[記事公開日]2025/10/09
[最終更新日]2025/11/14
💥 外付けHDDが壊れているかを判断するポイント|データ消失を防ぐためのチェックリスト
もくじ
はじめに 💡
外付けHDDは写真・動画・書類など、大切なデータを保存するために多くの人が使用しています。しかし、ある日突然「認識しない」「アクセスできない」「変な音がする」といったトラブルが発生することがあります。
HDDは消耗品であり、内部には精密な機構が詰まっているため、ちょっとした異常でも“壊れる前兆”である可能性があります。この記事では、外付けHDDが故障しているかを見極めるポイントと、データを守るための具体的な対応策を、修理現場の視点から詳しく解説します。
🔍 外付けHDDが壊れているかを判断する主なサイン
壊れている、または壊れかけているHDDには共通するサインがあります。下記のチェックリストで、自分のHDDがどの状態か確認してみましょう。
| 状況 | 症状 | 故障の可能性 |
|---|---|---|
| 通電しない | ランプが点灯しない、モーター音がしない | 高い(基板故障・電源トラブル) |
| 認識しない | エクスプローラーにも「ディスクの管理」にも表示されない | 高い(基板・モーター故障) |
| アクセスできない | 表示されるが「応答なし」や「フォーマット要求」 | 中~高(ファイルシステム破損・セクタ不良) |
| 異音がする | カチカチ・ジーッなどの不規則な音 | 非常に高い(ヘッドまたはモーター異常) |
| 動作が遅い | 読み込みに時間がかかる、コピー中に止まる | 中(不良セクタ発生・経年劣化) |
| 発熱が激しい | 触ると熱くなる・ケースが異常に温かい | 中(内部摩擦・通電異常) |
🧭 ステップ①:電源・接続の基本確認
まずは「HDD自体が物理的に動作しているか」を確認します。単純な電源不良や接続不良の可能性も少なくありません。
🔌 1. 電源ランプと回転音を確認
-
ACアダプタがしっかり接続されているか確認。
-
通電時に「ブーン」という回転音がするかチェック。
-
完全に無音なら基板・電源系の不良が考えられます。
💻 2. 別のUSBポート・ケーブルで試す
-
ケーブルの断線や接触不良が原因のこともあります。
-
別のUSBケーブル・別のパソコンで認識するか確認。
⚡ 3. USBハブを経由しない
-
電力不足で起動できないケースもあります。PC本体のポートへ直接接続して確認。
🧰 ステップ②:Windowsでの認識状況を確認
✅ 1. ディスクの管理で確認
-
【Windowsキー + R】→「diskmgmt.msc」と入力しEnter。
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「ディスク 1」「ディスク 2」などで外付けHDDが表示されるか確認。
-
「未割り当て」や「オフライン」なら、初期化や再設定で改善する場合もあります。
👉 表示されない場合:HDDが物理的に壊れている可能性が高いです。
✅ 2. デバイスマネージャーで確認
-
【Windowsキー + X】→「デバイスマネージャー」を開く。
-
「ディスクドライブ」や「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」を展開。
-
不明なデバイス、または「!」マーク付きデバイスがないか確認。
👉 対応策:右クリック → 「デバイスのアンインストール」→ 再接続で自動再認識。
⚙️ ステップ③:動作音・振動・発熱で異常を判断
外付けHDDは内部でモーターが回転し、磁気ヘッドでデータを読み書きしています。そのため、動作中の音や振動は重要な手がかりになります。
🔊 異音チェック
| 音の種類 | 想定される原因 |
|---|---|
| 「カチッ、カチッ」 | 読み取りヘッドが正常動作できずリトライを繰り返している |
| 「ジーッ」 | モーターや軸受けの摩耗・固着 |
| 「ブーン」 | モーターの回転音(正常範囲内) |
| 無音 | 電源基板やUSBブリッジの故障 |
💡 異音が出ている状態で電源を繰り返し入れると、ヘッドがプラッタを傷つけ、データ復旧率が著しく低下します。すぐに通電を止めましょう。
🧩 ステップ④:健康状態をソフトでチェック
HDD内部の自己診断情報(SMART情報)を確認することで、故障の兆候を数値的に判断できます。
💎 CrystalDiskInfo の使い方
-
無料ソフト「CrystalDiskInfo」をインストール。
-
起動すると「健康状態」「温度」「使用時間」「再配置セクタ数」などが表示されます。
-
「注意」「異常」と表示された場合は交換を検討しましょう。
📉 SMART情報の見方(重要項目)
| 項目 | 意味 | 判断基準 |
|---|---|---|
| Reallocated Sector Count | 不良セクタの代替記録数 | 数値が増加していると要注意 |
| Current Pending Sector | 読み取り不能セクタ | 0以外なら危険信号 |
| Power-On Hours | 通電時間 | 20,000時間超なら経年劣化の可能性 |
| Temperature | 温度 | 常時50℃以上は危険 |
🧠 ステップ⑤:ファイルアクセス時の挙動を確認
🧾 よくある異常パターン
-
フォルダを開こうとするとエクスプローラーが固まる。
-
コピー・削除が極端に遅い。
-
一部のファイルだけ開けない。
これらの症状は、ディスク表面(プラッタ)の一部が読み取れない「不良セクタ」が発生しているサインです。早期のバックアップを強く推奨します。
🔧 一時的な対処
-
「chkdsk /f /r」コマンドでエラーチェックを実行。
-
ただし、重度の障害ではデータが失われる可能性があるため、実行前にバックアップまたは専門業者への相談を。
🧑🔧 ステップ⑥:ケースや基板のトラブルも疑う
HDD自体が壊れていない場合でも、外付けケース(エンクロージャ)の基板が故障しているケースがあります。
🧰 チェック方法
-
HDDケースを開けて中のSATAドライブを取り出す。
-
SATA-USB変換ケーブルで直接PCに接続。
-
認識すればケース側のUSB基板故障。
-
それでも認識されなければ、HDD本体の問題。
💾 データを守るために今すぐできること
✅ 1. 異常を感じたら通電を止める
-
HDD内部でヘッドがディスクに接触している場合、使用を続けるとデータが完全に破損します。
✅ 2. バックアップを別メディアに保存
-
別の外付けHDD、NAS、クラウドなどに二重保存を。
✅ 3. 自分で分解しない
-
分解すると復旧が不可能になることが多く、メーカー保証も失効します。
📊 故障状態別の対応目安
| 故障タイプ | 現象 | 対応方法 |
|---|---|---|
| 軽度論理障害 | ファイル破損、フォーマット要求 | データ復旧ソフトで回復可能 |
| 中度物理障害 | 読み込み遅延、断続的な認識 | 専門業者で復旧推奨 |
| 重度物理障害 | 異音・発熱・無反応 | 通電を止め、即修理相談 |
🧾 まとめ
-
外付けHDDの故障サインは「認識不良」「異音」「遅延」「発熱」など。
-
CrystalDiskInfoでSMART情報を確認すれば、劣化状態を可視化できる。
-
無理な通電や分解は避け、重要データは早急にバックアップを取る。
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✨ さいごに
外付けHDDの故障は突然起こりますが、早期に気づくことでデータ消失を防ぐことが可能です。異音や動作不良を感じた時点で無理な操作をせず、落ち着いて状態を確認しましょう。もしデータが大切なものであれば、専門のデータ復旧業者に相談することを強くおすすめします。
