[記事公開日]2025/06/16
グラフィックボードの温度が異常に高いときの対処法
グラフィックボード(GPU)は、高性能な映像処理を担う重要なコンポーネントですが、高負荷状態が続くと発熱しやすく、温度が異常に上昇することがあります。温度が高いまま放置すると、パフォーマンスの低下やフリーズ、最悪の場合はハードウェアの損傷に至ることもあります。
本記事では、GPUの温度が異常に高くなる原因とその対処法、さらに普段からの予防策について詳しく解説します。パソコンを安全に長く使い続けるために、冷却対策と適切な設定の見直しが非常に重要です。
もくじ
🔍 温度が高くなる主な原因
1️⃣ 冷却ファンの不具合や汚れ
詳細: ファンにホコリが詰まっていたり、ファン自体が回っていない場合、冷却効率が著しく低下します。
確認ポイント:
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ファンが物理的に回転しているか目視で確認
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ホコリの蓄積具合(ブロワーで吹くと粉塵が舞うレベルなら要清掃)
対処法:
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エアダスターやブラシでファンとヒートシンクの清掃
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ファンが回っていない場合はBIOSや専用ユーティリティで動作確認
2️⃣ ケース内のエアフロー不足
詳細: PCケース内の空気の流れが悪いと、熱がこもってしまいます。
確認ポイント:
-
吸気・排気ファンが適切に配置されているか
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ケーブル配線が風の通り道を妨げていないか
対処法:
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ケースファンを追加する(吸気:前面/排気:背面・上部)
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ケーブルをタイラップ等でまとめて空気の流れを確保
3️⃣ サーマルペーストの劣化
詳細: GPUチップとヒートシンクの間に塗布されている熱伝導グリスが劣化すると、熱がうまく逃げずに温度が上昇します。
確認ポイント:
-
長期間使用しているPC(目安:3年以上)
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温度が高いのにファンは正常動作している
対処法:
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グラフィックボードを分解し、サーマルペーストを塗り直す(上級者向け)
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分解前にメーカー保証の有無を確認
4️⃣ ドライバや設定による負荷
詳細: GPUドライバの不具合や過剰な設定(常に高性能モードなど)が温度上昇を引き起こすことがあります。
確認ポイント:
-
GPUの使用率が常に高い
-
ドライバが最新でない
対処法:
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ドライバの更新または再インストール(Display Driver Uninstaller(DDU)の使用推奨)
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NVIDIAやAMDの設定で電力管理モードを「最適電力」に変更
5️⃣ オーバークロックによる発熱
詳細: クロック数や電圧を上げると性能は向上しますが、比例して発熱量も増加します。
確認ポイント:
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MSI Afterburnerなどでクロック値がデフォルトより高く設定されている
対処法:
-
オーバークロック設定を無効化または初期値に戻す
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電圧やファン曲線の設定も見直す
📈 GPU温度の正常範囲と確認方法
| 状態 | 温度の目安(℃) |
|---|---|
| アイドル時 | 30〜50 |
| 通常使用(動画再生など) | 50〜70 |
| 高負荷時(ゲーム、動画編集) | 70〜85 |
| 危険領域 | 90以上 |
確認ツール:
-
GPU-Z
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HWMonitor
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MSI Afterburner(温度のモニタリング&ファン制御も可能)
🛡 予防策・日常のメンテナンスポイント
-
定期的にPC内部の清掃を行う(2〜3ヶ月に1回が目安)
-
ケース内のファンを増設または高性能なものに交換
-
グラボにダストフィルター付きの吸気ファンを当てる
-
サーマルペーストは2〜3年ごとに塗り替え(ハード使用者向け)
-
GPU使用率をチェックし、異常がないか確認
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