[記事公開日]2025/06/16
Windows Modules Installerが表示されないときの原因と復旧手順
もくじ
Windows Modules Installerが表示されないときの原因と復旧手順
はじめに
Windowsのシステム更新・修復の中核的存在である「Windows Modules Installer(TrustedInstaller)」は、Windows Update やシステムファイルチェッカー(SFC)、DISM(展開イメージのサービスと管理)などのツールの裏側で重要な役割を担っており、適切に動作しないとWindowsの安定性に深刻な影響を及ぼします。
しかし、何らかの理由でこのサービスがservices.mscに表示されなくなる、あるいは実行されなくなると、これらの修復系ツールも機能しなくなり、結果としてシステムエラーが放置されたままになる危険性があります。
この記事では、Windows Modules Installerが表示されない・動作しないときに考えられる原因と、それに対する具体的かつ実践的な復旧手順を詳しく解説します。
🔍 よくある原因とその対処法
1️⃣ レジストリ情報の消失や破損
症状: サービス一覧に「Windows Modules Installer」が存在しない。
原因: 何らかの操作(不正なクリーンアップツール・手動削除・ウイルス感染など)によって、TrustedInstallerのレジストリ情報が失われている可能性があります。
対処法:
※レジストリ操作を間違えると、パソコンが起動できなくなったりする可能性があります。よくわからない場合は絶対に行わないでください。※
-
メモ帳を開き、以下の内容を貼り付けて保存します(ファイル名は
Restore_TrustedInstaller.regなど):
Windows Registry Editor Version 5.00
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\TrustedInstaller]
"DisplayName"="@%SystemRoot%\\servicing\\TrustedInstaller.exe,-100"
"ImagePath"="%SystemRoot%\\servicing\\TrustedInstaller.exe"
"Start"=dword:00000003
"Type"=dword:00000010
"ErrorControl"=dword:00000001
-
保存した
.regファイルを右クリックして「結合」→ 管理者として実行。 -
PCを再起動し、services.mscで再確認。
2️⃣ TrustedInstaller.exeの削除・破損
症状: 該当ファイル C:\Windows\servicing\TrustedInstaller.exe が存在しない、または起動しない。
原因: 誤って削除、ウイルス感染による破損、ディスクエラーによる消失などが考えられます。
対処法:
-
同じバージョンの正常なWindowsを搭載しているPCから
TrustedInstaller.exeをUSBメモリなどでコピー。 -
コピー先:
C:\Windows\servicing\ -
コマンドプロンプト(管理者)を起動し、以下を実行:
sc config TrustedInstaller start= demand
net start TrustedInstaller
※ ファイルの所有者やアクセス権が不足している場合は、「セキュリティ」タブから所有権を取得する必要があります。
3️⃣ SFCとDISMによる修復
症状: TrustedInstallerが存在しても、起動直後に停止する/応答しない
原因: システムファイルが全体的に破損しているケースが多く、TrustedInstallerに限らず他のWindowsコンポーネントも正常に動作しない状態です。
対処法:
-
コマンドプロンプト(管理者)を開く
-
以下を順に実行:
sfc /scannow
(終了後に結果を確認し、破損が修復できなかった場合)
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
※ 上記のどちらかが完了できない・エラーが発生する場合は、Windowsの上書きインストール(修復インストール)を検討します。
4️⃣ グループポリシーやセキュリティソフトの干渉
症状: TrustedInstallerが存在するのに、実行できない/起動してもアクセスが拒否される
原因: セキュリティソフトや一部の管理ポリシーがTrustedInstallerの実行をブロックしている可能性があります。
対処法:
-
セキュリティソフトの設定で、「保護されたファイルの変更防止」などの項目が有効になっていないか確認し、一時的に無効化して試します。
-
ローカルグループポリシーエディター(gpedit.msc)から以下を確認:
コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > システム > ファイルシステム
「インストーラサービスの制限」や「TrustedInstaller.exeに関する制限」が有効化されていれば解除します。
5️⃣ DISMとSFCすら動作しないほど深刻な破損状態
症状: DISMコマンドでエラーが出続け、TrustedInstallerの修復すら不可能
対処法:
-
クリーンインストールを避けるために、修復インストール(Windows上書きインストール) を検討します。
-
Microsoft公式からISOファイルをダウンロードし、エクスプローラーから
setup.exeを実行 → 「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」 を選んで進めると、システムの復元とサービスの復旧が可能です。
✅ チェックリスト形式まとめ
| チェック項目 | 内容・対応方法 |
|---|---|
| TrustedInstaller.exeの存在確認 | C:\Windows\servicing\ に存在するか確認 |
| サービス一覧に表示されるか | services.mscで確認 |
| レジストリ登録の有無 | regeditで該当キーを確認/.regで再登録 |
| SFCとDISMの修復結果 | sfc /scannow → DISM /RestoreHealth の順に実行 |
| セキュリティソフトの影響 | 一時的に無効化し、TrustedInstaller起動を確認 |
| グループポリシーによる制限 | gpedit.mscから該当設定を確認し、制限があれば解除 |
| 修復インストールの検討 | DISM・SFC・レジストリ再登録で改善しない場合に最終手段として実施 |
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