/12/02
[最終更新日]2026/08/14
パソコン故障・トラブル切り分け方法【一体型パソコン編】
一体型パソコンは、液晶ディスプレイとパソコン本体が一つの筐体に収まっているため、省スペースで使いやすい反面、電源・液晶・冷却・ストレージなどの部品が近接しており、症状だけでは故障箇所を判断しにくいことがあります。

一体型パソコン(一体型デスクトップパソコンと呼ぶこともあります)
この記事は、元記事に掲載されていた36種類の症状を残しながら、現在主流のLED液晶、SSD・NVMe SSD、Windows 11、BitLocker、外付けACアダプター式と内蔵電源式の違いなどを考慮して再構築した総合切り分けガイドです。
デスクトップPCやノートPCの場合は、パソコン故障・トラブル切り分け方法【デスクトップパソコン編】、パソコン故障・トラブル切り分け方法【ノートパソコン編】も確認してください。
最初に:一体型PCを切り分けるときの重要ポイント
外付けACアダプター式か、内蔵電源式か確認する
一体型PCには、ノートPCのような外付けACアダプターを使用する機種と、本体内部に電源ユニットを搭載する機種があります。
電源が入らない場合は、まず本体型番を確認し、電源方式を把握してください。ACアダプターを交換して試す場合は、電圧・電流・出力W数・コネクタ形状・極性が機種に適合している必要があります。
液晶故障と「PC本体が起動していない」を分ける
一体型PCは画面と本体が一体なので、画面が映らないと「パソコン全体が起動していない」ように見えます。
次を確認すると切り分けに役立ちます。
- Windowsの起動音が聞こえるか
- キーボードのCapsLock/NumLockランプが反応するか
- ストレージアクセスやファン動作があるか
- 外部映像出力に対応する機種なら外部モニターへ映るか
重要データがある場合は修復より保全を優先する
SSD/HDDが認識不安定、HDDから異音がする、極端に遅い、読み込みエラーが多い場合は、初期化・フォーマット・OS再インストールを先に行わないでください。
重要なデータがあるなら、ストレージへ書き込む操作を増やす前にバックアップや別媒体への退避を検討してください。
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バックアップ先を用意する場合:
-
外付けSSD USB 3.2:
Amazonで検索 /
Yahoo!ショッピングで検索
故障が疑われるSSD/HDD自身ではなく、正常な別媒体を保存先にしてください。
症状を5段階に分けると原因を絞りやすい
| 段階 | 代表症状 | 主な確認対象 |
|---|---|---|
| 電源・通電 | 無反応、一瞬だけ入る、短時間で落ちる | ACアダプター/電源ユニット、DC-IN、電源スイッチ、基板 |
| POST/BIOS | ファンだけ回る、画面なし、BIOSへ入る | メモリ、液晶、マザーボード、SSD、BIOS/UEFI |
| Windows起動 | ロゴ停止、再起動、英語エラー、自動修復 | SSD/HDD、Windows、ブート構成、ドライバー |
| ログイン後 | 黒画面、フリーズ、極端に遅い | ストレージ、スタートアップ、ドライバー、アプリ |
| 使用中 | 電源断、画面乱れ、BSOD、通信不良 | 冷却、GPU、メモリ、電源、ドライバー、ネットワーク |
1. 一体型パソコンの電源スイッチを押しても電源が入らない
最初にコンセント、電源タップ、電源ケーブル、ACアダプター式ならアダプターの接続を確認します。
主な原因候補:
- 電源スイッチ
- DC-INジャック
- ACアダプター
- 内蔵電源ユニット(搭載機種)
- マザーボード
- 接触不良・保護回路
USB機器をすべて外し、最小限の外部接続で変化するか確認すると切り分けに役立ちます。
一体型PCで電源が入らない場合は、Q. 一体型PCで電源が入らない場合どこが故障していることが多い?も参考になります。
2. 電源スイッチを入れると一瞬だけ電源が入る
元記事の電源ユニット、マザーボード、メモリ、グラフィック系、接触不良という候補は現在でも有効です。
直前にメモリ・SSDを交換した、内部清掃をした、PCを移動した場合は、その作業との関連を優先して確認します。
3. 電源を入れると10~60秒程度で落ちる
冷却ファン、CPU温度、電源回路、マザーボード、メモリなどを確認します。
ファンが回らない、排気口から熱が出ないまま短時間で落ちる、焦げ臭いにおいがする場合は使用を続けないでください。
4. 電源を入れると一瞬だけ画面が光って暗くなる
元記事では液晶パネル、マザーボード、インバーター、バックライトケーブルを候補としていました。
現在の一体型PCの多くはLEDバックライトです。古いCCFL液晶のような独立したインバーターを搭載しない機種も多いため、現在は次を確認します。
