[記事公開日]2023/02/28
[最終更新日]2025/03/28
0x0000000F SPIN_LOCK_ALREADY_OWNEDの原因と対処法|考えられるエラー要因と解決のヒント
概要
「SPIN_LOCK_ALREADY_OWNED」(エラーコード:0x0000000F)は、Windowsでブルースクリーンが表示される際に発生する比較的まれなエラーです。このエラーは、カーネルモードで動作しているドライバまたはシステムコンポーネントが、同じスレッドで既に取得済みのスピンロックを再取得しようとした場合に発生します。多くの場合、ドライバのバグや互換性の問題が原因です。
もくじ [閉じる]
よくある原因
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デバイスドライバの不具合や設計ミス
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サードパーティ製セキュリティソフトによるカーネル干渉
-
マルチスレッド動作中のドライバ競合
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古いドライバやベータ版ドライバの使用
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Windowsカーネルとの互換性がないハードウェア制御系ソフト
エラーの意味
「スピンロック」とは、マルチスレッド環境でのリソースアクセスを調整するために使われる同期プリミティブです。すでにスレッドがロックしている状態で再び同じロックを取得しようとすると、デッドロック(無限待機)が起こるため、Windowsはブルースクリーンを表示してシステムを保護します。
主な対処法
最近インストールまたは更新したドライバの削除・ロールバック
- [デバイスマネージャー] → 該当デバイスを右クリック → [ドライバーのプロパティ] →「ドライバーを元に戻す」
-
新規導入した周辺機器(USB、PCIeカードなど)も確認対象
セーフモードでの起動と問題の切り分け
- [Shift + 再起動] → [トラブルシューティング] → [詳細オプション] → [スタートアップ設定] → [セーフモード]
-
セーフモードでエラーが発生しない場合はドライバまたはソフトが原因の可能性大
ドライバの最新バージョン確認と更新
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PCメーカーやハードウェアベンダー公式サイトから最新の安定版ドライバを入手
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特にネットワーク・グラフィック・セキュリティ関連のドライバは重要
セキュリティソフトの一時無効化または削除
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サードパーティ製セキュリティ・バックアップソフトがカーネル干渉を起こすケースあり
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一時的に無効化して症状の再現有無を確認
注意: セキュリティソフトを削除・停止する際は、オフライン環境で行い、必ずWindows Defenderなどの代替セキュリティが有効か確認してください。
BIOSおよびファームウェアの更新
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マザーボードのBIOSが古い場合、一部ドライバの動作に不整合が起こることがあります
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メーカー公式サイトから正しい手順でアップデート
注意: BIOSの更新に失敗すると起動不能になる可能性があります。取扱説明書をよく読み、慎重に作業してください。
メモリやCPUのオーバークロック設定の見直し
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オーバークロックはドライバやカーネルのタイミングに影響を与え、スピンロック競合を引き起こす可能性があります
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BIOSで「最適化設定(Load Optimized Defaults)」を適用し、安定性を重視した設定に戻す
予防策
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不要なドライバやベータ版ドライバはインストールしない
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セキュリティソフトは信頼性が高く、Windows互換のある製品を使用
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定期的にWindows Updateやドライバ更新を行う
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BIOSやファームウェアは安定版を利用
まとめ
原因 | 対処法の例 |
---|---|
ドライバの不具合・競合 | ロールバック、安定版に更新 |
サードパーティ製ソフトの干渉 | 一時的に無効化または削除 |
BIOSやファームウェアの不整合 | メーカー公式手順で更新 |
オーバークロック設定 | BIOSで初期化、安定構成に戻す |
セーフモードで再現しない場合 | 不要なソフト・ドライバを無効化、原因を分離 |
SPIN_LOCK_ALREADY_OWNEDは、ドライバやカーネルレベルの競合が原因で発生する高度な同期エラーです。更新・無効化・安定化の3ステップが基本対応となります。
→⃣ 関連リンク
-
「ブルースクリーンエラーの基本的な原因と対策」
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「セーフモードでWindowsを起動する方法」
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「ドライバをロールバックする方法」
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「BIOSをアップデートする際の注意点」
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