[記事公開日]2025/06/05
古い外付けHDDでも転送速度を改善するための具体策と実践ガイド
もくじ
はじめに
古い外付けHDDを使っていると「遅いな…」と感じることが増えてきます。しかし、寿命が近いわけでも、完全に使えないわけでもありません。設定の見直しや運用方法の工夫によって、今の環境でもできる限りのスピード改善を図ることが可能です。
この記事では、古いHDDでも実行可能な速度改善策を、初心者でも取り組みやすい形で紹介します。無駄な買い替えを防ぎ、現役で活躍させるための実践的なヒントが満載です。
✅ まずは基本の確認:接続方式を見直す
🔌 USB 2.0 vs USB 3.0(あるいはUSB-C)
-
古いHDDはUSB 2.0対応であることが多く、最大転送速度は理論値で480Mbps(約60MB/s)
-
一方、USB 3.0なら最大5Gbps(約625MB/s)と10倍以上の速度差
改善策:
-
HDDがUSB 3.0対応である場合は、青色のUSB 3.0ポートに必ず接続
-
ケーブルもUSB 3.0以上に対応したものを使う(古いケーブルは抵抗・劣化に注意)
🧰 書き込みキャッシュ設定で速度を底上げ
💡 書き込みキャッシュとは
PCのメモリを一時保存場所に使うことで、実際の書き込み処理を後回しにしつつ高速化する機能。
🔧 設定手順(Windows)
-
デバイスマネージャーを開く
-
「ディスクドライブ」→対象HDDを右クリック→「プロパティ」
-
「ポリシー」タブ→「高パフォーマンスモード」+「書き込みキャッシュを有効にする」を選択
**注意点:**安全な取り外しを怠るとデータ消失の可能性があるため、必ず「ハードウェアの安全な取り外し」を実行。
⚙️ 電源オプションの最適化
省電力設定が有効なままだと、HDDが頻繁にスリープに入り、速度低下の原因になります。
🪫 Windowsでの設定
-
コントロールパネル →「電源オプション」→使用中のプラン →「プラン設定の変更」→「詳細な電源設定の変更」
-
「ハードディスク」→「次の時間が経過後ハードディスクの電源を切る」→「なし」に設定
🍏 Macの場合
-
Macでは「省エネルギー」設定から「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」のチェックを外します。
🧹 ディスクの断片化と最適化(Windows)
断片化されたファイルが多いと、読み書きの効率が低下します。
🔍 実行手順
-
「スタート」→「デフラグ」と検索
-
「ドライブの最適化とデフラグ」を開く
-
外付けHDDを選択して「最適化」実行
**注意:**SSDでは不要、HDDのみ実行。
🧪 無料ベンチマークツールで効果を数値化
改善後の効果をチェックするにはベンチマークツールが有効です。
📈 おすすめツール:
-
CrystalDiskMark(Windows)
-
Blackmagic Disk Speed Test(Mac)
使い方はツールを起動して対象HDDを選択し「Start」ボタンを押すだけ。数値の変化で改善効果を確認できます。
💡 その他の実用的な工夫
項目 | 工夫内容 |
---|---|
📁 ファイル構成 | フォルダ分割や大容量1ファイルの削減で読み書き効率UP |
🧹 ウイルス対策ソフト | スキャン対象からHDDを一時除外し、転送速度低下を防止 |
🧲 磁気ヘッドの劣化 | 物理的な劣化がある場合、読み取り位置がずれ速度が低下するため注意 |
🧯 温度管理 | 長時間使用時は冷却ファン併用や通気確保で温度上昇を抑制 |
📜 まとめ
古い外付けHDDでも、適切な設定や運用方法を実践することで、転送速度の改善は十分可能です。すぐにできる設定変更から、少し手間をかけた物理的対策まで、環境に応じて段階的に取り組みましょう。
速度が遅い=買い替えという前に、できることをしっかり見直せば、古いHDDでもまだまだ現役で活躍できます。
➡️ 関連リンク
- [USBポートとケーブルの見直し方法](【ハードウェア最適化】)
- [外付けHDDのキャッシュ設定手順](【設定ガイド】)
- [CrystalDiskMarkの使い方と結果の見方](【ベンチマーク】)
➡️ 同じカテゴリの別の記事はこちら
- 高速化のために最適なフォーマット形式と設定方法
- 読み取り専用の制限を解除して外付けHDDの速度と機能を最大化する方法
- 大容量ファイルを高速で転送するための最適設定と注意点まとめ
- 外付けHDDの速度劣化を防ぐための日常メンテナンスポイント
- 外付けHDDの速度を測定するおすすめツールと使い方
- 外付けHDDの速度を最適化するためのキャッシュ設定手順と高速化ガイド
- 外付けHDDの読み書き速度が遅いときの原因と改善方法
- 古い外付けHDDでも転送速度を改善するための具体策と実践ガイド
- Windowsの「クイック削除」と「高パフォーマンス」の違いと選び方ガイド
- USB 2.0とUSB 3.0の速度差とパフォーマンスの違いについて解説