- 液晶パネル
- LEDバックライト/パネル電源回路
- 液晶ケーブル
- マザーボード・GPU
5. うっすら文字は見えるが画面が暗い
ライトを当てるとうっすら映像が見える場合は、バックライト系の故障が疑われます。
古いCCFL機ではインバーターも候補ですが、LED液晶機ではパネル、バックライト回路、液晶ケーブル、マザーボード側電源回路などを確認します。
6. 電源を入れるとファンが高速回転し続ける
POSTが完了していない、メモリやマザーボードの初期化に失敗している、温度・ファン制御に問題がある可能性があります。
メーカーの診断LED、点滅コード、ビープコードがある場合は、型番別マニュアルで内容を確認してください。
7. 電源を入れるとガラガラ・カラカラと異音がする
元記事のとおり、冷却ファンが原因のことが多い症状です。
HDDから「カチカチ」「カコン」などの異音があり、読み込み不良もある場合は再起動やスキャンを繰り返さず、データ保全を優先してください。
8. 起動音はするのに画面表示がない
Windowsまで起動している可能性が高いため、液晶パネル、液晶ケーブル、バックライト、GPU出力を優先します。
外部映像出力に対応する機種なら、外部モニターへ正常に映るか確認してください。
9. 電源は入るが画面が真っ暗で何も表示されない
メーカーロゴも出ない場合は、液晶だけでなくPOST自体が止まっている可能性があります。
メモリ、マザーボード、CPU/GPU、液晶、電源回路を確認します。
青い電源ランプは点くのに画面が暗い場合は、Q. 電源ボタンを押すと青いランプはつくのに画面が暗いままです。も参考になります。
10. メーカーロゴが表示されたまま進まない
元記事ではHDD故障を重要候補としていましたが、現在はSSD/NVMe、USB機器、BIOS/UEFI、メモリも確認します。
- USBメモリ・外付けHDD・SDカードを外す
- BIOS/UEFIでSSDが認識されているか確認
- ストレージの異音・認識断がないか確認
- メーカー診断機能があれば実行
11. メーカーロゴ後に再起動を繰り返す
Windowsシステム、更新プログラム、ドライバー、SSD/HDD、メモリなどが候補です。
MicrosoftのWindows回復環境(Windows RE)には、スタートアップ修復などの起動トラブル向け機能があります。
Microsoft:Windows recovery environment
12. メーカーロゴ後に英語のエラーが出て進まない
エラー内容を写真に残してください。
ブートデバイス未検出、SMART警告、CMOS、キーボード、ネットワークブートなど複数の種類があります。
英語表示=SSD/HDD故障とは限りません。
実際の一体型PC故障例として、【PC故障例】一体型パソコン:NEC表示の後に英語表示で進まないもあります。
13. 電源を入れるとBIOS/UEFI画面になってしまう
SSD/HDD未認識だけでなく、ブート順変更、Windows Boot Manager未検出、CMOS設定初期化、キーボード入力などでも起こります。
BIOSでストレージが見えない場合も、ストレージ本体故障だけでなく、M.2/SATA接続、基板、設定が原因のことがあります。
14. メーカーロゴ後にブルースクリーンが出る
ドライバー、Windows、メモリ、SSD/HDD、GPUなどを確認します。
Stopコードやエラー名を写真で記録してください。
Microsoft:WindowsのStopコード・予期しない再起動のトラブルシューティング
15. 「Windowsが正しく読み込まれませんでした」と表示される
Windows更新、ドライバー、システムファイル、ストレージ、起動構成などを確認します。
Windows REではスタートアップ修復、更新プログラムのアンインストール、システムの復元などを利用できます。
16. 「PCが正常に起動しませんでした」と表示される
自動修復が表示された場合も、同じ操作を何度も繰り返すのではなく、直前の更新・ドライバー変更・ストレージ状態を確認します。
17. 「スタートアップ修復でPCを修復できませんでした」と表示される
スタートアップ修復で直らない原因として、ストレージ異常、Windowsの大きな破損、更新・ドライバー問題などがあります。
重要データがある場合は、初期化や再インストールの前にバックアップを優先してください。
Windows REとBitLockerの注意
MicrosoftのWindows REには、スタートアップ修復、スタートアップ設定、更新プログラムのアンインストール、システムの復元などが用意されています。
暗号化されたPCでは、一部の回復機能でBitLocker回復キーが必要になる場合があります。
Microsoft:Windows Startup Settings
18. マウスカーソルだけ表示され、背景が真っ暗
Windowsシェル、グラフィックドライバー、更新、ユーザープロファイル、SSD/HDDなどが候補です。
セーフモードで正常になる場合は、通常起動時のドライバーや常駐ソフトの影響を疑いやすくなります。
19. Windowsログイン画面でパスワードを入力できない
キーボード自体が入力できているかを先に確認します。
- CapsLock/NumLockランプが反応するか
- 別USBキーボードなら入力できるか
- 特定キーだけ反応しないか
- USBレシーバー式なら電池・受信機を確認
20. パスワードを入力してもログインできない
パスワード不一致、CapsLock、キーボード配列、Microsoftアカウント/ローカルアカウントの違いを確認します。
ログインできないという症状だけでSSD/HDD故障とは判断しません。
21. Windowsログイン後、少しするとフリーズする
元記事ではセキュリティソフトを重要候補としていました。現在はスタートアップアプリ、ドライバー、SSD/HDD、メモリ、セキュリティソフトなどを広く確認します。
毎回同じタイミングで止まる場合は、ログイン後に開始するソフトが手掛かりになります。
22. アイコンをクリックしても表示されない
特定アプリだけか、Windows全体が反応しないかを確認します。
- 特定アプリだけ → アプリの不具合
- 全体が重い → CPU・メモリ・ストレージ負荷
- ディスク使用率が高い → 更新、同期、ストレージ異常など
23. 何をするにもマウスカーソルがクルクルする
タスクマネージャーでCPU・メモリ・ディスク使用率を確認します。
HDD搭載の古い一体型PCではストレージ劣化が原因になることがありますが、SSD機でもWindows Update、クラウド同期、セキュリティスキャン、メモリ不足などで似た症状が出ます。
24. 数秒フリーズを繰り返す
元記事のとおり、断続的なフリーズは原因特定に時間がかかりやすい症状です。
発生時刻、使用アプリ、イベントビューアー、CPU/GPU温度、セーフモードで再現するかを記録すると切り分けに役立ちます。
25. 全体的に動きがとても遅い
原因を一律にHDD故障と判断せず、CPU・メモリ・ディスク・温度を確認します。
- メモリ不足
- SSD/HDD劣化・故障
- Windows Update
- スタートアップアプリ
- セキュリティソフト
- 冷却不良による性能低下
一体型PCで動作が遅くフリーズする実例として、【PC故障例】一体型パソコン:Windows動作がとても遅い・フリーズ多発も参考になります。
26. Windowsをしばらく使うと突然電源が落ちる
元記事ではマザーボード、GPU、熱暴走を候補としていました。現在はACアダプター/電源ユニットも確認します。
動画再生や高負荷時だけ落ちる場合は、CPU/GPU温度、冷却ファン、電源容量・劣化を確認してください。
27. Windows使用中に画面が乱れる・線が入る
液晶パネル、液晶ケーブル、GPU、メモリ、マザーボード、ドライバーなどが候補です。
BIOS画面から乱れるならWindowsドライバーよりハードウェア側、スクリーンショットにも乱れが写るならGPU・描画側を疑いやすくなります。
一体型デスクトップパソコンで使用中に画面が乱れて操作できなくなる場合の原因と対処法
28. デバイスマネージャーに「!」が表示されている
ドライバー未導入、デバイス停止、ハードウェア故障などが考えられます。
元記事ではすぐドライバー削除を案内していましたが、まずデバイスのプロパティに表示されるエラーコードを確認します。
ドライバーはWindows UpdateまたはPCメーカーなどの公式配布元から入手してください。
29. Windows使用中にブルースクリーンが発生する
メモリ、SSD/HDD、ドライバー、GPU、マザーボード、CPU、Windowsなど幅広い原因があります。
Stopコード、エラー名、発生時刻、直前の操作を記録します。
30. インターネットがとても遅い
PC故障と判断する前に、同じネットワークのスマホや別PCでも遅いか確認します。
- 全端末で遅い → 回線、ONU、ホームゲートウェイ、ルーター
- このPCだけ遅い → LAN/Wi-Fiアダプター、ドライバー、ケーブル、常駐ソフト
31. インターネットが突然切れる
有線LANならケーブル・LANポート、Wi-Fiなら電波・ドライバー・ルーターを確認します。
家庭内すべての端末で同時に切れるか、このPCだけかを確認すると切り分けやすくなります。
32. インターネットにはつながるがメールができない
Webサイトが正常に開くなら、回線そのものよりメールアプリ、アカウント、認証設定、メールサービス側を確認します。
33. メールの送受信ができない
パスワード変更、認証方式、メールボックス容量、サービス障害、メールアプリ設定などを確認してください。
34. メールは送信できるが受信できない
受信サーバー設定だけでなく、受信ルール、迷惑メール、メールボックス容量も確認します。
35. メールは受信できるが送信できない
送信サーバー、SMTP認証、ポート、ネットワーク制限などを確認します。
利用しているメールサービスの現在の公式設定値を優先してください。
36. 特定のWebサイトだけ開けない
元記事ではブラウザー、IPv6、セキュリティソフトを候補としていました。現在は次も確認します。
- サイト側障害
- DNS
- ブラウザーのキャッシュ・拡張機能
- セキュリティソフト・フィルタリング
- PCの日時・証明書
- ネットワーク側のアクセス制限
原因確認なしにIPv6を最初から無効化しないでください。
一体型PC特有:外部モニターで切り分けられない機種もある
一体型PCにはHDMI端子があっても、映像入力専用または出力専用の場合があります。
端子があるだけで外部モニター出力できるとは限らないため、本体型番の仕様書で「HDMI出力」「DisplayPort出力」などを確認してください。
一体型PC特有:内部電源ユニットを分解しない
一部の一体型PCは本体内部に電源ユニットを搭載しています。
危険:内蔵電源ユニットは、電源ケーブルを抜いた後も内部に高電圧が残る可能性があります。電源ユニット本体を開けて修理・測定しないでください。
電源故障を疑う場合は、メーカー指定の交換部品・修理対応を検討してください。
一体型PC特有:液晶交換は機種依存が大きい
一体型PCの液晶パネルは、同じ画面サイズでもコネクタ、解像度、タッチ機能、取付位置、バックライト仕様が異なります。
交換を検討する場合は、本体型番・液晶パネル型番を確認し、見た目だけで互換品を選ばないでください。
データ救出の可能性を症状だけで固定評価しない
元記事には各症状ごとにデータ救出の目安が記載されていましたが、現在の記事では症状だけによる固定評価を使用しません。
同じ「BIOSでSSDが見えない」症状でも、原因が接続不良ならデータが無傷のことがありますし、SSDコントローラー故障なら救出難易度が大きく上がることがあります。
データ救出可否に影響する主な条件:
- SSD/HDDが認識されるか
- HDDに異音があるか
- SSDが認識したり消えたりするか
- BitLockerなどで暗号化されているか
- 初期化・再インストール・上書きを行っていないか
Windows 10搭載の古い一体型PCを修理する場合
Windows 10の通常サポートは2025年10月14日に終了しています。Microsoftは現在、Windows 10への無料のソフトウェア更新、技術サポート、セキュリティ修正を終了しています。
古い一体型PCを修理する場合は、Windows 11対応可否、液晶・電源・ストレージなど部品の入手性、修理費を合わせて判断してください。
修理・使用中止を早めに検討したいケース
- 焦げ臭いにおい、煙、火花、異常発熱がある
- 電源コネクタやACアダプターが異常に熱い
- HDDから繰り返し異音がする
- SSD/HDDが認識したり消えたりする
- 画面内部の割れ・液漏れがある
- 冷却ファンが停止している
- 重要データがありストレージ故障が疑われる
安全な切り分け順序
- 症状が電源・POST・Windows起動・ログイン後・使用中のどこで出るか記録する
- ACアダプター/電源ケーブル、本体ランプ、エラー表示を確認する
- USB機器・SDカードなど外付け機器を外す
- 画面問題なら起動音・外部映像出力対応を確認する
- エラーコード・点滅コード・Stopコードを記録する
- 重要データがある場合はバックアップを優先する
- Windowsまで起動するならセーフモードでソフトウェア要因を分ける
- 必要に応じてメーカー診断を実行する
- 分解・部品交換・初期化・OS再インストールは最後に検討する
まとめ
一体型パソコンの故障を切り分けるときは、単に「電源が入らない」「画面が映らない」とまとめず、通電 → POST/BIOS → Windows起動 → ログイン後 → 使用中のどこで異常が出るか確認してください。
元記事で挙げられていた電源ユニット、ACアダプター、マザーボード、メモリ、液晶パネル、HDD、Windows、セキュリティソフトなどは現在でも重要な候補です。一方、現在はSSD/NVMe、LED液晶、UEFI、BitLockerなども考慮する必要があります。
また、古いCCFL機で使われた「インバーター故障」をすべての現行一体型PCへ当てはめたり、BIOSでストレージが見えないだけで重度物理故障と断定したりしないことが重要です。原因が分からない段階では、簡単で安全な確認から順に進めてください。
